住宅ローン 選び方住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

住宅ローン審査の基準とは住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

住宅ローンを組むためには借り入れ(借り換え)を希望する金融機関の審査に通過しなけばいけません。この住宅ローンの審査を通過するためには、「定職に就いていること」「安定的な収入があること」が、全ての金融機関に共通する必須の条件です。

そしてこの必須の条件に加え、住宅ローンを申し込む金融機関によって、設けられている審査基準に通過することが、住宅ローンを借り入れる条件になります。

ちなみに、多くの金融機関が、個別に設けている審査基準を公表しておらず、勤務先・勤続年数など、申込者の属性を総合的に判断するのが一般的です。また、一部の金融機関では、正社員であることを申し込みの要件にしているケースもあります。

また自営業・契約社員・派遣社員の方は、住宅ローン審査に通りにくいのが実情です。

本特集では、住宅ローンの審査に通りやすい金融機関を厳選。住宅ローン審査に落ちたという方も、諦める必要はありません。

自分に合った住宅ローンを選び、審査の通過を目指しましょう。

住宅ローン審査が厳しい金融機関とは住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

数ある金融機関の中でも住宅ローン審査が厳しいと言われているのは、メガバンク、第一地銀、信託銀行です。大手金融機関は、ネット銀行や政府系金融機関と比較すると、リスクを避ける傾向が強いため、審査は必然的に厳しくなります。そのため、収入面で安定性に欠けると判断される傾向がある自営業・契約社員・派遣社員の方が審査に通過するのは容易ではありません。

住宅ローン審査に通過する申し込みの要件としては「正社員で1年以上勤務している方」「年収400万円以上」などの条件が設定されているケースもあります。

またネット銀行などでも住宅ローン審査が厳しくなるケースもあります。住宅ローン審査が厳しくなる最大の理由は、「融資額の大きさ」です。仮に契約者が住宅ローンの返済をできなくなった場合、金融機関は住宅を売却することで資金の回収を図ります。しかし、住宅は購入時から徐々に価値が下がり、物件価格が高くなればなるほどリスクが上がっていきます。このリスクを抑えるため、融資額が大きいケースほど、住宅ローンの審査は厳しくなり、金融機関は慎重な審査を行うのです。

タイプ別で考える 審査に通りやすい住宅ローン住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

先ほどのチャプターで自営業・契約社員・派遣社員は、住宅ローン審査が厳しいという説明をしましたが、自営業・契約社員・派遣社員の方が住宅ローンを組めないかというと、決してそんなことはありません。

金融機関の中には、雇用形態や勤続年数だけで審査を行わず、融資を実行してくれるケースもあるのです

住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

例えば、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携し、提供するフラット35では、雇用形態や勤続年数による申し込み要件を設けていません。
また、審査基準が緩やかに設定され、自営業や契約社員、派遣社員でも組める住宅ローンを提供している金融機関もあります。
さらに、信用金庫や第二地銀など、住宅ローン商品の販売に力を入れている金融機関も、大手金融機関と比較すると審査に通りやすい傾向があります。

希望していた住宅ローンの審査に落ち、審査に通過できる金融機関を探している方はもちろん、自営業や契約社員、派遣社員でも審査に通りやすい住宅ローンを検討している方は、以下のタイプ別に自分に合った住宅ローンを見つけましょう。

審査に通りやすい住宅ローン その1
フラット35

「住宅ローンの審査に通るか不安」という方が、まず候補として検討すべきなのが、フラット35提携の住宅ローンです。フラット35には、「国民の住宅購入を支援する」という目的のもと、政府系金融機関である住宅金融支援機構と民間金融機関が提供を行っており、長期固定金利の低さでは、民間の金融機関を下回る低金利を実現しています。

また、住宅金融支援機構では他の金融機関の住宅ローンとは異なり、審査基準をすべて公開。申し込み可能な最低年収などの定めもないため、他の金融機関よりも申し込みやすい点が最大のメリットです。

ちなみに、フラット35の審査基準は以下の通り。下記の基準を満たしていれば、基本的に住宅ローンを組むことが可能です。

フラット35の審査基準

  • 申し込み時の年齢が満70歳未満の方(※親子リレー返済を利用する場合は、70歳以上の方も申し込み可)
  • 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • 自動車ローンやカードローン等を含むすべての借り入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が以下の基準を満たす方
年収 400万円未満 400万円以上
年間合計返済額の割合 30%以下 35%以下

おすすめのフラット35提携住宅ローン

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

金利 2023年1月
※融資比率9割以下の場合
  • 15-20年固定1.52
  • 21-35年固定1.68
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
取扱事務手数料 借り入れ金額の2.2%(税込)
※Webからの申し込みで1.1%(税込)に優遇

ARUHI フラット35 住宅ローンの特徴
12年連続(※2022年3月末時点)でフラット35の取扱高No.1を誇る「ARUHI」の長期固定金利型住宅ローン。オリコンが実施した、「顧客満足度®調査(2022年)」でも第1位を獲得し、利用者からの満足度も高い。
ARUHIでは、数あるフラット35のなかでも、最低水準の住宅ローン金利を実現。また、Webからの申し込みで、取り扱い事務手数料が、借り入れ金額の1.1%(税込)に優遇される。他のフラット35と比較し、有利な条件で住宅ローンを組めるのは、ARUHI フラット35を利用する大きなメリット。
また、事前審査は1~2営業日、本審査は1~2週間とスピード審査に対応しているほか、全国1,000以上の金融機関から返済口座を指定することが可能。
フラット35を検討する際、ARUHIはまずチェックしておきたい。

ARUHI フラット35 住宅ローン

楽天銀行 フラット35

ARUHI フラット35

金利 2023年1月
※融資比率9割以下の場合
  • 15-20年固定1.52
  • 21-35年固定1.68
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
取扱事務手数料 借り入れ金額の1.430%(税込)
※楽天銀行を返済口座に指定すると、「借り入れ金額の1.10%(税込)」に優遇。ただし、取り扱い事務手数料の最低金額は11万円(税込)。

楽天銀行 フラット35の特徴
楽天銀行が提供する長期固定金利型住宅ローン。
楽天銀行 フラット35では、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。また、取り扱い事務手数料も「借り入れ金額の1.430%(税込)」と業界最低水準に設定されている。ちなみに、取り扱い事務手数料は、楽天銀行を返済口座に指定すると、「借り入れ金額の1.10%(税込)」に優遇。他のフラット35と比較して、少ない負担で住宅ローンを組むことができる。
さらに、つなぎ融資も可能となっているほか、事前審査は最短翌日に回答が受け取れ、スピード審査にも対応している。
楽天銀行の優遇プログラム「ハッピープログラム」の会員ステージも1ランクアップするので、楽天グループのサービスをよく利用する人や、楽天銀行の口座をすでに持っている人・口座開設を予定している人であれば、ぜひ利用を検討したい。

楽天銀行 フラット35 住宅ローン

審査に通りやすい住宅ローン その2
審査基準が緩やかな住宅ローン

審査に通りやすい住宅ローンとして、審査基準(申し込み条件)が緩やかな金融機関の住宅ローンを利用するのも方法です。

数ある金融機関のなかには、審査基準が緩やかに設定されているところがあり、こうした金融機関の住宅ローンを利用すれば、他の金融機関と比較して、審査に通過できる可能性が高くなります
また、なかには正社員だけではなく、自営業や契約社員、派遣社員でも、借り入れ可能な住宅ローンを提供している金融機関も。

住宅ローンの審査に思うように通過できない場合や、現在、自営業や契約社員、派遣社員として働いており、住宅ローンの借り入れを検討している方は、審査基準が緩やかな金融機関もぜひ選択肢に入れておくと良いでしょう。

おすすめの住宅ローン

イオン銀行 住宅ローン

イオン銀行 住宅ローン

金利 2023年1月
  • 変動0.38(物件価格の80%以内での借り入れの場合)
  • 当初3年固定1.04
  • 当初5年固定1.14
  • 当初10年固定1.44
雇用形態による借り入れ条件
  • 正社員:〇
    …6か月以上勤務+前年度収入が100万円以上
  • 会社経営者:〇
    …事業開始後3年を経過+前年度収入が100万円以上
  • 自営業:〇
    …事業開始後3年を経過+前年度所得が100万円以上
  • 契約社員:〇
    …6か月以上勤務+前年度収入が100万円以上
    …健康保険・厚生年金保険の被保険者であり、雇用保険への加入が確認できること
  • 派遣社員:〇
    …6か月以上勤務+前年度収入が100万円以上
    …健康保険・厚生年金保険の被保険者であり、雇用保険への加入が確認できること
  • パート・アルバイト:×
取り扱い事務手数料
  • 〈定額型〉11万円(税込)
  • 〈定率型〉 借り入れ金額の2.2%(税込)※最低取り扱い事務手数料は22万円(税込)
  • 「定額型」を選択した場合、「定率型」を選択した場合と比較し、住宅ローン金利が年0.2%高くなる
団信
  • 一般団信:無料付帯
  • 全疾病団信:年0.1%金利上乗せ
  • がん保障付団信:年0.2%金利上乗せ
  • 8疾病保障団信:年0.3%金利上乗せ
保証料 無料
一部繰上げ返済手数料 無料

イオン銀行 住宅ローンの特徴
イオングループの「イオン銀行」が提供する住宅ローン。
イオン銀行では、正社員に加え、自営業や契約社員、派遣社員等による住宅ローンの借り入れにも対応。例えば、正社員・契約社員・派遣社員の場合、「6か月以上の勤務+前年度収入100万円以上」、自営業の場合は「事業開始後3年を経過+前年度所得が100万円以上」といった条件を満たしていれば、住宅ローン審査に申し込むことができる。他の金融機関と比較し、審査基準が緩やかに設定されている点は、イオン銀行の大きな魅力。
また、優位性のある住宅ローン金利を実現しているほか、「イオンでの買い物が毎日5%OFF」になる等の住宅ローン契約者限定特典も充実している
イオングループのサービスをよく利用する人はもちろん、審査基準が緩やかな住宅ローンを検討している人は、イオン銀行の住宅ローンをぜひ候補に入れておきたい。

イオン銀行 住宅ローン

SBI新生銀行 住宅ローン

SBI新生銀行 住宅ローン

金利 2023年1月
  • 変動半年型〈変動フォーカス〉:0.42
  • 当初固定10年1.10
  • 当初固定20年1.50
  • 長期固定30年1.60
雇用形態による借り入れ条件
  • 正社員:〇
    …連続した就業2年以上+前年度税込年収が300万円以上
  • 会社経営者:〇
    …業歴2年以上+2年間の平均所得(経費控除後の金額)300万円以上
  • 自営業:〇
    …業歴2年以上+2年間の平均所得(経費控除後の金額)300万円以上
  • 契約社員:〇
    …連続した就業2年以上+前年度税込年収が300万円以上
  • 派遣社員:×
  • パート・アルバイト:×
取り扱い事務手数料 〈定額型〉
  • 5.5万円(税込)
  • 11万円(税込)※「安心パック」付帯時
  • 16.5万円(税込)※「安心パックW」「安心パックS」付帯時
  • ステップダウン金利タイプを選択した場合も、取り扱い事務手数料は16.5万円(税込)。
〈定額型〉
  • 借り入れ金額の2.2%(税込)
  • 「変動金利(半年型)〈変動フォーカス〉」選択時
団信 無料
保証料 無料
一部繰上げ返済手数料 無料

SBI新生銀行 住宅ローンの特徴
利便性の高いサービスに定評がある「SBI新生銀行」の住宅ローン。
SBI新生銀行では、正社員に加え、自営業や契約社員による住宅ローンの借り入れにも対応。正社員・契約社員の場合、「連続した就業2年以上+前年度税込年収が300万円以上」、自営業の場合は「業歴2年以上+2年間の平均所得(経費控除後の金額)300万円以上」といった条件をクリアしていれば、住宅ローン審査に申し込むことができる。特に、自営業や契約社員でも住宅ローンを組めるのは、嬉しいポイントといえるだろう。
また、他の多くの金融機関が取り扱い事務手数料に定率制を採用しているなか、SBI新生銀行では取り扱い事務手数料に定額制を採用(※一部のプランを除く)。住宅ローンの借り入れにかかる諸費用を抑えることができる。
住宅ローン返済期間中のライフイベントやさまざまなリスクに備えられるオプション「安心パック」シリーズを提供している点も魅力。

SBI新生銀行 住宅ローン

審査に通りやすい住宅ローン その3
信用金庫、第二地銀など

住宅ローン審査に通りやすい金融機関、最後の選択肢は、地域に根ざした金融機関である、信用金庫や第二地方銀行が提供する住宅ローンです。

信用金庫や第二地方銀行など、地域を限定し、サービスを提供する金融機関にとって、最も重要な顧客は、その地域の住人です。彼らは地域の事情や顧客を取り巻く環境なども考慮し、住宅ローン審査を行うため、大手金融機関と比較すると、住宅ローン審査が丁寧で、できる限り融資できるよう配慮してくれるケースも少なくありません

住宅ローン審査になかなか通過しないという方は、ご自身の住んでいる地域の信用金庫や第二地方銀行を選択肢の一つとして検討に加えてみるのも良いでしょう。

借りやすい住宅ローンをしっかり抑え、 賢くマイホームを手に入れよう住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行も

今回の特集では、住宅ローン審査に通りやすい金融機関を厳選し、ご紹介しました。

住宅ローン審査になかなか通らないという方は、本特集を参考に、住宅ローン審査に改めてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

特に、自営業・派遣社員・契約社員の方や勤続年数が短い方の場合、住宅ローン審査に通りにくい傾向はありますが、絶対に通らないということはありません。

フラット35提携ローンはもちろん、その他の選択肢も考慮して、住宅ローン審査に申し込み、念願のマイホームを手に入れましょう。

著者 溝口 麻衣

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。住宅ローン審査に通りやすい金融機関とは?自営業OKの銀行の調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。

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