お悩み・相談住宅ローンが払えない場合
住宅ローン相談室 第27回住宅ローンが払えない場合
H15年より30年の長期固定住宅ローンを組んでいます。しかし、現在勤めている会社の業績悪化の影響で、来月あたりから給料が下がりそうです。これから住宅ローンが支払えなくなった場合どうすればいいのでしょうか?(H15年借入額4000万円)
(ひろ・39才・男・会社員)
ご質問への回答
住宅ローンを組む際は十分なゆとりを持ってローン計画を立てたつもりでも、様々な事情が重なって返済が難しくなる場合があります。
この場合、まずすぐにしなければいけない事は住宅ローンを組んでいる金融機関への速やかな相談です。これが速いか遅いかで打てる手立ては大きく変わってきます。忘れてはいけないのが住宅はローンを組んでいる間はまだ完全に自分のものになった訳ではないという点です。住宅ローンは銀行などの金融機関から借りているお金で自分の家として認めてもらっている状態であり、ローンの支払いを怠ると住宅の権利は、債権者である金融機関や保証会社に移ってしまう事をよく覚えておきましょう。
金融機関への相談が早ければ銀行の判断にもよりますが、利息分のみ支払い元金の返済を一定期間を猶予する方法、住宅ローンの期間によっては返済期間を延長することで毎月の支払いを減らす方法等をとることも可能です。
また住宅ローンを借り入れした時期の金利が高ければ、住宅ローンを借り換える事で返済額を圧縮する事ができるかもしれません。
大事なのは状況から逃げず、早めに手を打つという事です。
もし返済が長く滞ると、金融機関や保証会社は一括返済を求めてきます。保証会社を使っている場合は、保証会社が金融機関に住宅ローンの残債を返済し、抱えている住宅の債務は金融機関から保証会社に移ります。
この後、保証会社が競売などで住宅を売却した場合、その売却額は債務の返済に充てられ、それでも債務が残る場合、その金額を返済する義務を負うことになります。
一般的に競売は住宅価格が市価と比較しても安くなる傾向があるので、このような状態に陥る場合、任意売却を使い住宅を売却したほうが有利ですが、それでも債務をすべて返済するのは難しいケースがほとんどです。
その金額が返済が可能である金額であるなら返済計画を立て、返済していくことをお勧めしますが、経済状況を考え、それが難しい場合は自己破産するというのも一つの選択肢になります。
保証会社が間に入っている場合、銀行は万一の場合の返済を保証会社が行うため、損をするという感覚がなく、積極的に督促などを行わないケースもあります。連絡が来ないから大丈夫だろうとほっておくのではなく、返済が難しくなったら早めに相談するようにしましょう。