ライフスタイル40歳からの住宅ローンの組み方を解説!何歳まで借入できる?頭金は必要?他、疑問点をチェック

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40歳以上で組めるおすすめの住宅ローンとは?押さえておきたいポイントやデメリットも解説

40歳からでも住宅ローンは組める?40歳からの住宅ローンの組み方を解説

40歳をすぎると住宅ローンが組みにくくなるという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?国土交通省の「住宅市場動向調査」によれば、初めて住宅を購入した世帯主の年齢は30歳代が最も多く、家を買う年齢は30代が中心となっています。
しかし、住宅購入のタイミングは、住宅の種類や購入者のライフプランによって様々。下記のデータを見ても40歳代で住宅を購入するケースは決してめずらしくありません

住宅の種類別 世帯主の年齢(一次取得の場合)

住宅の種類 主な年齢層(割合) 平均年齢
注文住宅 30歳代(46.5%)、40歳代(23.3%) 40.0歳
分譲戸建住宅 30歳代(50.0%)、40歳代(26.6%) 37.2歳
分譲マンション 30歳代(50.5%)、40歳代(30.0%) 39.5歳
中古戸建住宅 40歳代(31.7%)、30歳代(27.8%) 43.2歳
中古マンション 40歳代(38.8%)、30歳代(31.7%) 43.6歳

このように40歳代での住宅購入は一般的ですが、多くの住宅ローンは、メインの購入年齢層である30代が定年までに返済を終える前提で最長35年の返済期間を設けるなど、30代に合わせて設計されていることも事実。
そのため、40歳以降に住宅ローンを組む場合は、40代ならではの住宅ローンのリスクを頭に入れた上で、無理のない返済計画を立てなければなりません

今回は「40歳からの住宅ローン」にスポットを当て、40歳の住宅購入者が押さえておきたい住宅ローンのリスクと、失敗しない組み方を解説します。

40歳以降の住宅ローンがリスクとみなされやすい理由は?40歳からの住宅ローンの組み方を解説

まずは、40歳からの住宅ローン申し込みに厳しいイメージがあるのはなぜなのか、一般的な理由を押さえておきましょう。

  • 定年までの時間が30代よりも短い
  • 生活習慣病など健康状態の悪化
  • カードローンやマイカーローンなどの負債・延滞履歴
  • 子供の進学や親の介護等のライフイベントが集中しやすい

40歳以降の住宅ローンがリスクとみなされやすい理由は? その1
定年までの時間が30代よりも短い

40歳をすぎると、定年が視野に入り、これから稼げる金額の見通しが立ち始めるビジネスパーソンが増えてきます。30歳代と比較すると、40歳代は収入面で時間を味方につけられる余地が少ないため、より慎重に、自分の生涯年収と借入額のバランスを取るようにしましょう
副業やリスキリングによる年収アップ、NISAやiDeCoを利用した資産作りなど、定年を意識して資金面を充実させておくことは、無理なく返済していく上でも重要です。

40歳以降の住宅ローンがリスクとみなされやすい理由は? その2
生活習慣病など健康状態の悪化

生活習慣病など健康状態の悪化

一般的に、年齢が上がれば上がるほど身体の病気リスクは高まります。40歳代になると、健康診断で血圧や血液検査の数値などの指摘を受ける機会が増え、生活習慣病を抱えるケースも増加傾向に。健康状態が悪いと、住宅ローンの団体信用生命保険が引受対象外となり、住宅ローンの審査に落ちる原因となります
健康診断で注意を受けている場合は、数値改善のための食生活の見直しや日々の運動に取り組み、健康面での審査落ちを防ぎましょう。

40歳以降の住宅ローンがリスクとみなされやすい理由は? その3
カードローンやマイカーローンなどの負債・延滞履歴

カードローンやマイカーローンといった住宅ローン以外の負債を抱えている場合は、これらの残債が申込者の信用余力から引かれるため、住宅ローン審査のハードルが上がります。特に、これらの返済を放置した「延滞履歴」がある場合、信用情報期間のブラックリストに掲載され、住宅ローンの審査で落とされる原因に。
ローンの残債・延滞ともに40歳代に限らないリスク要因ですが、住宅ローンの利用を検討している場合は、現在のローン状況と過去の延滞履歴をチェックしましょう

40歳以降の住宅ローンがリスクとみなされやすい理由は? その4
子供の進学や親の介護等のライフイベントが集中しやすい

子供の進学や親の介護等のライフイベントが集中しやすい

40歳代は、子供の進学や親の介護といったライフイベントが集中しやすい年代でもあります。たとえば、子供の大学進学にかかる塾代や受験費用・入学金は、合計で数百万円かかるのが一般的。また、親の介護が始まった場合は、帰省費用や介護サービス費用・施設の入居費用などで出費がかさむことも考えられます。
他の出費に圧迫されて住宅ローンの返済が苦しくなると判断されると、審査が不利になるので、予備資金として生活費の半年分程度の貯蓄を確保しておくのがおすすめです

40歳からの失敗しない住宅ローンの組み方40歳からの住宅ローンの組み方を解説

それでは、40歳から住宅ローンを組む場合のポイントを見てみましょう。

  • 返済期間は定年に合わせる
  • 毎月の返済額は手取りの25%以下に抑える
  • 頭金と借入額は必要に応じて調整する
  • 住宅購入以外のライフイベントも考慮する
  • 疾病保障の充実した住宅ローンはおすすめ

40歳からの失敗しない住宅ローンの組み方 その1
返済期間は定年に合わせる

会社員・公務員の場合、定年をすぎると家計の収入が大きく減るため、住宅ローンの返済期間は定年に合わせるのがおすすめです。現在は、定年後の再雇用や副業も多くの企業が導入しているため、定年を過ぎても給与収入がゼロになるケースは低いものの、現役時代よりも収入が減る可能性が高いので、定年までに完済するつもりで住宅ローンを組んだほうが良いでしょう。

なお、多くの金融機関は、住宅ローンの申込時と完済時にそれぞれ上限年齢を設けています。金融機関によって異なるものの、申込時の上限年齢は満65~70歳未満、完済時年齢は満80~85歳未満としているところが一般的。定年を基準とした返済期間よりも余裕のある設定となっていますが、定年後の収入の水準によっては審査に通りにくい場合もあります。

40歳からの失敗しない住宅ローンの組み方 その2
毎月の返済額は手取りの25%以下に抑える

住宅ローン審査に通りにくい

住宅ローンの仕組み上、借り入れる金額が同じ場合は、返済期間を短くすることで月々の返済額は大きくなります。40歳代で定年を基準に返済期間を決めると、最長35年間の住宅ローンを20年前後の返済期間で組む必要があるため、毎月の返済負担が増える傾向に。
月々の返済額は手取り収入の25%以内を意識し、それを超えそうな場合は「1.頭金を増やす」「2.返済額を減らす」などの方法で、家計に無理のない返済計画を立てましょう。

40歳からの失敗しない住宅ローンの組み方 その3
頭金と借入額は必要に応じて調整する

一昔前まで、住宅ローンの頭金(自己資金)は、物件価格の2割程度あると良いとされていました。しかし、現在は頭金なしでも申込可能な住宅ローンも増えており、頭金の必要性は、物件と契約者それぞれのケースにより異なります。一般的には、頭金が多いほど借入金額を抑えられるので、返済期間を定年以内に収めたい等の理由がある場合は、頭金を多めに準備しましょう。

親から資金援助を受ける場合は、住宅取得のための資金であることを明確にできれば500~1,000万円まで非課税となる特例制度も利用可能です
その他にも、夫婦それぞれに収入がある場合は、収入合算やペアローンを利用するのも一つの方法。夫婦で借り入れをすることで借入額の上限を引き上げることができます
また、購入する物件をより価格の低いものに替え、借入額そのものを見直す方法も最終的な手段としては有効なので、心の隅にとどめておくと良いでしょう。

 

 

 

40歳からの失敗しない住宅ローンの組み方 その4
住宅購入以外のライフイベントも考慮する

定年退職後も住宅ローンの返済が続く

前述の通り、40歳代は住宅購入以外にも様々なライフイベントが控えている時期です。子どもの教育費や親の介護費用にも目配りをしながら住宅を購入する場合、貯金をすべて頭金につぎ込むことは得策ではありません。また、退職金は老後の生活資金の基盤となるため、現金をはじめとする金融資産を一定金額確保し、住宅ローンの頭金や一括返済にすべてを充当することは避けましょう。

40歳からの失敗しない住宅ローンの組み方 その5
疾病保障の充実した住宅ローンはおすすめ

住宅ローンは金融機関ごとに金利や手数料、契約者サービスなどが異なります。
40歳代の住宅ローンで特に着目したいのは、団体信用生命保険に付帯する「疾病保障」。がんと診断された場合に住宅ローン残高が減額になる保障や、病気やケガで働けなくなった場合に返済が免除される保障など、充実した疾病保障を備えている住宅ローンが少なくありません。
年齢とともに病気のリスクが上がることを考慮しても、40歳から住宅ローンを組む場合は、健康なうちから疾病保障付きの住宅ローンを検討しておくと良いでしょう。

 

 

40歳以上におすすめの住宅ローン40歳からの住宅ローンの組み方を解説

40歳以上でも組めるおすすめの住宅ローン その1

イオン銀行 住宅ローン

イオン銀行 住宅ローン

年齢条件 申込時年齢……満18歳以上満71歳未満
完済時年齢……満80歳未満
住宅ローン金利
  • 変動0.38%(物件価格の80%以内での借り入れの場合)(※借り換えの場合:0.43%)
  • 当初3年固定0.90
  • 当初10年固定1.49
住宅ローン保証料 無料
事務手数料 定率型……借入金額の2.2%(税込)
定額型……110,000円(税込)
繰り上げ返済手数料 無料
団体信用生命保険料 無料
その他契約者向けサービス
  • 全疾病保障:無料付帯
  • がん保障付住宅ローン:年0.10%金利上乗せ
  • 8疾病保障プラス付住宅ローン(失業信用保障付):年0.30%金利上乗せ
  • ワイド団信付住宅ローン:年0.30%金利上乗せ
  • イオンでの買い物が毎日5%OFF

イオングループが運営する「イオン銀行」の住宅ローン。変動金利型と期間固定金利型の住宅ローンを取り扱う。事務手数料を「定率型」と「定額型」から選択可能。団信に付帯可能な「8疾病保障プラス」は失業保障もカバーしている。イオン銀行店舗での手続きのほか、すべての住宅ローン手続きをオンラインで完結することも可能。

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40歳以上でも組めるおすすめの住宅ローン その2

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35 住宅ローン

年齢条件 申込時年齢……満70歳未満
完済時年齢……満80歳未満
住宅ローン金利(融資比率9割以下/ARUHIフラットの場合)
  • 15-20年固定1.36
  • 21-35年固定1.84
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
住宅ローン保証料 無料
事務手数料 借入金額の2.2%(税込)
  • ARUHIフラットはWebからの申し込み及び手続き完結で1.1%(税込)
  • ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 最低事務手数料220,000円(消費税込)
繰り上げ返済手数料 無料
団体信用生命保険料 無料
その他契約者向けサービス
  • ARUHI 全疾病保障(入院一時金付):年0.105~06%(年齢により異なる)※特約料支払方式も選択可能

住宅ローン専門金融機関「ARUHI」が提供する住宅ローン。全期間固定金利型の「フラット35」を取り扱う。頭金の割合を増やすことで、通常のフラット35よりも適用金利が低くなる「ARUHIスーパーフラット」と、頭金なしでも利用可能な通常型のフラット35「ARUHIフラット」を選択できる。

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40歳以上でも組めるおすすめの住宅ローン その3

住信SBIネット銀行 フラット35

住信SBIネット銀行 フラット35 住宅ローン

年齢条件 申込時年齢……満70歳未満
完済時年齢……満80歳未満
住宅ローン金利(融資比率9割以下/買取型の場合)
  • 15-20年固定1.36
  • 21-35年固定1.84
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
住宅ローン保証料 無料
事務手数料 買取型……借入金額の1.1%(税込)
保証型……借入金額の2.2%(税込)
繰り上げ返済手数料 無料
団体信用生命保険料 無料
その他契約者向けサービス
  • 全疾病保障:保証型は無料付帯、買取型は借入金額の0.55%(税込)

ネット銀行大手「住信SBIネット銀行」が提供するフラット35。他の金融機関と金利・融資条件等が変わらない通常型のフラット35・「買取型」と、頭金の割合に応じて金利を引き下げる「保証型」の2種類を取り扱う。「保証型」のフラット35は、団信に全疾病保障を無料付帯可能

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40歳以上でも組めるおすすめの住宅ローン その4

auじぶん銀行 住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

年齢条件 申込時年齢……満18歳以上満65歳未満
完済時年齢……満80歳の誕生日まで
住宅ローン金利
  • 変動金利0.319 ※新規借入れ(全期間引下げプラン)
  • 10年固定1.185(当初期間引下げプラン)
  • 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
住宅ローン保証料 無料
事務手数料 借入金額の2.2%(税込)
繰り上げ返済手数料 無料
団体信用生命保険料 無料
  • 「一般団信」、住宅ローン契約者が満50歳までの場合は4疾病保障を含む「がん50%保障団信」を上乗せ金利なしで付帯可能。
その他契約者向けサービス
  • がん50%保障団信+4疾病保障:無料付帯(※住宅ローン契約者が満50歳までの場合)
  • 住宅ローンとau回線をセット契約すると適用金利から年0.07%引き下げ
  • 住宅ローンと「じぶんでんき」をセット契約すると適用金利から年0.03%引き下げ

三菱UFJ銀行とKDDIが出資するネット銀行「auじぶん銀行」の住宅ローン。変動金利型と期間固定金利型の住宅ローンを取り扱い、特に変動金利の金利水準の低さに定評がある。
満50歳までであれば、がんと診断された場合に住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信(※4疾病保障+全疾病長期入院保障含む)」が無料付帯可能。仮審査から契約まですべての住宅ローン手続きをオンラインで完結できる。

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著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、ビジネス・金融・投資・育児・教育・節約など。子ども3人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級

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