住宅ローン 選び方住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
住宅の購入は、多くの方にとって、人生最大の買い物であり、選び方一つで総返済額が百万円単位で変わってきます。だからこそ「住宅ローン選びで失敗したくない」と考えるのは当たり前です。
住宅ローンは金融機関によって金利や手数料が異なるだけではなく、団体信用生命保険などの付帯サービスも大きく異なります。つまり希望する条件が異なれば、最適な住宅ローンも異なり、その判断を誤ると、住宅ローン選びに失敗してしまうことがあるのです。
そこで今回の住宅ローン比較の特集は、住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための方法を厳選。ポイントを5つに分け、住宅ローンを選ぶ流れに沿って、住宅ローンの選び方を解説します。
これから住宅購入を検討している方は、本特集を参考に最適な住宅ローンを選びましょう。
ポイント1:適切な借入期間を決める住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
住宅ローンを契約する際は、まず「借入期間」を決める必要があります。借入期間を決める際の一番のポイントは、無理なく返済できる期間を選ぶことです。
一般的に住宅ローンの返済期間は、1年から35年の間で設定(※親子リレーローンなどを利用する場合、50年も可能)することが可能です。その一方で住宅ローンには利息(金利)の支払いが伴います。住宅ローンの総返済額は、融資金額と借入期間の長さに左右され、融資金額が少なく、借入期間が短ければ短いほど、金利負担が少なくなるため、自己資金(頭金)をどれだけ用意できるかも、家計の負担を減らすためのキーポイントです。
返済期間を長く設定すれば、毎月の返済額を抑えることができますが、その分支払う金利の負担は増えることになります。
その一方で返済期間を短く設定すると、金利負担は減るものの、毎月の支払額が大きくなり、家計が厳しくなるケースもあるでしょう。
ご自身の家庭の資産状況やライフプラン、ライフイベントを考慮しつつ、この二つのバランスがしっかり取れる返済期間を決めることがポイントです。
また、月額の返済額にはある程度余裕をもち、余裕がある月は適宜繰り上げ返済を行うのも選択肢の1つです。繰り上げ返済の最低額や、手数料は金融機関によって差があるので、繰り上げ返済を前提に住宅ローンを借り入れる際は、繰り上げ返済のし易さや繰り上げ返済手数料もしっかりチェックし、住宅ローンを選びましょう。
ポイント2:金利タイプを選ぶ住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
住宅購入を検討している方にとって、一番頭を悩ませるのが、金利タイプの選択です。住宅ローンの金利タイプには大きく3つの選択肢があり、どの金利タイプを選ぶかによって最終的な総返済額に大きな差が出ます。まずは、それぞれの金利タイプの違いを理解しておきましょう。
変動金利
年に2回金利の見直しが行われ、その都度金利が変動するのが変動金利の特徴です。
変動金利は、金利の低下局面では大きなメリットを享受できる一方で、金利の上昇局面では、より多くの利息を支払うことになります。変動金利は、毎月の返済額が急激に上昇しないよう、一定の制限が設定されていることから、金利が上昇すると月の返済額のうち利息分だけを支払い、元金が減らないというケースも起こり得ます。また、金利が急上昇した場合、利息が毎月返済額を上回る「未払い利息」が発生するリスクがあるため、金利上昇局面で利用する際は注意が必要です。
変動金利は万一の金利上昇に備えることができる貯蓄があり、金利の上昇局面では、繰上げ返済を行うなど、臨機応変な対応ができる人にとって大きなメリットがある金利タイプと言えるでしょう。
固定金利
借入時に完済時までの金利を決め、毎月の返済額と総支払額を確定させることができる点が固定金利の特徴です。
固定金利の最大のメリットは、資金計画が立てやすい点でしょう。「将来の金利の変動に左右されたくない」「現時点での総返済額が多少大きくなったとしても、完済まで毎月の返済額は一定にしたい」という方は、固定金利を選択しましょう。
ただし、固定金利を選択した場合、金利は変動金利や固定金利選択型と比較すると、若干高くなるケースがほとんどです。固定金利を選ぶ際には、金利の低さに加え、繰り上げ返済のし易さをチェックし、余裕がある月は返済していくと良いでしょう。
固定金利選択型(固定金利特約型)
住宅ローン借入後、一定期間、金利が固定されるのが固定金利選択型の特徴です。5年、10年など所定の期間経過後、何も選択しなければ原則変動金利に以降しますが、その際、再度固定金利を選択しなおすこともできます。
子育て中で夫婦のどちらかしか働くことができない場合や、養育費が大きくなる期間に合わせて一定期間住宅ローンの返済を抑えたい場合は、固定金利選択型が有力な選択肢になります。
ただし、特約期間終了後、住宅ローン金利が上昇している場合は、新たに金利タイプを選択する段階で、毎月の返済額が増える可能性があることから、契約期間中の金利変動を常に意識しておきましょう。
ポイント3:固定金利の期間を決める(変動金利選択時は該当せず)住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
ポイント1で解説した「借入期間」とは別に、固定金利選択型を利用する場合は、特約期間の適用を受けることができる期間を決める必要があります。
固定金利選択型における期間とは、短期固定、中期固定、長期固定の3つです。
短期固定
現在の低金利のメリットを最も享受しやすいのは、短期固定金利タイプです。一般的に短期固定とは5年以下の固定金利選択型の住宅ローンが該当します。住宅ローン借り入れ当初の金利負担をできるだけ抑えたいという方は、短期固定金利タイプを選択し、繰上げ返済を行うと良いでしょう。
その一方で金利の動きに敏感に反応する短期固定金利タイプは、金利見直しのタイミングで金利が上昇し、総返済額が増えるリスクがあります。「余裕資金がある」「収入が安定している」など、早期返済が可能な方向けの住宅ローン商品と言えるでしょう。
中期固定
中期固定金利は10年前後の固定金利選択型の住宅ローンが該当します。長期固定と比較すると、金利が低く設定されている点が最大のメリットです。中期固定の場合、短期固定ほどではありませんが、十分に低金利のメリットを享受できることから、バランスが良い住宅ローン商品と言えます。固定金利期間終了後、万一返済が増えたとして対応できる可能性が高いなど、将来の見通しがある程度立っている方にとって、中古固定は魅力ある選択肢になるでしょう。
長期固定
長期固定は20年以上と期間が長い点が最大の特徴です。万一将来金利が上昇した際にも影響を受けることが少ない点がメリットと言えます。
その一方で将来の金利の見通しを元に金利が決定されるため、短期固定・中期固定金利選択型と比較すると、住宅ローン金利が高くなります。長期固定で住宅ローンを借り入れる場合、政府系金融機関と民間金融機関が提携し、サービスを提供するフラット35の方が金利負担が少なくなるケースも多いため、併せて検討すると良いでしょう。
ポイント4:住宅ローン金利を比較する住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
借入期間、金利タイプ、固定金利のタイプを選択したら、実際に希望の条件を満たす住宅ローン商品の金利を比較しましょう。住宅ローン商品は、金融機関ごとに金利に大きな違いがあります。本チャプターでは、住宅ローン比較 編集部が金利タイプごとに金融機関を厳選。おすすめの住宅ローンをご紹介します。
変動金利に強い住宅ローン
auじぶん銀行 住宅ローン
auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行の共同出資によって誕生したネット銀行。同行における住宅ローンの変動金利は、他のネット銀行の変動金利と比較しても優位性のある水準で常にサービスを提供している。また住宅ローンの申し込み手続きを全てネット上で完結させることができ、通常必要になる印紙代が必要ない点も嬉しい。さらにau利用者であれば「au住宅ローンセット割」を利用することで、最長5年間毎月500円分が「au WALLET プリペイドカード」へキャッシュバックされるので上手く活用すると良いだろう。
- auじぶん銀行住宅ローン その他のメリット
- 他行の口座からの引き落としにも無料で対応(定額自動入金サービス)
- 「がん50%保障団信」が無料
- 頭金の有無や審査結果で金利が変わることがない
期間を問わず金利が低い住宅ローン
住信SBIネット銀行 住宅ローン
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資するネット銀行。住信SBIネット銀行は、住宅ローンの提供に力を入れており、2018年6月には取扱高が4兆3,000億円を突破するなど、数あるネット銀行の中でも圧倒的な実績を誇っている。その原動力となっているのが、ほぼ全ての期間で他の住宅ローンを上回る低金利を実現している点だろう。変動金利はauじぶん銀行と比較してもそん色なく、20年~35年の固定金利タイプでは、フラット35と変わらない金利水準を実現している。一部繰り上げ返済手数料無料、全疾病保障団信無料付帯など、その他の付帯サービスも充実しており、住宅ローンを選ぶ際の有力な選択肢の1つになることは間違いない。
- 住信SBIネット銀行 住宅ローンその他のメリット
- 全疾病保障団信の保険料0円(働けなくなったら、月々の返済額を保障。働けないまま12ヵ月経過したら、住宅ローンの残高が0円に)
- 繰り上げ返済手数料は1円から何度でも0円
- 保証会社を利用しないため保証料無料
長期固定金利に強い住宅ローン
楽天銀行 フラット35
楽天グループの楽天銀行は、国内で二番目に誕生したネット銀行。15年以上20年を超える長期固定金利、20年以上35年以下の長期固定金利共に、民間の金融機関はもちろん、フラット35を取扱う銀行の中でも最低水準の金利を実現。また返済口座に楽天銀行の口座を指定すると、事務手数料が通常の1.404%から1.08%まで低下し、他のフラット35提携住宅ローンと比較しても有利な水準になる。フラット35の利用を検討するのであれば、楽天銀行は間違いなく有力な選択肢になる。
- 楽天銀行 フラット35のその他のメリット
- 諸費用の上乗せ融資(住宅ローンの契約時にかかる諸費用の一部を借入額に含める)も可能
- 21年以上35年以下の長期固定金利(フラット35S)もフラット35提携住宅ローンの中で最低水準
ポイント5:諸経費・団信を比較する住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
住宅ローンを選ぶ際には金利の低さだけではなく、住宅ローン借入時にかかる諸経費や団信の費用についてもチェックしておきましょう。
住宅ローンの諸経費には、「事務手数料」「保証料」「一部繰り上げ返済手数料」などがあります。事務手数料とは住宅ローン申し込み時にかかる費用のこと。ネット銀行は、大手金融機関と比較すると、住宅ローン金利が低い傾向がありますが、その分事務手数料が高くなる傾向があります。保証料とは、住宅ローンの返済ができなくなった時に、住宅ローンの返済を肩代わりしてもらうために保証会社に前もって支払うお金のことです。ネット銀行では、保証会社を利用していないことも多く、その場合は保証料がかかりません。
また、一部繰り上げ返済のしやすさは、ネット銀行の多くが手数料を無料としていることから、メガバンクなどと比較し、優位に立っていると言えるでしょう。一部繰り上げ返済は、早ければ早いほど効果を発揮します。住宅ローンを選ぶ際は、繰り上げ返済できる最低金額や、繰り上げ返済時の手数料についても、しっかり比較することが大切です。
団信とは、団体信用生命保険の略で、住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害となった場合に、住宅ローンの残債を清算してくれる生命保険のことです。住宅ローンによっては団信の加入によって、住宅ローン金利が上乗せになるなど、費用がかかりますが、ネット銀行を中心に団信無料の住宅ローン商品も多数登場しています。金利だけに注目するのではなく、これらの付帯サービスや手数料についても比較・検討すると良いでしょう。
住宅ローン選びに失敗しない方法~まとめ~住宅ローンを選ぶ際、失敗しないための5つのポイント
住宅ローン選びに失敗しないためのファーストステップは、家庭の資産状況やライフプランをしっかり把握するところからスタートします。
その上で無理のない返済期間を決め、金利タイプを選択します。さらに金利や各種手数料、付帯サービスをしっかり比較し、希望の条件を満たす住宅ローンを絞り込んでいきましょう。
本特集で紹介した住宅ローン選びに失敗しないためのポイントをチェックしつつ、ご自身の家庭に合った住宅ローンを見つけてみてください。