住宅ローン講座フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35の諸費用、ローンに組み込むのと、諸費用ローンを借り入れるのでは、どちらがお得?

住宅ローンやフラット35の「諸費用」はどれくらいかかる?フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

住宅を購入して住宅ローンを組むときは、金融機関やハウスメーカー(不動産会社)などに各種の手数料・保険料・税金などの諸費用を支払うことになります
これらの諸費用は、すべてを合計すると金額的に無視できないほど大きくなり、平均では物件価格の1割程度かかると言われています。

参考住宅購入でかかる諸費用の例 ※借入額3,000万円の場合

諸費用約100万円から約600万円
(中古物件では、さらにリフォーム費用が上乗せされることも)

諸費用の内訳

住宅ローンに関連する費用:約20万円から約100万円 収入印紙代、事務手数料・融資手数料、住宅ローン保証料(フラット35は不要)、登記関連費用、司法書士報酬、団体信用生命保険料(フラット35は金利上乗せ、団信なしのものもあり)など
物件購入に関連する費用:約40万円から約180万円 収入印紙代、登録免許税、司法書士報酬、不動産取得税、固定資産税、仲介手数料、ホームインスペクション(住宅診断)など
損害保険料:約15万円から約150万円 火災保険、地震保険など
新居・移転に関連する費用:約20万円から約150万円 引越し費用、仮住まい費用、家電・家具・カーテン等の備品購入費用など

「諸費用」は、現金で支払わず借り入れるという選択も

フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

通常、住宅を購入する際には、これらの「諸費用」と、「頭金」とを合わせて、物件の2割程度を現金で用意することがセオリーと言われています。
しかし現在、住宅ローンの金利は、ほぼ底値となっており、「住宅ローン控除」のような税制優遇制度も整備されています。
低金利による利息の圧縮効果や、住宅ローン減税の節税効果などを考慮すると、現在の住宅ローンは、以前よりも借り入れる側にとってはるかに有利と言うことができるでしょう。

つまり、現金を多めに用意して借入額を減らす、という従来の住宅ローンのセオリーだけではなく、住宅の購入資金を(返済が負担にならない範囲内で)できるだけ多めに借り入れ、低金利や節税の恩恵を受けることも有効な選択肢の1つと言えるのです。

これは民間の住宅ローンだけではなく、「フラット35」も同様です。フラット35の金利もここ十年で大幅に下がっていることから、住宅購入に関わる様々な諸費用をフラット35に組み込んで一緒に借り入れるメリットが大きくなっています。

フラット35の「諸費用」の借り入れ。2つの方法を比較してみよう

フラット35の諸費用を借り入れるには、2種類の方法があります。
ひとつは、民間の住宅ローンと同じように、借入額に諸費用も含める「諸費用組み込み」と呼ばれる方法。
もうひとつは、諸費用のみを別のローンとして借り入れる「諸費用ローン」という方法です。

そこで今回の特集は、フラット35の「諸費用組み込み」と「諸費用ローン」の違いにスポットを当てて、それぞれのメリット・デメリットや、おすすめのフラット35について解説します。

フラット35の諸費用組み込みとは?フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35を、諸費用に相当する資金まで含めて借り入れる方法が「諸費用組み込み」です。
2018年と2019年の4月に、「住宅金融支援機構」は、フラット35の借入対象費用を大幅に拡大しました。
これにより、不動産会社の仲介手数料や、登録免許税、ホームインスペクション(住宅診断)に係る費用、司法書士報酬、金融機関に支払う融資手数料、建築確認申請費用、マンションの修繕積立金など、多くの諸費用をフラット35の借入金として組み込めるようになりました

フラット35に組み込める諸費用の例 ※新築住宅を購入する場合

対象となる住宅の費用
新築住宅の内装変更、設備設置のための工事費用
新築住宅の外構工事の費用
新築住宅の屋根、外壁、住宅用カーポートに固定して設置される太陽光発電設備の設置費用
住宅の敷地に水道管、下水道管を引くための費用(水道負担金など)、浄化槽設置費用
太陽光発電設備の工事費負担金
適合証明検査費用
住宅性能評価関係費用
長期優良住宅の認定関係費用
認定低炭素住宅の認定関係費用
建築物省エネ法に基づく評価、認定に係る費用
ホームインスペクション(住宅診断)、耐震診断に係る費用
住宅購入に係る仲介手数料
マンション修繕積立基金(引渡時一括分に限る)
マンション管理準備金(引渡時一括分に限る)
融資手数料
金銭消費貸借契約証書に貼付する印紙代
売買契約書、請負契約書に貼付した印紙代
火災保険料、地震保険料
登記費用(司法書士報酬、土地家屋調査士報酬)
登記費用(登録免許税)

このようにフラット35への諸費用の組み込みが可能となったことから、諸費用を現金で用意したり、「諸費用ローン」を利用して諸費用を別途で借り入れる必要がないケースが増えたことになります。

後述しますが、「諸費用ローン」と比較すると、金利も「諸費用組み込み」のほうが低くなるケースがほとんどです。返済期間が同期間であれば、「諸費用組み込み」を選択したほうが、総返済額を抑えることができるでしょう。

ただし、借入対象となる費用の範囲は「諸費用ローン」と比較すると限定されており、引っ越し費用や仮住まいの費用などは組み込むことができない点に注意が必要です。

フラット35諸費用組み込みのメリット

  • フラット35と同じ金利が適用される

フラット35諸費用組み込みのデメリット

  • 借入対象外の諸費用もある(不動産取得税、引っ越し費用、仮住まい費用など)

フラット35の諸費用ローンとは?フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

一方、フラット35に諸費用が組み込めるようになる前から利用されていたのが「諸費用ローン」です。
多くは、フラット35を提供する金融機関が、自行もしくは系列の融資機関と提携することで、サービスを提供しています。

フラット35への諸費用の組み込みが可能となったことから、諸費用ローンのメリットは以前と比較すると小さくなりました。
ただし、「諸費用組み込み」では現時点で対象外となっている、仮住まい費用(賃貸住宅の家賃など)や家電・家具等の購入費用も借り入れることができ、より柔軟性が高い点は諸費用ローンのメリットです。
金利そのものは、フラット35に諸費用を組み込んだほうが低くなりますが、諸費用ローンの場合、返済期間をフラット35に合わせる必要がなく、任意に設定することができます。
たとえば、フラット35の返済期間を35年間、諸費用ローンの返済期間を10年間に設定するなどの工夫をすると、総返済額のアップを抑えることも可能です(ただし、返済期間を短くすると月々の返済額は高くなる点に注意。また、適用金利・借入額によっても状況が異なる)。

デメリットとしては、諸費用ローンは借入額に上限が設けられているケースが多い点(300万円、500万円など)、また、フラット35とは別のローン契約になるため、融資手数料などが別途発生する点などが挙げられます。

諸費用ローンのメリット

  • 引越し費用や仮住まい費用なども借り入れることができる
  • フラット35と返済期間をずらすことで総返済額を圧縮できる

諸費用ローンのデメリット

  • 借入可能額に上限がある場合が多い
  • 別途、融資手数料(事務手数料)などがかかる

フラット35の諸費用をどうするかは「返済額」「金額」「使途」を考慮して決めようフラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35の諸費用を、組み込むか、諸費用ローンとして別途借り入れるかで迷ったら、まずは2つのパターンで総返済額を比較してみるのがおすすめです。

多くのケースでは、諸費用をフラット35に組み込んだほうが、総返済額を抑えることができますが、諸費用の使途(仮住まい費用などを借り入れて現金支出を少なくしたい場合など)によっては、諸費用ローンのほうが適している場合もあります。
その際は、諸費用ローンの返済期間を短く設定するなどして、総返済額が大幅にアップするのを避けることも選択肢の1つ。

一方で、諸費用の金額が大きい場合は、借入限度額が数百万円までと低めの諸費用ローンでは、資金が足りないケースもあります。

なお、諸費用の組み込みと諸費用ローンの、いずれの場合でも、借入額はアップすることになるため、毎月の返済額が無理なく返せる範囲に収まっているかどうかをチェックすることも重要です。

このように、返済額(総返済額、毎月の返済額)、諸費用の金額(いくら必要か)、諸費用の使途(なにに利用する資金か)を考慮して、フラット35の諸費用を借り入れる方法を選ぶと良いでしょう。

おすすめのフラット35提携住宅ローンは?フラット35の諸費用ローンと諸費用組み込みはどちらがお得?

フラット35は現在、住宅金融支援機構が提携する多くの民間金融機関から提供されています。ちなみに提携住宅ローンの数は、2019年4月時点で300を超えています。

政府所管の住宅ローンとなるため、融資を受けるための条件などは同じですが、提供する金融機関によって「金利」「融資手数料(事務手数料)」「契約者特典」などが異なる点には注意が必要です
ここでは、金利や手数料面で利用者の評価が高い、編集部おすすめのフラット35提携住宅ローンをご紹介します。

フラット35の利用を検討されている方は、是非チェックしてみてください。

楽天銀行 フラット35

楽天銀行 フラット35

楽天グループのネット銀行「楽天銀行」が提供するフラット35提携ローン。
事務手数料の安さに定評があり、通常、借り入れ金額の1.404%(税込)のところを、フラット35の返済口座に「楽天銀行」を指定することで1.08%(税込)となる。数あるフラット35提携ローンの中でも、最低水準の金利で借り入れることが可能
また、契約者特典として、楽天スーパーポイントの還元率アップや振込手数料の優遇などが受けられる「ハッピープログラム」の会員ステージが1ランクアップする点もチェックしておきたい。

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ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

住宅ローン専門金融機関「ARUHI」が提供するフラット35提携ローン。8年連続(※2010年度~2017年度)フラット35のシェアNo.1を誇る
楽天銀行と同じく、フラット35金利は最低水準を実現。Webからの新規借り入れで、事務手数料が借り入れ金額の1.08%(税込)に優遇される点もチェックしておきたい。
全国に130以上(※2018年3月31日現在)の実店舗を展開しており、対面での住宅ローン相談にも対応。その他にも、契約者特典として、引っ越しや電気・ネット回線、レジャー・旅行等の優待が受けられる「ARUHI 暮らしのサービス」を2年間、無料で利用できる。

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著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども2人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級