住宅ローン講座フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35への借り換え、デメリットはある?フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35は、民間の金融機関と政府の住宅金融支援機構が提携して取り扱う全期間固定金利型の住宅ローンです。
現在、住宅ローンの金利は、変動金利・固定金利ともに、ほぼ過去最低水準となっており、フラット35も例外ではありません。
そのため、住宅ローンの借り換えを検討している方の中には、借り換え先候補としてフラット35を考えている方も多いのではないでしょうか。

フラット35の金利推移:5年前、10年前との比較

【現時点】平成31年4月 ※1 最高金利1.960% 最低金利1.270%
【5年前】 平成26年4月 ※2 最高金利2.430% 最低金利1.750%
【10年前】平成21年4月 ※2 最高金利3.940% 最低金利2.950%
  • 借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、機構団信付きの場合
  • 返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合

借り入れ期間中に金利が変動する心配がないフラット35は、金利の上昇によって総返済額が増えることを避けたい方、計画的に住宅ローンの返済へ取り組みたい方にとって、大きな魅力がある住宅ローンです。
特に、数年前と比較して大幅に金利が低くくなっている今は、住宅ローンを借り換えるのにおすすめのタイミングと言えるでしょう。

ただし、フラット35への借り換えには、メリットだけではなくデメリットも存在します
たとえば、政府所管の住宅ローンであるフラット35は、申し込みに一定の条件があり、また、繰り上げ返済の手続きも、民間金融機関の住宅ローンと比較すると、やや自由度が下がります。

いずれも、知識さえしっかり身につけておけば対処可能なデメリットですので、フラット35への借り換えを検討している方は、ぜひチェックしておきましょう。

まずは基本から!フラット35に借り換えるための条件とは?フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35に借り換える際は、債務者(住宅ローンの契約者)や、対象となる住宅に一定の条件が設けられています。
条件を満たしていない場合は、借り換えを申し込むことができないため、まずはご自身のケースが条件に合致しているかどうかを確認しておきましょう。
特に「借り換え前の住宅ローンを1年間以上、滞納なく返済している」といった借り換え独自の申し込み条件には注意が必要です。

フラット35に借り換えるための条件

債務者の条件
年齢 満70歳未満
返済負担率
(年収に占める年間合計返済額の割合)
  • 年収400万円未満 … 30%以下
  • 年収400万円以上 … 35%以下
住宅ローンの返済実績
  • 借入日から1年以上が経過していること
  • 借り換えの申込日前日までの1年間、正常に返済していること
住宅の条件
床面積
  • 一戸建て住宅 … 70平方メートル以上
  • マンションなど … 30平方メートル以上
技術基準 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合すること
住宅ローンの条件
借入額 100万円以上8,000万円以下(1万円単位)
  • 借り換え対象となる住宅ローンの残高、または機構による担保評価額の200%のどちらか低いほう
借入期間 15年以上35年以内
借入額に含められる諸費用
  • 1.金銭消費貸借契約書の印紙代(印紙税)
  • 2.融資手数料
  • 3.抵当権の設定および抹消費用(登録免許税)
  • 4.抵当権の設定および抹消時の司法書士報酬
  • 5.適合証明検査費用(物件検査手数料)
  • 6.借り換え前の住宅ローンを全額繰上返済する場合に発生する繰上返済手数料および経過利息
  • 7.火災保険料・地震保険料(借り換えの際に新規で保険契約する場合のみ)

住宅ローンの借り換えに共通するデメリットも押さえておこう

また、フラット35に限らず、住宅ローンを借り換える場合に共通のデメリットもあります。
1つは借り換えのタイミングで諸費用がかかる点。新規借り入れよりも金額は少なくなりますが、契約書に貼付する収入印紙代や金融機関に支払う融資手数料、抵当権の移動にともなう登録免許税や司法書士報酬などが必要です。(ただし、これらの諸費用の一部は借入額に含めることも可能。)

また、当然ながら借り換えを申し込む手続きが必要になるうえ、住宅ローンの審査も改めて受ける必要があります。フラット35の場合、審査は、提携金融機関と住宅金融支援機構の2か所で行われるため、民間の住宅ローンよりも日数がかかるケースがほとんどです。借り換えの申し込みから契約まで、1か月程度を見込んでおくと良いでしょう。

住宅ローンの借り換えに共通するデメリット

  • 諸費用がかかる
    (印紙代、融資手数料、登録免許税、司法書士報酬、全額繰り上げ返済手数料など)
  • 借り換え手続きが必要
    (フラット35の場合は申し込みから契約まで約1か月前後)
  • 住宅ローンの審査がある
    (フラット35の場合は金融機関と住宅金融支援機構の2か所)

フラット35からフラット35に借り換えるデメリットは?フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

それでは、現在借り入れている住宅ローンの種類(フラット35、変動金利など)別に、フラット35に借り換えることで、どのようなデメリットがあるかを考えてみましょう。

まずは、フラット35からフラット35へ借り換える場合です。
前述のように、フラット35の金利は、10年前との比較で2%以上、5年前でも1%以上下がっているため、借り換えによって総返済額を圧縮できる可能性が高いでしょう。

デメリットとして意識しておきたいのは、借り換え前と借り換え後の金利差によっては、総返済額が変わらない(もしくは、諸費用がかかるぶんマイナスになる)ケースがある点です。

これを避けるためには、民間の金融機関や住宅金融支援機構がホームページ上で公開しているシミュレーションを活用し、借り換え後の総返済額がどの程度変化するかをチェックしましょう。

フラット35は、全国300以上の金融機関と提供しており、国内で取り扱っていない金融機関はほとんどありません。
いずれも、提供元は住宅金融支援機構であり、フラット35の仕組み自体は同一です。
しかし、「住宅ローン金利」と「融資手数料」については、フラット35を提供する金融機関によって異なります。
融資手数料が安く、金利も住宅金融支援機構のホームページに記載されている最低水準で提供しているフラット35がおすすめです。

フラット35からフラット35に借り換える場合のデメリットと対処法

  • 金利差が少ないと総返済額の圧縮につながらない
    対処法シミュレーションを活用する

  • 金融機関によって「手数料」と「金利」にばらつきがある
    対処法融資手数料が安く、金利が最低水準の金融機関を選ぶ

楽天銀行 フラット35

楽天銀行 フラット35

特徴 「楽天銀行」が提供するフラット35提携ローン。数あるフラット35の中でも、最低水準の金利を提供している。また、事務手数料(融資手数料)の安さにも定評があり、通常は借り入れ金額の1.404%(税込)のところを、住宅ローン返済口座として「楽天銀行」を指定すると0.972%(税込)となる。※最低事務手数料:162,000円。新規借り入れの場合は1.08%(税込)なお、契約者特典として、楽天スーパーポイントの還元率アップや振込手数料の優遇などが受けられる「ハッピープログラム」の会員ステージが1ランクアップする点もチェックしておきたい。

楽天銀行 フラット35

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

特徴 住宅ローン専門の金融機関「ARUHI」が提供するフラット35提携ローン。8年連続(※2010年度~2017年度)フラット35のシェアNo.1を誇る。フラット35の金利は、楽天銀行と同じく最低水準。Webサービス「ARUHIダイレクト」からの借り入れで、事務手数料が借り入れ金額の1.08%(税込)に優遇される。※最低事務手数料:20万円全国に実店舗を展開しており、対面での住宅ローン相談にも対応。その他、契約者特典として、引っ越しやネット回線、レジャー・旅行等の生活まわりの優待がある「ARUHI 暮らしのサービス」を2年間、無料で利用できる。

ARUHI フラット35

変動金利・期間固定金利からフラット35に借り換えるデメリットは?フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

それでは、民間の住宅ローンからフラット35に借り換えるケースを見てみましょう。
変動金利や期間固定金利(5年固定、10年固定など)の場合は、フラット35に借り換えることで、金利を固定し、将来の金利上昇リスクをなくすことができる点がメリットです。

また、長期固定金利の場合は、民間の金融機関よりもフラット35のほうが、金利面で有利な場合が多く、金利差が1%以上あれば、借り換えることで、総返済額が膨らんでしまうケースは少ないでしょう。
フラット35の審査は、民間の住宅ローンと比較すると、借入額・年収などの基準が明確で、審査に通りやすい点もメリットです。

デメリットとして意識しておきたいのは、変動金利や期間固定金利からの借り換える際は、フラット35のほうが、借り入れ金利が高くなるケースが多いため、総返済額が増加する可能性がある点です。
将来の金利上昇リスクに備えるためのコストと割り切って考えることもできますが、必ずシミュレーションで返済額をチェックし、無理なく返済できる範囲に収まっているかどうかを確認しましょう。

フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

また、金利を固定するということは、将来、金利が下がった場合、低金利の恩恵を受けにくくなることでもあります。
現在の住宅ローン金利は、ほぼ底値と言われており、ここからさらに金利が大幅に下がるケースは考えにくいと言えますが、万が一将来、今以上に住宅ローンの金利が下がった場合は、その時点で再度の借り換えを検討するのも1つの選択肢でしょう。

なお、フラット35で繰り上げ返済する場合は、通常100万円以上から、また原則として電話での手続きが必要になります。ネット銀行や、市中銀行のインターネットバンキングのように、1円単位で繰り上げ返済をできる金融機関も多いことを考えると、自由度が低い点がネック。
ただし、住宅金融支援機構が提供するWEBサービス「住・My Note(す・まいノート)」に登録することで、フラット35の繰り上げ返済を10万円から手数料無料で行うことができるようになります。繰り上げ返済をしたい日の1か月前までに申し込む必要があるなど、民間の住宅ローンの自由度の高さには及ばないものの、対処法の1つとして知っておくと良いでしょう。

変動金利・期間固定金利からフラット35に借り換える場合のデメリットと対処法

  • 変動金利など金利の低い住宅ローンから借り換えると、返済額が増加する可能性が高い
    対処法シミュレーションで返済額をチェックする

  • 金利が下がった場合のメリットを享受できない
    対処法金利の下がり幅が大きい場合は、借り換えを検討しても

  • 繰り上げ返済の自由度が下がる
    対処法住・My Noteに登録すると10万円から繰り上げ返済が可能

なお、総返済額が増加する等で、フラット35への借り換えに迷う場合は、従来と同じ条件(変動金利から変動金利へetc.)で、より金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討してみると良いでしょう

じぶん銀行 住宅ローン

じぶん銀行 住宅ローン

概要 ネット銀行「じぶん銀行」が提供する住宅ローン。変動金利と10年までの期間固定金利の低さに定評がある。
住宅ローン手続きのペーパーレス化を日本で初めて実現し、申し込みから契約まで、すべての手続きをネットで行うことができる。ペーパーレス化により、契約書に貼付する印紙代が不要となり、住宅ローン審査にかかる期間も短縮。一部繰上げ返済手数料は金額を問わず無料。全額繰上げ返済も変動金利であれば無料となる。
住宅ローン金利 ※2019年9月実行金利
  • 変動0.457
  • 当初2年固定0.380
  • 当初10年固定0.590

じぶん銀行 住宅ローン

住信SBIネット銀行 住宅ローン

住信SBIネット銀行 住宅ローン

概要 「住信SBIネット銀行」の住宅ローン。変動金利はもちろん、固定金利の低さにも定評があり、借り入れ期間問わず、業界最低水準の住宅ローン金利を実現している。保証料、一部繰り上げ返済手数料、団信・全疾病保障が無料付帯(※契約者が女性の場合は、ガン診断給付金保障も無料付帯)。 「Web契約手続きサービス」を利用し、Webから申し込み・契約を行うことで収入印紙代が不要となり、申し込みから融資実行まで来店不要で手続きを進めることもできる。
住宅ローン金利 ※2019年9月実行金利
  • 変動0.428
  • 当初2年固定0.50
  • 当初10年固定0.66

住信SBIネット銀行 住宅ローン

フラット35の金利はまだまだ低水準。デメリットへの対処法を知って賢く借り換えよう!フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35に借り換えるデメリットとは?その対処法を考える

フラット35の金利が直近でもっとも低くなったのは、2016年8月の「最高1.500%-最低0.830%」でした。
現在の金利は、それよりもやや高いとはいえ、まだまだ歴史的に見ると低水準となっています。
この低金利の恩恵を受けるために、今からフラット35への借り換えを検討している方も多いでしょう。

フラット35には、比較的低い金利で全期間固定金利の住宅ローンを利用できるという、非常に大きなメリットがあります。

「諸費用」や「金利差」、「繰り上げ返済の利便性」といった部分では、注意すべきデメリットはあるものの、金利の変動リスクを感じずに住宅ローンを利用したい方にとって、優先順位の高い選択肢であることに変わりありません。

借り換えの候補としてフラット35を検討されている方は、今回ご紹介したデメリットとその対処法も参考に、返済額とリスクのバランスを上手に取りつつ、賢い借り換えを実現させましょう!

著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども2人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級