住宅ローン 銀行の選び方ネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
ネットで手続きが完結する住宅ローンが人気に。比較のポイントは?ネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
新型コロナウイルスの影響で、申し込みから契約まですべての手続きをオンライン上で行えるネット銀行の住宅ローンが人気を集めています。
ネット銀行の住宅ローンは、オンライン手続きができることに加えて、金利の低さや、団信(団体信用生命保険)保険料が無料になる等、実店舗型の金融機関の住宅ローンと比較しても、様々なメリットがあります。
ただし、金利が低く抑えられている一方で、事務手数料が割高になるケースもあるなど、知っておきたい注意点も。
そこで今回は、オンラインで契約手続きができるネット銀行の住宅ローンにスポットを当て、金利や各種の手数料を比較しました。
ネット銀行も視野に入れて住宅ローンを検討している方は、「金利」と「手数料」という住宅ローンの2大比較ポイントをしっかり押さえ、ご自身の住宅ローン選びに役立てましょう。
住宅ローンの事務手数料は「定率制と「定額制」をチェックネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
事務手数料(融資事務手数料)は、住宅ローンを契約する際に金融機関に支払う手数料です。
金融機関によって差の大きい出費のひとつで、大きく分けると、借入額に対して一定の割合で発生する「定率制」と、1契約ごとに支払う手数料が決まっている「定額制」があります。
ネット銀行の事務手数料は「定率制」をとっていることが多く、借入額が大きくなるほど金額が大きくなります。借入時の初期費用を抑えたいときは、「定額制」をとっている住宅ローンのほうが有利です。
3,000万円を借り入れた場合の「定率制」と「定額制」の事務手数料を比較
定率制 | 66万円(借入額×2.20%・税込) ※住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)の場合 |
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定額制 | 一律55,000円(税込) ※SBI新生銀行 パワースマート住宅ローン(団信のみ付帯)の場合 |
一部繰り上げ返済手数料と全部繰り上げ返済手数料とは?ネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
繰り上げ返済は、家計に余裕がある場合に追加の返済を行うことで、住宅ローンの返済期間(もしくは毎月の返済額)を縮小することができます。
ネット銀行の多くは、借り入れ額の一部を追加返済する「一部繰り上げ返済」であれば、手数料無料で行うことができます。
ただし、残債が少なくなり、残りを一括で返済したい場合(全額繰り上げ返済)は、手数料が発生するケースがほとんどです。
住宅ローンの返済中、繰り上げ返済を積極的に行っていきたいと考えている方は、繰り上げ返済にかかるコストもあわせてチェックしましょう。
ネット銀行の住宅ローンの金利を比較ネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
住宅ローンを比較する場合、多くの方がまずは借り入れ金利に着目するでしょう。実店舗を持たないネット銀行は、店舗の運営費や人件費が少なくすむぶんを住宅ローンの金利に反映させており、低い金利で借り入れできる点が最大の魅力です。
ここでは、金利の低さに定評があるネット銀行4行の住宅ローンをご紹介します。※いずれの金利も2023年11月時点
auじぶん銀行 住宅ローン
住宅ローン金利(年利) |
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KDDIと三菱UFJ銀行が出資するネット銀行。金利水準は数あるネット銀行のなかでも低水準。仮審査の申し込みから本審査の完了まで全てネットで完了。スピーディーな住宅ローン審査に定評がある。
住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)
住宅ローン金利 |
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金利の低さに定評がある住宅ローン。変動金利のほか、期間固定金利型やフラット35も取り扱っており、それぞれ業界最低水準の金利を実現している。団信保険料が無料となるほか、団信の付帯保障である「全疾病保障」も無料で提供。
ソニー銀行 住宅ローン
住宅ローン金利 |
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ソニーグループのネット銀行。「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」「住宅ローン」の3種類の住宅ローン商品を扱う。変動金利から固定金利への変更が無料。翌月の金利が前月中旬に発表されるため、前もって借り入れ時のシミュレーションがしやすい。
イオン銀行 住宅ローン
住宅ローン金利 |
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イオングループのネット銀行。変動金利、期間固定金利に加え、フラット35も取り扱う。契約者特典としてイオンやマックスバリュでの買い物が毎日5%OFFになる「イオンセレクトクラブ」に5年間入会可能となる。近くにイオン店舗がある場合は要チェック。
ネット銀行の住宅ローンの手数料を比較ネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
ネット銀行のもうひとつの比較ポイントが手数料です。「事務手数料」と「繰り上げ返済手数料」は銀行による差が大きいため、初期費用を少なくしたい場合や、繰り上げ返済を積極的に考えている場合はチェックしておきましょう。
auじぶん銀行 住宅ローン
事務手数料 | 定率制:融資金額の2.2%(税込) |
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繰り上げ返済手数料 |
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事務手数料は定率制で、やや高め(融資額の2.2%)だが、繰り上げ返済は手数料無料でネットから24時間手続きできる。全額繰り上げ返済の手数料も変動金利適用期間中は無料となるのでチェックしておきたい。
住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)
事務手数料 | 定率制:融資金額の2.2%(税込) |
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繰り上げ返済手数料 |
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事務手数料は定率制で、融資額の2.2%(税込)とやや高め。繰り上げ返済は返済期間中いつでも申し込むことができる。変動金利適用期間中は全額繰り上げ返済手数料も無料になる点が嬉しい。
ソニー銀行 住宅ローン
事務手数料 |
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繰り上げ返済手数料 |
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金利の優遇幅が大きい「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」は事務手数料が定率制で融資額の2.2%となる。初期費用を抑えたい場合は定額制の「住宅ローン」も選択肢に。全額繰り上げ返済が、変動・固定を問わず手数料無料となる点はチェックしておきたい。
イオン銀行 住宅ローン
事務手数料 |
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繰り上げ返済手数料 |
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事務手数料は定率制(定率型)と定額制(定額型)から選択できる。定額制の場合は、借入金利が0.2%上乗せされるものの、初期費用を抑えられるため、現金支出を減らしたい場合は一考の余地あり。全額繰り上げ返済は金利タイプを問わず費用がかかる。
ネット銀行の特徴は「低金利」&「手数料が割高」。返済額を比較して有利な住宅ローンを選ぼうネット銀行の住宅ローンの金利と手数料を比較!編集部のプロのおすすめは?
金利の低さが大きな魅力となっているネット銀行の住宅ローンですが、借入額に応じて手数料が発生するところが多いため、手数料が定額制の住宅ローンと比較すると、初期費用が高くなる、というデメリットもあります。
いくつかの候補のなかで、どの住宅ローンを利用すべきか迷ったら、それぞれの銀行が提供している住宅ローンシミュレーションを活用して、総返済額や月々の返済額を比較してみましょう。
オンラインで手続きが完了するネット銀行は、仮審査の結果も最短当日などスピーディーにわかることが多いので、気になった金融機関にはとりあえず仮審査を申し込んでみるのも選択肢の1つです。
今回ご紹介した、ネット銀行それぞれの住宅ローンの特徴と比較のポイントをしっかり押さえて、ご自身のライフプランに最適な住宅ローンを選びましょう!
著者 長尾 尚子
フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども3人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級