住宅ローンニュース米国では住宅ローン金利が大幅上昇。日本の住宅ローン金利への影響と対策は?
米国では住宅ローン金利が大幅上昇。日本の住宅ローン金利への影響と対策は?住宅ローン比較 最新ニュース 第49回
2018年2月に日本の住宅金融支援機構にあたる米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が発表した30年固定住宅ローンの金利は4.38%と、3年10ヶ月ぶりの金利水準に達しました。
その背景には米国債の金利急上昇が挙げられます。住宅ローン金利の指標となる10年国債金利は昨年末の2.5%前後から2.8~2.9%まで急上昇しており、3%を超える可能性も出てきました。
これは米国の話ですが、実は日本も無関係ではいられません。
米国金利の大幅上昇は日本の住宅ローン金利にどのような影響を与えるのでしょうか?
今月の住宅ローン比較のニュースは、米国の住宅ローン金利上昇が日本の住宅ローン金利にもたらす影響とその対策を考えます。
米国の金利は世界の金利という現実
まず大原則として、金利はそれぞれの国ごとに設定されているものであり、米国には米国の、欧州には欧州の、日本には日本の金利があります。基本的に金利は中央銀行が設定したレートを基準に上下しており、金利が将来上がると思えば、このレート以上に金利が引きあがり、金利が将来下がると思えば、この金利に近似する形で金利水準が推移するケースがほとんどです。
ちなみに米国では2017年12月13日のFOMCでこの金利を0.25%引き上げ、1.25~1.5%を目標金利に設定、日本では0.00~0.10%という金利設定を長く続けています。
つまり米国では12月の金利引き上げをきっかけにさらに金利が上がっていくのではないかと市場が判断し、金利水準が大幅に上昇している訳です。
ではこの期間の日本の金利を見てみましょう。
日本は米国とは異なり、中央銀行による金利の引き上げは行われていませんが、昨年末0.04%だった金利が2月1日には0.1%まで上昇。足元でも0.6%程度で推移しています。
この結果からわかるのは、米国の金利が動けば、日本の金利も連動し、引き上がるという事実です。※実際に1月、2月と小幅ならが日本の住宅ローン金利も上昇に転じています。
つまり日本で住宅を購入し、日本の住宅ローンを利用する我々もアメリカの金利動向を無視する訳にはいかないのです。
今後のアメリカの金利はどうなる?その対策を考える
ではアメリカの金利が今後どうなっていくのかという点ですが、米国は予定では今年2回から3回の利上げを予定しており、それが現実になる場合、金利はさらに上昇する可能性があります。つまり我々は2018年の住宅ローン金利に関しては、上向きのリスクに対して最大限注意を払わなければいけないということです。
では私たちができる対策は何でしょうか?
住宅ローン比較 編集部では、2018年の住宅購入を検討している方に対して、以下の3点の徹底をおすすめしています。
住宅ローン比較 編集部おすすめ!金利上昇対策
- 住宅ローン金利が上昇する前に動く(※特に新規の場合は、不動産会社の決算期にあたる2月、3月がおすすめ)
- 変動金利よりも中期もしくは長期固定がおすすめ
- 返済計画に無理がある場合は住宅購入を見送る
1は新規であっても借り換えであっても変わりません。これまで日本の住宅ローン金利は、過去例を見ないほど低い水準で推移してきましたが、この状況がいつまでも続くと思うほうがむしろ不自然です。金利が上がってきたとはいえ、まだ歴史的には十分に低い水準にあります。今後のことを考えるのであれば、早めに動いたほうが良いでしょう。
金利が本格的に上昇し、変動金利にまで波及すると、住宅ローン破綻者が続出します。そうならないためには、中期から長期で住宅ローン金利を固定し、返済計画を確定させる方法が有効です。特に金利が上昇するリスクある場合は、金利を固定したほうが良いでしょう。
最後の3は1や2と矛盾する意見のように見えるかもしれませんが、実は全く矛盾しません。実際に住宅ローンを借り入れ(借り換え)しようと思い、シミュレーションした結果、この返済計画では難しいと思うのであれば、無理に住宅を購入しないというのも選択肢です。
歴史を見ると住宅相場というのは上下動の歴史です。現在の住宅ローン金利は確かに低く、お手頃ですが、物件価格に関しては完全に高止まりしています。この物件価格が落ちる日が必ずくるはずですので、そのタイミングまで待って住宅を購入しても良いでしょう。※その日のためにしっかりお金を貯めておきましょう!
昨今の住宅ローン金利の上昇が気になっているという方は、是非アメリカの金利動向にも注目してみてください。そして住宅ローン比較 がおすすめする金利上昇対策をしっかりチェックし、実践してもらえれば幸いです。
2018年こそ住宅を手に入れたいとと考えている方、今年は住宅ローンを借り換えようと考えている方は、この金利の上昇に負けず、ベストなタイミングでアクションを起こしましょう!