住宅ローンの基礎知識住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

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住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

はじめに住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

住宅の購入は、人生の中で最大の買い物のひとつ。住宅を購入する際は、何千万円というお金が動くため、「失敗した」「買わなければ良かった…」ということが無いよう、最善の準備をしなければいけません。
そのためには、住宅購入によるメリットだけではなく、デメリットについても事前にしっかり把握しておくことが大切です。

そこで今回は、住宅を購入するメリットとデメリットについて、わかりやすく解説。さらに、永遠のテーマと言われることもある、住宅を購入した場合と賃貸した場合との比較も紹介しています。
住宅の購入を検討している方はもちろん、住宅を購入すべきか賃貸を選ぶべきかで迷っている方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

住宅を購入するメリットとデメリット住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

はじめに、住宅を購入するメリットとデメリットについて見ていきましょう。

住宅を購入するメリット

住宅を購入するメリット その1
住宅という資産が得られる

住宅を購入すると、「住宅」という資産を得ることができます。
この資産は、将来、住宅を売却すれば現金化することが可能。また、住宅が、資産価値の高い立地にある場合や、資産価値の高い物件である場合、購入時と比較し、高い金額で売却できるケースもあります。
住宅という資産が得られる点は、住宅を購入する最大のメリットといえるでしょう。

住宅を購入するメリット その2
家の間取りや内装、設備をカスタマイズできる

購入する住宅が注文住宅の場合、家の間取りや内装、設備などを自由にカスタマイズすることができます。家族構成やライフスタイルに応じて、自分の好みに合わせたこだわりの住宅を手に入れられる点も、住宅を購入するメリットの一つ。
また、将来、必要に応じてリフォームが行えるのも嬉しいポイントです。

住宅を購入するメリット その3
老後の住居費を抑えられる

住宅購入時に組んだ住宅ローンを退職時までに完済すると、その後、毎月の住居費(=住宅ローン返済分)を支払う必要が無くなるため、住居費が家計を圧迫する心配がありません。
経済面でも精神面でも、ゆとりがある形で老後の生活を送れる点は、住宅を購入する大きなメリットの一つです。

また、住宅ローン完済後も、長く住み続けることで、住宅を賃貸した場合と比較した際、住居にかかる総費用を安く抑えられる点もチェックしておきましょう。

住宅を購入するデメリット

住宅を購入するデメリット その1
住宅ローンを組む必要がある

住宅を購入する際は、住宅ローンを組むケースがほとんど。
一般的に、住宅ローンを有利な条件で組むためには、頭金を含め、物件価格の約20%(※数百万円)程度の初期費用が必要です

また、住宅ローン返済期間中は、転職や出産などにより、家計の収入が大きく減った場合でも、毎月の返済負担は変わりません。
さらに、住宅ローンを完済しなければ、購入した住宅は100%自分のものにならないため、住宅ローンの返済が滞ると、物件が差し押さえられてしまう可能性がある点も、住宅を購入するデメリットといえるでしょう。

Memo住宅ローン返済期間中の収入減のリスクに備えるには?

住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、返済期間中の収入減のリスクに備えたいと考えている方も多いはず。
実は、数ある住宅ローンのなかには、住宅ローン返済期間中のさまざまなリスクに備えるサービスを提供しているところがあります。
例えば、SBI新生銀行では、一部繰り上げ返済を利用して返済期間を短くした分、通常の支払いを休むことができる「コントロール返済」や、所定の要介護状態が継続した場合に保障が受けられる「安心保障団信」が付帯した「安心パック」を提供。住宅ローン返済期間中のライフイベントや万一の場合に備えられるサービスとして高い評価を獲得しています

収入減をはじめ、住宅ローン返済期間中のさまざまなリスクに備えたいと考えている方は、こうした住宅ローンの利用を検討するのもおすすめです。

住宅を購入するデメリット その2
住み替えしにくい

一度住宅を購入すると、簡単に住み替えることはできません。家族構成やライフスタイル等の変化に伴い、住み替えたいと思っても、現在の住宅の売却についても並行して進める必要があります。これも住宅を購入するデメリットの一つででしょう。

ちなみに、将来、住み替える可能性がある場合は、「駅から近い」「人気のあるエリア」など、売りやすい・貸しやすい住宅を購入するのも一つの方法です

住宅を購入するデメリット その3
住宅の維持費がかかる

住宅を購入すると、住宅ローンの返済以外にも、毎年、固定資産税・都市計画税の支払いが発生します。

Memo固定資産税・都市計画税とは?

  • 固定資産税
    …土地・建物を所有している場合に課される税。
  • 都市計画税
    …市街化区域内の土地や建物の所有者に課せられる税。

また、経年劣化に伴う住宅の補修や設備交換などにかかる修繕費・メンテナンス費用や、入居のタイミングによって、将来、住宅をリフォームする場合は、リフォーム費用も発生します。

住宅を購入すると、かかるのは住宅ローンの返済だけだと考えてしまう人も少なくありませんが、住宅ローンの返済以外にも、税金の支払いや維持費用がかかり、それなりの負担が発生する点は、住宅を購入する際にチェックしておきたいデメリットの一つです。

住宅を賃貸するメリットとデメリット住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

次に、住宅を賃貸するメリットとデメリットを見ていきましょう。

住宅を賃貸するメリット

住宅を賃貸するメリット その1
住み替えしやすい

賃貸の場合、家族構成やライフスタイル等の変化に応じて、住宅を住み替えることができます
また、収入の変化に応じて住居費をコントロールすることも可能です。
この住み替えがしやすい点は、住宅を賃貸する大きなメリットといえるでしょう。ただし、住み替えのたびに、引っ越し費用、敷金・礼金・仲介手数料が発生する点には注意が必要です。

住宅を賃貸するメリット その2
初期費用が安い

住宅ローンを組む必要がないため、住宅を購入する場合と比較し、初期費用を抑えられるのも賃貸を利用するメリットの1つです。

以下に、住宅を購入する場合と賃貸する場合の初期費用を比較しました。

  • 住宅を購入する場合と賃貸する場合 初期費用を比較
  • 住宅を購入する場合の初期費用
    →数百万円:頭金を含め、住宅ローンを組む際に必要な初期費用
  • 住宅を賃貸する場合の初期費用
    →数十万円:引っ越し費用、敷金・礼金・仲介手数料など

住宅を賃貸するメリット その3
住宅の維持費がかからない

賃貸の場合、土地や建物を所有しているわけではないので、固定資産税や都市計画税の支払いは不要です。また、賃貸の場合、住宅の設備費や修繕費も基本的には大家が負担します。(※入居者に瑕疵がある場合を除く)
住宅を維持していくための費用がかからない点も、住宅を賃貸するメリットの一つといえるでしょう。

住宅を賃貸するデメリット

住宅を賃貸するデメリット その1
家賃の支払いが一生続く

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住宅を購入した場合、住宅ローンを完済すれば、住居費の支払いは不要です。
その一方で、賃貸の場合、住宅を賃貸している限り、家賃を支払い続ける必要があります。家賃の支払いが一生続き、支払ったお金が資産にならない点は、賃貸を利用する大きなデメリット。

特に、退職後や老後など、定期的な収入が減ったあとも、毎月家賃の支払いが発生し、経済的な負担が大きくなる点には注意が必要です。
住宅を賃貸する場合は、老後の「生活費+住居費」の分をしっかりと貯蓄しておきましょう

また、賃貸の場合、2年ごとに更新料(※家賃1か月分程度の金額)の支払いが発生するケースも少なくありません。高齢になるほど更新の際に身元保証人が求められるケースが多く、頼める人がいないと契約更新を断られる可能性がある点にも注意が必要です。

住宅を賃貸するデメリット その2
住宅の内装や間取り、設備等を自分で選べない

賃貸の場合、住宅の内装や間取り、設備などはあらかじめ決まっているため、大家からの許可を得られない限り、自分で自由にカスタマイズすることができません。
自分好みのこだわりの家に住みたいと考えている人にとって、間取りや設備などを自由にカスタマイズできない点は、住宅を賃貸するデメリットといえるでしょう。

住宅を購入する場合と賃貸する場合を比較住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

本チャプターでは、上記でご紹介した「住宅を購入する場合のメリットとデメリット」「住宅を賃貸する場合のメリットとデメリット」の内容を踏まえ、住宅を購入する場合と賃貸する場合とを、わかりやすく比較していきます。

住宅を購入する場合と賃貸する場合を比較

住宅を購入する場合と賃貸する場合とで、メリットとデメリット、発生するコストを比較すると、以下の通りです。

住宅を購入した場合 住宅を賃貸した場合
メリット
  • 住宅という資産が得られる
  • 家の間取りや内装、設備をカスタマイズできる
  • 老後の住居費を抑えられる
  • 住み替えしやすい
  • 初期費用が安い
  • 住宅の維持費がかからない
デメリット
  • 住宅ローンを組む必要がある
  • 住み替えしにくい
  • 住宅の維持費がかかる
  • 家賃の支払いが一生続く
  • 住宅の内装や間取り、設備等を自分で選べない
コスト
  • 住宅ローン(※初期費用含む)
  • 維持費・リフォーム費用
  • 固定資産税・都市計画税
  • 初期費用(引っ越し費用、敷金、礼金、仲介手数料)
  • 更新料

住宅の購入はこんな人におすすめ

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住宅の購入には、長期間の住宅ローン返済だけではなく、固定資産税・都市計画税の支払いや、住宅のメンテナンス費・リフォーム費用が発生します。
その一方で、住宅ローンを完済すれば、住宅という資産を得られることに加え、賃貸の場合と比較して、老後の住居費を抑えることが可能。また、住宅を購入した場合、間取りや内装、設備などのカスタマイズができ、こだわりのある家に住める点も魅力です。

住宅の購入は、「住宅という資産を手に入れたい人」「老後の住居費用を抑えたい人」「自分好みのこだわりの家に住みたい人」におすすめします。

ちなみに、できるだけ住宅ローンの返済負担を抑えたい場合は、金利の低い住宅ローンや諸費用が安い住宅ローンを利用することが大切です。

住宅の賃貸はこんな人におすすめ

住宅を賃貸すると、初期費用を抑えられることに加え、家族構成やライフスタイルの変化等に応じて、好きなタイミングで住み替えることができます。また、住宅の維持費がかからないのも嬉しいポイント。
住宅の賃貸は、「生涯のうちに何度か住宅を住み替えたい人」「住宅の維持にかかるお金を節約したい人」におすすめです。

ただし、住宅を賃貸する場合、住宅の間取りや内装、設備などを自由に選べない点、家賃の支払いが一生続くため、老後の住居費用を貯蓄しておく必要がある点には注意しましょう。

まとめ住宅を購入するメリットとデメリットとは?賃貸と比較しよう

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住宅を賃貸した場合との比較も含め、住宅を購入するメリットとデメリットについて紹介した今回の特集はいかがでしたでしょうか?

住宅を購入するにせよ、賃貸するにせよ、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

住宅を購入する際や、住宅を購入すべきか賃貸を選ぶべきかで迷っている場合は、それぞれのメリットとデメリットをしっかりと比較・確認した上で、自分のライフプランや希望に合った選択をすることが大切です

住宅の購入を検討している方、住宅を購入すべきか賃貸すべきかで迷っている方は、本特集を参考に、それぞれのメリットとデメリットをチェックし、住宅を購入(あるいは賃貸)する際に役立てましょう。

著者 溝口 麻衣

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。住宅を購入するメリットとデメリットについての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。