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母子家庭の住宅ローン

母子家庭でも住宅ローンは組める?母子家庭の住宅ローン

母子家庭の場合、住宅購入を検討していても、母子家庭ということで住宅ローンの審査が通りにくいのではないか、と心配されている方も多いでしょう。
事実、母子家庭では住宅ローンを組む際に夫婦で返済を分担する「ペアローン」が利用できないなど一部制約もあります。

母子家庭の住宅ローン

ただし、住宅ローンの審査項目そのものは、年収、勤続年数、勤務形態、健康状態等、母子家庭であっても原則的には変わりません

母子家庭の住宅ローンで、より気にかけておきたいのは、自分に万が一のことがあった場合の備えやキャッシュフロー対策など、母子家庭ならではのリスクに備えることです。
本特集では、母子家庭が住宅ローンを借り入れる際のポイント、おすすめの住宅ローンなどを解説します。

母子家庭におすすめの住宅ローンの組み方1:万一の事態に備える母子家庭の住宅ローン

母子家庭が住宅ローンを組む際に、もっとも気にかけておきたいのは「万一への備え」です。

通常、住宅ローンを契約する際は、母子家庭であるかどうかに関わらず、団信(団体信用生命保険)への加入が必須となります。これは、契約者に万一のこと(死亡や高度障害)があった場合、保険会社からの保険金で住宅ローンが完済されるしくみで、遺された家族が住宅ローンの残債を負うことを防ぎます。

母子家庭の住宅ローン

このような団信の死亡保障に加えて、母子家庭では、長期の入院や療養に備える疾病保障も検討しておくと良いでしょう。唯一の働き手である母親が重い病気を患うことも住宅ローンにおける「万一」のリスクとなります。
多くの金融機関では、団信に付帯できる疾病特約を用意しており、契約者がガンや脳卒中などの所定の病気に罹ったり、それを原因として就業不能状態となった場合に、残りの住宅ローン返済が免除されるしくみになっています。

団信に疾病保障を付帯する場合は、保険料分を住宅ローン金利に上乗せするケースが一般的ですが、ネット銀行の中には、金利の上乗せなしで疾病保障を付帯できる住宅ローンもあります。

疾病保障が手厚いおすすめの住宅ローン

イオン銀行 住宅ローン

イオン銀行 住宅ローン

疾病保障 (団信)
  • 全疾病団信:無料付帯
  • がん保障:年0.1%金利上乗せ
  • 8疾病保障プラス:年0.3%金利上乗せ
  • ワイド団信:年0.3%金利上乗せ
取り扱い事務手数料
  • 定額型:11万円(税込)
  • 定率型:借り入れ金額の2.2%(税込)※最低取り扱い事務手数料:22万円(税込)
  • 「定額型」を選択した場合、「定率型」を選択した場合と比べて、住宅ローン金利が年0.2%高くなる。
保証料 無料
一部繰上げ返済手数料 無料
その他
  • 住宅ローン契約者限定特典あり(イオンセレクトクラブ)

イオン銀行 住宅ローンの特徴
イオングループの「イオン銀行」が提供する住宅ローン。
イオン銀行の特徴は、他の金融機関と比較して、優位性のある住宅ローン金利を実現している点。イオン銀行では、変動金利の場合は最大1.85%、固定金利の場合は最大1.6%、完済するまで(※固定金利の場合は、固定期間終了後から完済するまで)店頭表示から金利を優遇。有利な金利で住宅ローンを組むことができる。
また、疾病保障(団信)が充実しており、金利を年0.1~0.3%上乗せすることで、「がん保障」「8疾病保障」「ワイド団信」を付帯可能。
住宅ローン契約者限定特典として、住宅ローン返済期間中ずっと「イオンでの買い物が毎日5%OFF」をはじめ、さまざまなサービスが受けられる「イオンセレクトクラブ」を利用できる点もチェックしておきたい
Webと店舗での相談・申し込みに対応しているので、イオングループのサービスをよく利用する人に特におすすめ。

イオン銀行 住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

疾病保障 (団信)
  • 一般団信:無料付帯
〈住宅ローン契約者が満50歳まで〉
  • がん50%保障団信+4疾病保障:無料付帯
  • がん100%保障団信:年0.05%金利上乗せ
  • がん100%保障団信+4疾病保障:年0.15%金利上乗せ
〈住宅ローン契約者が満65歳まで〉
  • ワイド団信:年0.3%金利上乗せ
取り扱い事務手数料 借り入れ金額の2.2%(税込)
保証料 無料
  • 審査の結果、保証会社を利用する場合は保証料相当額を金利に上乗せ。
一部繰上げ返済手数料 無料
おすすめポイント
  • 住宅ローン金利を最大年0.1%引き下げる「au金利優遇割」あり

auじぶん銀行 住宅ローンの特徴
三菱UFJ銀行とKDDIが出資する「auじぶん銀行」の住宅ローン。
auじぶん銀行は、疾病保障(団信)が充実。住宅ローン契約者が満50歳までの場合、4疾病保障付きの「がん50%保障団信」が無料付帯するほか、年0.05%の金利上乗せで「がん100%保障団信」、年0.15%の金利上乗せで4疾病保障付きの「がん100%保障団信プレミアム」が付帯可能。さらに、住宅ローン契約者が満65歳までであれば、年0.3%の金利上乗せで「ワイド団信」を付帯できる。。
また、低水準の住宅ローン金利を実現しているほか、「au回線」「じぶんでんき」をセットで契約することで、住宅ローン金利を最大年0.1%優遇する「au金利優遇割」が適用される点も魅力
保証料や一部繰り上げ返済手数料も無料なので、住宅ローンの借り入れを検討する際、auじぶん銀行はぜひ候補に入れておきたい。

auじぶん銀行 住宅ローン

母子家庭におすすめの住宅ローンの組み方2:キャッシュフローの悪化を防ぐ母子家庭の住宅ローン

母子家庭が住宅ローンを組む際は、住宅ローンが家計のキャッシュフロー(お金の流れ)を悪化させないよう気を配ることも大切です。

母子家庭の住宅ローン

働き手が一人しかいない母子家庭の場合、返済期間中に金利が変動するなどして月々の返済額が変わることは、キャッシュフローを悪化させる大きなリスクです。
そのため、変動金利と固定金利であれば、返済期間中ずっと金利が変動しない「フラット35」のような長期固定金利型の住宅ローンがおすすめ。また、返済期間を長めに設定することで、月々の返済額を抑え、無理せず支払える範囲内に収めることも重要です。

特に、当初一定期間のみ金利が固定される「期間固定型」の住宅ローンは、固定金利と見誤りやすいので要注意。実際には、5年・10年といった当初の固定期間が経過したあとは、変動金利や固定期間明けの特別金利が適用されることが多く、金利変動リスクのある住宅ローンです。

なお、借入前の頭金や、借入後の繰り上げ返済に、貯金を投入しすぎることも避けましょう。貯金は有事の際の予備資金として、生活費一年分は確保しておく必要があります。頭金や繰上げ返済について考える前に、まずは予備資金を確保し、そのうえで借入額や残債を減らす方法を検討しましょう。

長期固定金利が有利なおすすめの住宅ローン

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

取り扱い事務手数料
  • 借り入れ金額の2.2%(税込)
  • Webからの申込で借り入れ金額の1.1%(税込)に優遇
  • ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 最低事務手数料220,000円(消費税込)
保証料 無料
一部繰上げ返済手数料 無料
その他
  • 全国1,000以上の金融機関から返済口座の指定が可能

ARUHI フラット35
13年連続でフラット35の取り扱い件数第1位を獲得しているARUHIの長期固定金利型住宅ローン※1
ARUHIフラット35は、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。※2 さらに、Webからの申し込みで、事務手数料が借入金額の1.1%(税込)に優遇※3 ※4される(※通常は借り入れ金額の2.2%(税込))。住宅ローンの借り入れにかかる諸費用を抑えられるのは、ARUHI フラット35の大きな魅力。
また、事前審査は最短当日・本審査は最短3営業日に審査結果がわかり、スピード審査に対応しているほか、全国1,000以上の金融機関から、返済口座を指定できる点もチェックしておきたい。
全国に130以上(※2023年3月末現在)の実店舗を展開し、対面で住宅ローンに関する相談もできるので、フラット35を検討する際、ARUHI フラット35は有力な選択肢の一つといえるだろう。

  • 1. 2010年度-2022年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2023年3月末現在、ARUHI調べ)
  • 2. 【フラット35】業界最低水準(ただしスタンダードタイプの場合)。ARUHI 調べ。
  • 3. ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 4. 最低事務手数料220,000円(消費税込)

ARUHI フラット35

住信SBIネット銀行 フラット35

住信SBIネット銀行 フラット35

取り扱い事務手数料 〈保証型〉
  • 借り入れ金額の2.2%(税込)
〈買取型〉
  • 新規借り入れ:借り入れ金額の1.1%(税込)
  • 借り換え:借り入れ金額の0.99%(税込)
  • 最低取り扱い事務手数料は11万円(税込)
保証料 無料
一部繰上げ返済手数料 無料
その他
  • 全疾病保障を付帯可(※「保証型」は無料付帯/「買取型」は取り扱い事務取扱手数料に借り入れ金額の0.55%(税込)を上乗せすることで付帯可)

住信SBIネット銀行 フラット35の特徴
ネットバンク大手の「住信SBIネット銀行」が提供する長期固定金利型住宅ローン。
住信SBIネット銀行では、「買取型」と呼ばれる一般的なフラット35に加え、一部の金融機関でしか取り扱いのない「保証型」のフラット35も提供。ちなみに、住信SBIネット銀行のフラット35の場合、「保証型」は自己資金を多めに(借入額の10%以上)用意することで「買取型」よりも低い金利で住宅ローンを借り入れが可能。一方、「買取型」は、自己資金の基準が「保証型」よりもゆるやかなため、自己資金ゼロ(フルローン)での借り入れにも対応している。「保証型」と「買取型」の2種類から、フラット35を選べる点は、住信SBIネット銀行を利用する大きなメリット。
また、「保証型」は無料で、「買取型」は取り扱い事務手数料に借り入れ金額の0.55%(税込)を上乗せすることで、全疾病保障を付帯できる。
その他にも、申込から契約まで、すべての手続きがネットで完結し、来店不要で住宅ローンを組むことが可能。フラット35を検討する際、住信SBIネット銀行は、ぜひ候補に入れておきたい。

住信SBIネット銀行 フラット35

母子家庭で住宅ローンの借入額を増やす方法は?母子家庭の住宅ローン

母子家庭の住宅ローンで悩みの1つとなるのが、借入額の不足です。母親一人では借入可能額が不足する場合は、母親とその両親で「親子リレー返済」や「収入合算」を利用し借入額を増やすことができます
両親のいずれか(あるいは両方)が働いており、定期的な収入がある場合は、検討してみましょう。

母子が両親と同居する場合

親子リレー返済 親子リレー返済は、住宅購入後、母子が両親と同居する場合に利用できます。最初に両親が住宅ローンを契約し、定年などのタイミングで子(母親)にバトンタッチします。

母子が両親と別居する場合

フラット35の「子入居型」で収入合算 購入する住宅に母子が両親と別々に住む場合は、収入合算を検討してみましょう。フラット35では子供の住まいを購入するための資金を親が借り入れる「子入居型」の借り入れを申請することができます。

両親とともに住宅ローンを借り入れることができれば、借入額を増やす=希望に添った物件を購入できる可能性が高まります。
ただし、借入額を増やすということは、そのぶん返済も大きくなることを意識しておかなければなりません。両親や兄弟とも相談のうえ、返済計画をしっかりと立て、万一にも返済が滞ったり、遺産相続などの問題が起きないようにする必要があります。

母子家庭の住宅ローン~まとめ~母子家庭の住宅ローン

母子家庭の住宅ローン

母子家庭の住宅ローンは、夫婦で住宅ローンを組むケースと比較すると、注意したいポイントがいくつかあります。
ただし、年収や勤続年数などの審査条件を満たしていれば、母子家庭という理由のみで住宅ローンを組めないケースはそれほど多くありません。

自分や子供のために資産となる住宅が欲しいと考えている方は、本特集でご紹介した「万一への備え」や「キャッシュフロー」など、いくつかのポイントを押さえつつ、希望通りの家を手に入れるための住宅ローン審査にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

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著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども3人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級