住宅ローンの基礎知識住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

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住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

はじめに住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

住宅ローンを借り入れる際は、申し込みから融資実行までにいくつかの手順を踏む必要があり、申し込みをしたからといって、すぐに借り入れができるわけではありません
また、住宅ローンの借り入れには、金融機関が実施する住宅ローン審査に通過する必要があり、申し込んだからといって、必ず融資が受けられるわけではない点にも注意が必要です。(ちなみに、住宅ローン比較 編集部内にも、他のローン残高ゼロ、十分な世帯年収がありながら、ネット銀行の住宅ローン審査に落ちたスタッフがいる等、審査に落ちるケース、または借り入れ金額が減額させるケースは決して珍しくありません)

住宅ローンの借り入れを検討する際は、必要なタイミングでしっかり融資を受けることができるよう、申し込みから融資実行までの流れを把握し、しっかり準備しておくことが大切です。
そこで今回は、住宅ローンの申し込みの流れに注目し、住宅ローンの申し込みから融資実行までの手順をわかりやすく解説します。
住宅ローンの借り入れを検討している方は、本特集を参考に住宅ローンの申し込みの流れをチェックしておきましょう。

住宅ローン申し込みの流れ住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

それでは、まずはじめに住宅ローンの申し込みから融資実行までの流れを確認しておきましょう。以下は住宅ローンの申し込みから融資実行までの一連の流れを、4つのステップに分け、まとめたものです。

Step1事前審査(仮審査)

住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

物件の購入申し込みをするタイミングで住宅ローンの事前審査に申し込んでおくと、その金融機関で住宅ローンの借り入れができるのか事前に確認することができます
住宅ローンを提供する多くの金融機関では、本申し込み(本審査)の前に事前審査を実施しており、申込者の年収や職業等、必要事項を記入すると、簡単に事前審査に申し込むことが可能です。
(※金融機関によっては、事前審査を実施していないケースもあります。また、事前審査の際に、本人確認書類や健康保険証、源泉徴収票などコピーの提出を求める金融機関もあるため、必要な書類・情報等について、あらかじめ確認した上で事前審査の申し込みをするとスムーズです)

特に、新規で住宅ローンを借り入れる場合は、住宅ローン審査に落ちることも考慮し、複数の金融機関で事前審査の申し込みをしておくことをおすすめします。金融機関によって、審査基準が異なるため、ある金融機関では審査に落ちたが、別の金融機関では審査に通過したというケースも少なくありません
ただし、事前審査はあくまで簡易審査。事前審査に通過したからといって、必ず本審査も通過するとは限らない点には注意が必要です。場合によっては、借入額の減額や、審査に落ちることがある点も覚えておきましょう。

Step2申し込み・本審査

事前審査(仮審査)に通過すると、住宅ローンの正式な申し込み・本審査を行うことが可能です。
本審査では、申込者の年収に対する返済の負担割合や、勤務年数・雇用形態、他のローンの借入れ状況、健康状態などの審査を行います。
本審査の際は、住民票や印鑑証明書、納税証明書(住民税決定通知書など)、物件の確認資料等、多くの書類を提出する必要があるため、提出書類に漏れがないよう、事前に確認し、期日までにしっかり揃えておきましょう

また、本審査に通過できなかった場合に備え、「ローン特約」についてチェックしておくことも大切です。
「ローン特約」とは、金融機関などからの融資(住宅ローン)を前提に、不動産を購入する売買契約において、本審査に通過できず、住宅ローンの融資が不成立となった場合、その契約を無条件で解除できるというもの。
売買契約の条項としてローン特約が盛り込まれていれば、万一、本審査に通過できなかった場合でも、「違約金が発生する」、「手付金(※住宅購入の売買契約時に一部先払いで支払う代金)が戻ってこない」といったことがありません。
ただし、場合によっては、売買契約の条項にローン特約がない場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

Step3住宅ローン契約

本審査に通過すると、住宅ローンの契約を行うことが可能です。ちなみに、住宅ローン契約の正式名称は、「金銭消費貸借契約兼抵当権設定契約」と呼ばれ、住宅ローンの契約と同時に、担保となる物件の抵当権の契約も行われます。

住宅ローン契約時は、契約書の記入や、契約内容の最終確認等を行います。この際、書類の提出も必要です。提出書類は、金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、金融機関によっては、「住宅ローンの契約は融資実行の〇日前まで」と期日が設定されているケースも。希望の融資実行日がある場合は、その日に間に合うように住宅ローンを契約することが大切です

Step4融資実行(住宅ローン実行)

審査によって決定した住宅ローンの借入金が、契約者の口座に振り込まれます。
融資は、抵当権の設定を前提に行われるため、融資実行日と住宅購入代金の決済日は同じ日にしましょう。
また、多くの住宅ローンでは、融資実行日の金利が住宅ローンの借入れ金利として適用されるケースがほとんど。契約月の金利が適用されるわけではない点には注意が必要です。

住宅ローン申し込みの流れ -「ネット銀行」と「実店舗を持つ金融機関」を比較住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

住宅ローンの申し込みから融資実行までの流れは、一般的に、上記でご紹介した通りです。ただし、ネット銀行と実店舗を持つ金融機関とでは、住宅ローンの申し込みから融資実行までにかかる期間や、書類をやり取りする方法が異なります。
本チャプターでは、ネット銀行と実店舗を持つ金融機関、それぞれで住宅ローンを申し込む場合の手順の違いを見ていきましょう。

ネット銀行の住宅ローン申し込みの流れ

ネット銀行を利用すれば、店舗に来店することなく、自宅から住宅ローンの申し込みができます。24時間いつでも申し込みができるので、仕事等の都合で店舗へ足を運ぶのが難しい人におすすめ。
さらに、ネット銀行の場合、住宅ローンの申し込みに関する相談を電話やメールで行っているところも多いので、住宅ローンを申し込む際、疑問が出てきた場合は、無料相談を上手く活用するとよいでしょう。

また、ネット銀行には、住宅ローンの申し込みに関して、「申し込みから契約までネットで完結するもの」と、「ネットで申し込み、書類の提出は郵送で行うもの」があります。

以下では、「auじぶん銀行」「ソニー銀行」を例に、それぞれのネット銀行で住宅ローンを申し込む際の流れを見ていきましょう。

申し込みから契約までネットで完結するネット銀行 住宅ローン申し込みの流れ

auじぶん銀行 住宅ローン申し込みの流れ

Step1事前審査(仮審査) auじぶん銀行のホームページから、事前審査の申し込みを行う。(※auじぶん銀行の場合、入力内容の途中保存にも対応。また住宅ローンの事前審査は、auじぶん銀行への口座開設の有無関係なく、利用対応
最短即日~数営業日内に、登録したメールアドレスに事前審査の結果を通知。
Step2申し込み・本審査 事前審査に通過すると、本審査の申し込みをすることができる。本審査の際に提出する書類は、パソコン・スマートフォンからのアップロードに対応。(※パソコンやスマートフォンから提出書類のアップロードが難しい場合は、郵送やFAXでの提出にも対応)
本審査申し込みから、最短2~3営業日内に、登録したメールアドレスに本審査の結果を通知。
※auじぶん銀行に口座を持っていない場合は、本審査完了までに口座開設が必要
Step3住宅ローン契約 本審査に通過すると、住宅ローンの契約手続きに進むことが可能。契約手続きは、借入れ希望日の5営業日前の午前中までに入力を行う
その後、電話にて借入希望日や借入金額、金利タイプなどを最終確認。この時点で借入れ金額の増額などを希望する場合は、再審査が必要となる。
※抵当権の設定登記など諸手続きを行う関係で、auじぶん銀行が指定する司法書士と面談を実施
Step4融資実行(住宅ローン実行) 借入金の入金。翌月以降、指定の返済日から住宅ローンの返済開始。

申し込みから契約までネットで完結!おすすめの住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

auじぶん銀行

三菱UFJ銀行とKDDIが50%ずつ出資するネット銀行「auじぶん銀行」が提供する住宅ローン。auじぶん銀行は、日本の銀行で初めて、住宅ローンの申し込みから契約までネットで完結する仕組みを実現。最短10日で申し込みから契約までの手続きを完了することができる
また、住宅ローン金利が低いことに加え、一部繰り上げ返済手数料・保証料・収入印紙代が無料、団体信用生命保険・がん50%保障団信が無料付帯する点もチェックしておきたい。
申し込みから契約までネットで完結する住宅ローンを利用する際、auじぶん銀行は有力な選択肢の一つといえるだろう。

auじぶん銀行 住宅ローン

コラム申し込みから契約までネットで完結するネット銀行を利用すると、契約時に発生する収入印紙代が不要に

通常、住宅ローンを契約する際の契約書(金銭消費貸借契約書)には、収入印紙の貼付が必要となり、収入印紙代は、「借入金:500万円以上1,000万円以下の場合…1万円」「借入金:1,000万円以上5,000万円以下の場合…2万円」等、借入れ金額によって異なります。
ただし、住宅ローン契約をネット上で行うと、契約書へ印紙の貼付が不要となるため、収入印紙代が発生しません
少しでも、住宅ローンの借入れに発生する諸費用を節約したい場合は、申し込みから契約まで、ネットで完結する金融機関の住宅ローンを利用するのがおすすめといえるでしょう。

ネットで申し込み、書類の提出は郵送で行うネット銀行 住宅ローン申し込みの流れ

ソニー銀行 住宅ローン申し込みの流れ

Step1事前審査(仮審査) ソニー銀行のホームページから事前審査の申し込みを行う。手元に、収入や物件の情報を確認できる資料があるとよりスムーズ。(※また、申し込み内容の確認のため、勤務先や自宅に電話がかかってくることがあり、つながらない場合、審査は保留になる。)
最短60分~翌営業日以降にメールにて審査完了を連絡。ソニー銀行「サービスサイト」の取引画面から審査結果を確認できる。
Step2申し込み・本審査 事前審査に通過すると、本審査の申し込みをすることが可能。必要書類(※事前審査終了後、提出書類の案内あり)を郵送にてソニー銀行に提出する。
※本人確認のため、勤務先や自宅に電話がかかってくる。
※提出した書類は、審査結果に関わらず、返却されない。
本審査の結果は、申し込みから7日~10日でメールにて連絡。ソニー銀行「サービスサイト」の取引画面から審査結果が確認できる。(※本審査の結果確認には、キャッシュカードが必要)
Step3住宅ローン契約 審査結果の確認から2~3日以内に借入れ日を調整し、ソニー銀行に連絡。住宅ローン契約の手続きを行う。
住宅ローン契約時には、「住宅ローン契約書」に必要事項を記入・捺印し、必要な書類を同封してソニー銀行へ郵送。
その後、ソニー銀行が指定する司法書士と面談を実施。(※原則、物件を共有する人全員と面談を行う。また、面談時には、登記に必要な書類の提出が必要)
面談後、ソニー銀行「サービスサイト」にて借入れ日・振込先、金利タイプの最終確認。
Step4融資実行(住宅ローン実行) 契約内容の最終確認から1週間~1ヵ月程度を目途に、借入金が入金。翌月以降、指定の返済日から住宅ローンの返済が開始。

ネットで申し込み、書類の提出は郵送で行うおすすめの住宅ローン

ソニー銀行 住宅ローン

ソニー銀行 住宅ローン

ネット専業銀行の大手「ソニー銀行」が提供する住宅ローン。事前審査は、申し込みから最短60分での回答とスピード審査に対応しており、ソニー銀行での住宅ローンの借り入れが可能かどうか、すぐに確認することができる
また、保証料・繰り上げ返済手数料が無料、団体信用生命保険が無料付帯することに加え、住宅ローン金利を固定金利から変動金利/変動金利から固定金利へ手数料無料で簡単に切り替えられる点も魅力。
さらに、金利の低さにも定評があるため、ネットから申し込みができる住宅ローンの利用を検討する際、ぜひチェックしておきたい。

ソニー銀行 住宅ローン

実店舗を持つ金融機関の住宅ローン申し込みの流れ

実店舗を持つ金融機関では、店舗窓口等での住宅ローン申し込みに対応しており、専門スタッフに相談しながら、申し込みの手続きを行うことが可能です
都度、店舗に足を運ぶ必要がありますが、住宅ローンの契約では、高額のお金が動くため、ネットでの手続きに不安がある人や、専門スタッフに相談しながら住宅ローンの申し込み手続きを行いたい人は、店舗での申し込みがおすすめといえるでしょう。
以下では、三菱UFJ銀行(窓口申し込み)を例に、実店舗を持つ金融機関の住宅ローンを申し込む際の流れをご紹介します。

三菱UFJ銀行(窓口申し込みの場合)住宅ローン申し込みの流れ

Step1来店予約・相談会予約 インターネットから来店予約または相談会予約を行う。
相談会(※無料)では、住宅ローンに関する相談や、住宅ローンのシミュレーション、自分に合ったプランの提案等を受けることが可能。住宅ローンに関する不安を解消することができる
ちなみに、三菱UFJ銀行では、土日祝日や、平日の夜間にも相談会を実施しており、仕事が忙しい人でも参加することが可能。
また、三菱UFJ銀行の口座を持っていない場合でも相談会に参加することができる。
Step2申し込み・本審査 必要な書類を持参し、店舗窓口にて審査申し込み。(※本人確認のため、勤務先に電話がかかってくる。)
審査結果は後日、電話にて連絡。
Step3住宅ローン契約 三菱UFJ銀行の「本支店の窓口」または「ローン推進室」にて契約手続き。
※融資実行の10平日窓口営業日前までを目処に契約手続きを行う。
Step4融資実行(住宅ローン実行) 指定日に借入金が入金。翌月以降、指定の返済日から住宅ローンの返済開始。
※融資実行時の抵当権設定登記を行う司法書士は、三菱UFJ銀行が指定。

実店舗での申し込みに対応したおすすめの住宅ローン

三菱UFJ銀行 住宅ローン

三菱UFJ銀行 住宅ローン

日本最大のメガバンク「三菱UFJ銀行が」が提供する住宅ローン。主要都市を中心に、全国に店舗を構えており、店舗窓口での住宅ローン申し込みに対応している。(※インターネットからの申し込みにも対応)さらに、平日昼間に加え、土日祝日や平日夜間にも無料の「住宅ローン相談会」を実施しており、住宅ローンに関する相談を気軽にすることも可能。
また、「10年固定」を中心に低金利を実現している点も大きな魅力といえるだろう。
店舗で専門スタップによるサポートを受けながら住宅ローンを申し込みたい人や、メガバンクが提供する住宅ローンの利用を検討している人は要チェック。

ソニー銀行 住宅ローン

住宅ローン申し込みの流れ~まとめ~住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

住宅ローン申し込みの流れ -申し込みから融資実行までの手順を解説-

住宅ローンは申し込みから融資実行まで、いくつかのステップを踏む必要があり、ある程度の日数がかかります。物件の受け渡し日が確定しており、所定の日までに借り入れる必要がある場合は、その日数を計算した上で、事前審査をはじめ、住宅ローンの申し込み手続きを行うのがおすすめ
また、金融機関によっては事前審査に落ち、借り入れできないケースもあるため、住宅ローンの借入れを検討する際は、利用したい金融機関をいくつかピックアップした時点で、それぞれの金融機関に事前審査の申し込みをしておくと安心です。

住宅購入や、住宅ローンの借り入れを検討している方は、本特集を参考に、住宅ローンの申し込みから融資実行までの流れをしっかり確認し、必要なタイミングでスムーズに住宅ローンを組めるように準備しておきましょう。

著者 溝口 麻衣

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。住宅ローン申し込みの流れについての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。