住宅ローン 選び方知らないと損する住宅ローンの新常識

知らないと損する住宅ローンの新常識

知らないと損する住宅ローン6つの常識知らないと損する住宅ローンの新常識

特集第1回では住宅ローンの基礎について解説いたしました。今回は現在住宅ローンを検討されている方、これから検討される方を対象に、知らないと損する住宅ローンの常識についてご説明していきたいと思います。

知らないと損する住宅ローンの新常識

住宅ローンは組み方一つで生涯の返済額が数百万円単位で変わってくることがあります。つまり、住宅ローンの選択は、あなたのそしてご家族の人生設計を大きく左右する可能性があるのです。だからこそ住宅ローン選びに決して妥協してはいけません。

以下は住宅ローン選びに必ず役立つ6つの常識です。これから住宅ローンの借り入れ、借り換えを検討している方はしっかりと憶えておきましょう!

常識その1住宅ローン商品は金融機関によって金利・手数料に大きな差がある

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と民間の金融機関が提携し、提供するフラット35と、銀行等の金融機関が個別に用意している住宅ローン商品に違いがあることはご存知の方も多いと思いますが、同じ住宅ローン商品でも金融機関毎に金利や手数料に大きな差があることをみなさんはご存知でしょうか?

以下の表は、住宅ローン比較が実施している調査で、常に利用者から高い評価を獲得している住信SBIネット銀行、ソニー銀行、イオン銀行の主な金利と手数料、またメガバンク最大手、三菱東京UFJ銀行の主な金利と手数料、フラット35の中で最も金利と手数料が低い楽天銀行のフラット35、新たにサービスの提供を開始し、独自のサービスが注目を集めているauじぶん銀行の主な金利と手数料をまとめたものです。

金融機関 主な金利2024年3月時点 事務手数料
住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)
  • 変動0.32
  • 当初2年固定0.28
  • 当初10年固定0.97
2.20%(税込)
イオン銀行 住宅ローン
  • 変動0.38(物件価格の80%以内での借り入れの場合)
  • 当初3年固定0.90
  • 当初10年固定1.49
2.20%(税込)
ソニー銀行 住宅ローン※変動セレクト住宅ローン選択時
  • 変動0.397(新規購入の場合)
  • 3年固定1.288
  • 10年固定1.560
2.20%(税込)
三菱東京UFJ銀行 住宅ローン
  • 変動0.345%~
  • 当初10年固定0.98%~
33,000円(税込)
楽天銀行 フラット35
  • 15-20年固定1.36
  • 21-35年固定1.84
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
1.10~1.430%(税込)
auじぶん銀行 住宅ローン
  • 変動0.319 ※新規借入れ
  • 当初2年固定0.730
  • 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
2.20%(税込)

こちらの表を見ても各社の住宅ローンの金利と手数料に、大きな違いがあることがご理解頂けるかと思います。住宅ローンの借り入れ、借り換えを検討している方は、各社の住宅ローン金利と手数料をしっかり比較し、できるだけ有利な条件で借り入れできるものを選びましょう。

常識その2住宅ローンは現在の金利が適用されるとは限らない

住宅ローンの金利は一般的には毎月月初に変更されます。しかし例えば2016年2月1日に10年固定金利1%と発表されたからといって、2016年2月に申し込んだ全ての人にこの金利が適用される訳ではありません。原則として、全ての金融機関が住宅ローン金利は融資実行月のものが適用されるようになっているため、2月に申し込んでも3月に融資が実行されれば3月の金利が適用されることになります。

常識その3返済途中で金利が変わってしまうことがある

フラット35などの長期固定型住宅ローンを借り入れている場合、返済が終了するまで金利は変わりませんが、変動金利や短期固定型の住宅ローンの場合、固定期間終了後、住宅ローン金利が変わります。金利が変動する住宅ローンの場合、金利低下局面では返済額の減少というメリットを享受できますが、金利上昇局面では返済額が増加する可能性があります。

ここ数年、住宅ローン金利が非常に低い状況が続いていますが、この状況が永遠に続く訳ではありません。将来は金利が上昇する可能性が高いという事を念頭におき、中長期固定型住宅ローンで返済計画を立てる事が、最も安心できる住宅ローンの借り方と言えるでしょう。

常識その4住宅購入資金を全額借りられる訳ではない

住宅ローンを借り入れる場合、物件には抵当権が設定され、住宅ローンの返済ができなくなった場合は、物件の所有権が金融機関に移ります。ただ、物件は年数により価値が落ちていくため、金融機関は物件を売却したとしても残っている融資を回収できない可能性がでてきます。そのリスクを減らすため、金融機関では物件取得価格の全額を融資することはせず、最大80%が上限になっています。つまり、住宅ローンを借り入れる場合、物件価格の20%は現金が必要になるということを覚えておきましょう。

常識その5住宅ローンの審査に落ちることがある

住宅ローンを利用するには金融機関が行う審査を通過しなければいけません。住宅ローンは金融機関にとっても融資額が大きいため、審査は慎重に行われます。住宅ローン審査のポイントには以下のようなものがあります。

住宅ローン審査のポイント

1現在の収入 安定収入があるかどうか?また、金融機関が定めた最低年収に達しているかどうかもチェックされます。
2職業(勤務先) 職業や勤務先の業績等を確認します。職業、勤務先によっては金融機関からの融資が難しい場合があります。また、民間企業に比べ自営の場合、更に融資条件が厳しくなります。
3勤続年数 勤続年数の長さを確認します。勤続年数が短い場合はリスクが高いと判断され融資が難しい場合もあります。
4現在、過去のローン状況 カードローンや車のローンなど、住宅ローン以外のローンの状況をチェックします。過去支払いの遅延がある場合や、現在のローン残高が多い場合、融資が難しい場合があります。
5金融機関との取引状況※銀行の場合 銀行の住宅ローンの場合、その銀行への預金残高や給与振込み口座への設定の有無等を確認される場合があります。融資実行の条件として一定の預金や給与振込み口座への設定を依頼される場合もあります。

また住宅ローン審査は銀行等の民間金融機関が行う場合、条件が厳しく、公的な融資となる住宅金融支援機構と民間の提携融資となるフラット35等の場合、比較的融資が受けやすいと言われています。また、住宅ローンの中には東京スター銀行のスターワン住宅ローンのように自営業者や転職したばかりの人、派遣や契約社員にも融資を行ってくれるものもあります。

常識その6住宅取得は物件価格以外にもいろいろとお金がかかる

住宅取得は物件価格分の頭金と住宅ローンを組めば終わりという訳にはいきません。住宅ローンを組む際には各種諸経費が発生します。また、住宅取得後もマンションの場合、管理費や修繕積立金、駐車場代等の費用がかかる上に、毎年税金として固定資産税や都市計画税等も支払わなければいけません。

返済計画を立てる際は住宅ローンの返済額だけを考えるのではなく、これらの費用についても考慮しておきましょう。

知らないと損する住宅ローン6つの常識、いかがでしたでしょうか。

「住宅ローンを組むのは想像以上に大変そうだな~」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
住宅購入は多くの方にとって人生最大の買い物であり、夢でもあります。その夢を手に入れる訳ですから多少の苦労があるのは仕方がありません。

住宅購入前に住宅ローンのことをしっかりと勉強しておくことが、夢を現実にする第1歩と言えるでしょう。