金利タイプ別子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
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はじめに子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携し、取り扱う全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」。このフラット35には、子育て世帯を対象とした「フラット35子育て支援型」と呼ばれる金利優遇プランがあるのをご存知でしょうか?
フラット35子育て支援型を利用して住宅ローンを組むと、当初5年間の住宅ローン金利が年0.25%引き下げられることから、通常のフラット35と比べても、より有利な条件で住宅ローンを組むことが可能です。
子どもが生まれるタイミングや、子どもが幼稚園・小学校に入るタイミングに合わせて住宅購入を考えている場合、住宅ローンの返済負担を軽くするためにも、フラット35子育て支援型は上手く活用すべきプランといえるでしょう。
そこで今回は、フラット35子育て支援型注目。この商品の特徴や適用条件等についてわかりやすくご紹介します。
フラット35子育て支援型の借り入れを検討している方はもちろん、子育て支援が受けられる住宅ローンを探している方は、ぜひチェックしてみてください。
Memoフラット35には「子育て支援型」と「地域活性化型」がある
フラット35は、子育て世帯を対象とした「フラット35子育て支援型」のほかにも、都会を離れて地方に移住したい人や、故郷に戻って暮らしたいと考えている人向けに「フラット35地域活性化型」を用意しています。
このフラット35地域活性化型とは、地域活性化に積極的な地方公共団体が、住宅金融支援機構と連携し、提供するプラン。UIJターンなどを機に、対象地域にてフラット35地域活性化型で住宅ローンを組むと、当初5年間の住宅ローン金利が年0.25%優遇されます。
マイホーム購入を機に、地方への移住を考えている人は、フラット35地域活性化型を利用するのがおすすめです。
フラット35子育て支援型とは?子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
はじめに「フラット35子育て支援型」とはどういった住宅ローン商品なのか、その特徴を見ていきましょう。
フラット35子育て支援型とは?
2017年4月からスタートした子育て世帯を対象としたフラット35の金利優遇プラン。子育て世帯が、子育て支援に積極的な地方公共団体(※住宅金融支援機構と連携している地方公共団体)の該当地域で「フラット35子育て支援型」に申し込み、住宅ローン審査を通過すると、当初5年間の借り入れ金利が年0.25%優遇されます。
フラット35子育て支援型はフラット35と比較してどれくらいお得?
上記でご紹介したように、フラット35子育て支援型を利用すると、当初5年間の住宅ローン金利が年0.25%優遇されます。では、通常のフラット35の総返済額と比較した場合、どのくらいお得に住宅ローンを利用できるのでしょうか?
以下は、フラット35子育て支援型とフラット35の毎月の返済額および総返済額を試算したものです。
試算条件
- 借入額:3,000万円(※融資比率9割以下)
- 借入期間:35年間
- 住宅ローン金利:年1.27%(※参考金利:2019年6月時点。金利は毎月変動します。最新の金利は各金融機関のホームページにてご確認ください)
- 元利均等返済
- ボーナス返済なし
フラット35子育て支援型とフラット35を比較
フラット35子育て支援型 | フラット35 | |
---|---|---|
住宅ローン金利 |
|
全期間:年1.27% |
毎月の返済額 |
|
全期間:88,512円 |
総返済額 |
36,788,485円 ※フラット35との差額: -386,794円 |
37,175,279円 |
上記の表を見ると、フラット35子育て支援型と通常のフラット35とでは、フラット35子育て支援型の方が40万円近くお得に住宅ローンを組めることがわかります。
教育費をはじめ、子育てには何かとお金がかかるもの。40万円は決して小さな額ではありません。マイホーム購入を考えている子育て世帯であれば、住宅ローンを組む際、フラット35子育て支援型を候補に入れておくべきでしょう。
フラット35子育て支援型の利用条件子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
住宅ローンの金利優遇が受けられるフラット35子育て支援型ですが、その一方で、利用条件が厳しい点には注意が必要です。
ここでは、フラット35子育て支援型の利用条件についてわかりやすくご紹介します。
フラット35子育て支援型の利用条件 その1
物件を購入する地域の地方公共団体が住宅金融支援機構と連携している
フラット35子育て支援型は、フラット35を提供する住宅金融支援機構が、子育て支援に積極的な地方公共団体と連携し、提供している特別なプラン。
申し込み時には、物件を購入する地域の地方公共団体が発行する「【フラット35】子育て支援型・地域活性化型 利用者対象証明書」の提出が必要となっており、物件を購入する地域の地方公共団体が住宅金融支援機構と連携している場合のみ、フラット35子育て支援型を利用することができます。
フラット35子育て支援型の利用を検討する際は、物件を購入する地域の地方公共団体が住宅金融支援機構と連携しているかを、事前に確認しておきましょう。
もし、フラット35子育て支援型の対象外地域に住んでいるものの、住むエリアに特にこだわりがない場合は、対象地域の物件の中から条件を満たすものを探し、フラット35子育て支援型を利用するのも選択肢の1つです。
ちなみに、住宅金融支援機構と連携し、フラット35子育て支援型が利用できる地域の地方公共団体は、以下のページから調べることができます。
フラット35子育て支援型の利用条件 その2
住宅購入の目的
フラット35子育て支援型は、住宅購入の目的が、以下のいずれかの内容に当てはまる場合のみ利用することができます。
若年子育て世帯が住宅を取得する場合
… 子供の年齢など、対象となる子育て世帯の要件は、地方公共団体によって異なります。
若年子育て世帯と親世帯が同居または近居するために住宅を購入する場合
… 対象となる子育て世帯・親族世帯の家族構成、同居を行うために必要な住宅の要件、近居の場合の距離などは、地方公共団体によって異なります。
例神奈川県横浜市の場合
同居の場合
- 申請者の年齢が満50歳未満であること
- 満15歳以下の子(胎児を含む)と現に同居し扶養していること
近居の場合
- 申請者を含む三世代以上の直系親族が新たに3㎞以内に居住すること
- 申請者世帯またはこれと近居する直系親族世帯のいずれかの世帯において、満15歳以下の子(胎児を含む)と現に同居し扶養していること
フラット35子育て支援型の利用条件 その3
フラット35の利用条件を満たしている
フラット35子育て支援型を利用する際は、融資基準(審査基準)や対象住宅、技術基準等、フラット35の利用条件を満たしている必要があります。
フラット35の利用条件についても、しっかり確認しておきましょう。
フラット35の融資基準(審査基準)
- 申し込み時の年齢が70歳未満の方、最終返済時80歳未満の方(親子リレー返済を利用する場合は、70歳以上の方の申し込みも可)
- 日本国籍または永住許可を有する方
- 年収に占めるすべての借り入れの年間返済額(本件融資を含む)の割合(=総返済負担率)が下記基準を満たしている方
年収400万円未満の場合年間返済額が年収に占める割合:30%以下
年収400万円以上の場合年間返済額が年収に占める割合:35%以下
フラット35の対象住宅
- 住宅金融支援機構の定める技術基準に適合していることを証明する「適合証明書」の取得ができる住宅
- 店舗や事務所と併用した住宅の場合、住宅部分の床面積が全体の1/2以上であること
- 新築の場合、申し込み時点において、竣工から2年以内の住宅でまだ居住していない状態であり、住宅建設費(土地取得費を含む)または住宅購入価額が1億円以下(消費税込)の住宅であること
- 中古住宅の場合、申し込み時点において、竣工から2年を超えている住宅、または既に居住している住宅で住宅購入価額が1億円以下(消費税込)の住宅であること
フラット35 物件の技術基準
- 住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たし、検査を受けた物件であること
- 建築基準法に基づく検査済証が交付されていること
フラット35子育て支援型 利用のポイントと注意点子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
次に、フラット35子育て支援型を利用する際に知っておきたい利用のポイントと注意点をご紹介します。
フラット35子育て支援型 利用のポイント
フラット35子育て支援型は、「フラット35S」、「フラット35リノベ」と併用可能となっており、これらのプランと併用することで、さらに金利の優遇を受けることができます。より有利な条件で住宅ローンを借り入れたいと考えている方は、フラット35Sやフラット35リノベの情報もしっかりチェックしておきましょう。
ちなみに、「フラット35S」とは、所定の技術基準を満たした物件に対してフラット35の金利を一定期間優遇する住宅ローン商品。一方、「フラット35リノベ」は、中古住宅を購入して性能向上リフォーム(※1)を行う場合や、住宅事業者によって性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する場合、フラット35の金利を一定期間優遇する住宅ローン商品です。
- 性能向上リフォーム…省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性のいずれかの性能を一定以上向上させるリフォームのこと
フラット35とフラット35S、フラット35リノベをそれぞれ併用した場合に適用される優遇金利は以下の通り。
※対象物件の技術基準レベルによって、「金利Aプラン」が適用される場合と、「金利Bプラン」が適用される場合があり、「金利Aプラン」の方が、技術基準レベルがより高い場合に適用されます。
「フラット35子育て支援型」と「フラット35 S」を併用した場合
利用プラン | 優遇金利 |
---|---|
フラット35子育て支援型 + フラット35 S(金利Aプラン) |
|
フラット35子育て支援型 + フラット35 S(金利Bプラン) |
|
- 2020年3月31日までの申し込み受付分に適用
「フラット35子育て支援型」と「フラット35 リノベ」を併用した場合
利用プラン | 優遇金利 |
---|---|
フラット35子育て支援型 + フラット35 リノベ(金利Aプラン) |
|
フラット35子育て支援型 + フラット35 リノベ(金利Bプラン) |
|
- 2020年3月31日までの申し込み受付分に適用
フラット35子育て支援型と上記でご紹介したフラット35S、フラット35リノベを併用することで、さらに金利が優遇され、住宅ローンの返済負担を軽減できる点は、必ずチェックしておきたいポイントの1つです。
フラット35子育て支援型の注意点
金利優遇が受けられるフラット35子育て支援型ですが、以下の場合、利用できない点には注意が必要です。
- 借り換えでは利用できない
- 住宅金融支援機構・地方公共団体のそれぞれに予算があり、予算に達した場合は、申し込み期間中であっても、受付を終了する
(→フラット35子育て支援型を利用する場合は、できるだけ早めの申し込みがおすすめ)
フラット35子育て支援型を取り扱うおすすめの金融機関子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
本チャプターでは、フラット35子育て支援型を取り扱うおすすめの金融機関をご紹介します。それぞれの金融機関の特徴をチェックし、家庭に合ったところを選びましょう。
ARUHI フラット35
14年連続、フラット35のシェアNo.1を誇るARUHIの長期固定型住宅ローン。※1 全国に130以上(※2023年3月末時点)の実店舗を展開しており、対面で住宅ローンに関する様々な相談をすることができる。
ARUHI フラット35は、数あるフラット35提携住宅ローンのなかでも、最低水準の金利を実現。※2 さらに、フラット35子育て支援型の利用にも対応しており、子育て世帯はより有利な条件で住宅ローンを組むことができる。
また、Webからの新規借り入れで、取扱い事務手数料が借入れ金額の2.20%(税込)から1.10%(税込)に優遇される ※3 ※4 ほか、全国1,000以上の金融機関から返済口座を選択できる等、利便性の高いサービスを提供している点も大きな魅力。
ARUHI フラット35は、フラット35子育て支援型の利用を検討する際、ぜひ候補に入れておきたい。
- 1. 2010年度-2023年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2024年3月末現在、ARUHI調べ)
- 2. 【フラット35】業界最低水準(ただしスタンダードタイプの場合)。ARUHI 調べ。
- 3. ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
- 4. 最低事務手数料220,000円(消費税込)
住信SBIネット銀行 フラット35
数ある金融機関のなかでも、トップクラスの実績と利用者からの高い満足度を誇る住信SBIネット銀行のフラット35。業界最低水準の住宅ローン金利を実現していることに加え、フラット35子育て支援型の利用にも対応しており、有利な条件で住宅ローンの借り入れができる。
住信SBIネット銀行 フラット35では、2019年4月より、Webからの事前審査申し込み(※新規借り入れ)で、取扱い事務手数料を借入金額の2.20%(税込)から1.10%(税込)に引下げ。借り入れ時の諸費用を抑えることができる。さらに、借入金額の0.54%(税込)を取り扱い事務手数料に上乗せすることで、全疾病保障を付帯できる点もチェックしておきたい。
また、保証料、繰り上げ返済手数料が無料となっているほか、申し込みから融資実行までの手続きがWeb上で完結する点も大きな魅力。
フラット35子育て支援型の利用を希望する子育て世帯にとって、住信SBIネット銀行は有力な選択肢の一つといえるだろう。
コラム子育て世帯におすすめの住宅ローン
数ある住宅ローン商品の中には、子育て支援サービスが住宅ローンの特典として付帯するものがあり、子育て世帯を中心に人気を集めています。
フラット35子育て支援型は、対象地域や予算金額、利用条件が決まっており、利用したいと思っていても、希望通りに借り入れができないケースもあるため、マイホーム購入を検討している子育て世帯は、特別な制限なく子育て支援サービスが利用できる住宅ローンも、併せてチェックしておくのがおすすめです。
SBI新生銀行 住宅ローン
利便性の高さと充実したサービス内容に定評があるSBI新生銀行の住宅ローン。
SBI新生銀行では、通常の取り扱い事務手数料(税抜10万円)に5万円(税抜)をプラスすることで、住宅ローンに「安心パックW」を付帯。「安心保障団信」や「コントロール返済(※一部繰り上げ返済を利用して返済期間を短くした分、通常の支払いを休むことができる返済方法)」に加え、子供が急な発熱や軽い病気にかかった場合に専門の保育スタッフが子供を預かる「病児保育サービス」や、家事のプロによる「家事代行サービス・ハウスクリーニングサービス」を利用することができる。特に、「病児保育サービス」や「家事代行サービス・ハウスクリーニングサービス」が利用できる点は、家事・育児に忙しい共働きの子育て世帯にとって、嬉しいポイント。
また、保証料、繰り上げ返済手数料が無料となっているほか、取扱い事務手数料に定額制を採用しており、諸費用を安く抑えられる点もSBI新生銀行の住宅ローンの魅力の一つ。
SBI新生銀行は、子育て支援サービスが利用できる住宅ローンを検討する際、ぜひ候補に入れておくべき商品であることは間違いない。
子育て世帯におすすめの住宅ローン ~まとめ~子育て世帯におすすめの住宅ローン -フラット35子育て支援型とは?
フラット35子育て支援型を利用すれば、通常のフラット35を利用した場合と比べても、有利な条件で住宅ローンを組むことが可能です。子育てには何かとお金がかかるため、フラット35子育て支援型を利用することで、住宅ローンの返済負担を軽くできる点は、子育て世帯にとって、嬉しいポイントといえるでしょう。
また、フラット35子育て支援型が利用できるのは、子育て支援に積極的な地域となっており、子育て環境の整備や、財政支援を行っているところがほとんど。住宅ローンの金利優遇以外にも、様々なメリットが受けられる点も魅力です。
マイホームの購入を検討している子育て世帯は、「子育て支援」の点にも注目し、フラット35子育て支援型をはじめ、できるだけ有利な条件で借り入れできる住宅ローンを選びましょう。
著者 溝口 麻衣
Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。主な執筆ジャンルは英会話、格安SIM、住宅ローン、保険、エンタメ。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指して、日々原稿を執筆中。御朱印集めと北欧関連の情報収集が好き。