住宅ローンニュース変動金利はコロナ後どう動く?仕組みとリスク、見直しのポイントとは?

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約6割のユーザーが選択している変動金利。コロナ後はどうなる?住宅ローン比較 最新ニュース 第72回

日本では住宅ローン利用者の約6割が変動金利を選択していると言われています。この比率はここ数年、ほとんど変わりがありません。その理由は、日銀が金利を長くゼロ近辺に抑え込んでおり、変動金利なのに金利がほとんど変わらない状況がずっと続いているからです。

では変動金利は、コロナ後もこのまま低位安定したままなのでしょうか?住宅ローン比較 編集部は、徐々に金利上昇リスクが高まってきていると考えています。

そう考える理由の1つは、ネット銀行の中でも住宅ローン金利の低さに定評がある住信SBIネット銀行が、2020年4月に実施した変動金利の引き上げです。

住信SBIネット銀行は、変動金利を下げることはあっても、引き上げることはここ10年ありませんでした。その住信SBIネット銀行が変動金利を引き上げたということは、将来金利が不安定になることを示唆しています。

コロナ後の変動金利は、下落する可能性よりも上昇する可能性のほうが高いというのが、編集部の見解です。

今回の住宅ローン比較のニュースは、変動金利が決まる仕組みとそのリスクを解説。見直しのポイントについても説明しているので是非最後までチェックしてみてください。

住宅ローンの変動金利が決まる仕組みとは?

住宅ローンの変動金利が決まる仕組みとは?

みなさんは住宅ローンの変動金利が、どのような理由で決まっているのかをご存知でしょうか?

固定金利は日本政府が発行する10年国債の利回りをベンチマークにしているのに対して、変動金利は各金融機関が設定している短期プライムレートという指標をベースに、金利が決まります。つまり、短期プライムレートが今後上がると考えている金融機関の変動金利は上がり、下がると考えている金融機関の変動金利は、下がることになります。

短期プライムレートは2009年1月から2020年6月現在まで、10年以上1.475%に設定されていますが、2020年に入り、住信SBIネット銀行をはじめ、いくつかの金融機関が変動金利を引き上げています。たとえ短期プライムレートが変わらなくても、変動金利は多少変動するということも憶えておきましょう。

住宅ローンの変動金利を利用するリスクとは?

住宅ローンの変動金利を利用するリスクは、金利が上昇すると、その分総返済額が増えていく点です。金利が大幅に上昇すると、総返済額が数百万どころか1千万円単位で増える可能性があります。変動金利は、本来金利が上下するから変動金利と呼ばれているのです。日本は長期間低金利が続いていますが、それが未来永劫続く訳ではありません。

むしろ、現在の低金利は徐々に限界に近付いていると考えるべきです。変動金利には低金利で住宅ローンを借り入れできるというメリットだけではなく、それ相応のリスクがあるということも憶えておきましょう。

  • 変動金利の主なリスク
  • 金利が上昇すると総返済額が増加する
  • 金利が上昇すると毎月の返済額が増えるので、生活への影響が大きい
  • 増加した返済額に耐え切れずに、返済を滞納すると物件を差し押さえられるリスクがある

住宅ローンの変動金利を見直すポイントとは?

住宅ローンの変動金利を見直す場合の選択肢は1つ。固定金利に借り換える他ありません。重要なのは固定金利に借り換えるタイミングとどの程度の期間、固定するのかという点でしょう。

借り換えるタイミングに関しては、金利が低ければ低い程良い訳ですが、日本の金利は既に0%近辺で推移しており、これ以上下がる余地はありません。つまり借り換えのタイミングはいつでもOK。むしろ金利上昇がいつ起こるかわからないため、早ければ早い方が良いでしょう。

次はどの程度の期間、固定するのかという点です。住宅金融支援機構が実施した2019年度民間住宅ローンの貸出動向調査によると、住宅ローンの契約期間の平均は26.7年となっています。

その一方で実際に完済するまでの期間は15.7年になっています。

これはつまり、多くのユーザーが25年を超える期間で住宅ローンの借り入れを行い、実際には一部繰り上げ返済を駆使することで、約16年で返済を終えているということになります。

変動金利から固定金利に借り換える際、どの程度の期間にするのかというヒントがここにあります。固定金利に借り換える際は、毎月の返済と一部繰り上げ返済の金額から、どの程度の期間であれば、無理なく完済することができるかを考え、期間を決定すれば良いのです。
固定金利は毎月の返済額が変動しないので、シミュレーションもしやすいはず

現在の収入や借り入れ金額によっても期間が変わってくるので、気になる住宅ローンが見つかったらシミュレーションツールを利用し、計算してみると良いでしょう。

著者・監修 早川 聡

著者・総監修 早川聡

住宅ローン含め、金融の専門家(プロ)として様々な記事を執筆しており、最新の金利動向の記事執筆を担当。世界経済の動向を踏まえた金利分析と予測の精度に定評がある。住宅ローン金利の動向に関しては日本経済新聞からの取材を受けた経験あり。