不動産査定不動産売却の流れと成功のコツ。高く売るためには?
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はじめに不動産売却の流れと成功のコツ。高く売るためには?
近年、生活環境の変化に伴う住宅の買い替えや住み替え、不動産市場の高騰等を理由に不動産売却を検討する方が増えています。(※ちなみに住宅ローン返済期間中でも、残っている住宅ローンを一括返済できれば、不動産を売却することは可能です)
不動産売却には大きなお金が動きます。大切にしてきた不動産を売却するのですから、「できるだけ高く売りたい」「失敗したくない」と考えるのは当たり前のこと。
ただ、不動産は、何の知識もなく高値で売却できるほど簡単ではありません。不動産会社に足元を見られないためにも、不動産売却の流れをしっかりと把握し、それぞれのステップでしっかりとコツをつかんでおくことが大切です。
そこで今回の特集では、「不動産売却」について徹底解説。不動産売却を成功させるためのコツを不動産売却の流れとともにわかりやすく解説します。
不動産売却を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次 【不動産売却の流れと成功のコツ。高く売るためには?】
不動産売却の流れ不動産売却の流れと成功のコツ。高く売るためには?
はじめに、不動産売却の大まかな流れと目安となる期間について見ていきましょう。
不動産売却の流れと目安となる期間
不動産売却の流れ | 目安となる期間 |
---|---|
Step1不動産査定 | 約1か月程度 |
Step2不動産会社選び・媒介契約 | |
Step3内見・売却活動 | 約1~3か月程度 |
Step4買主との売買契約 | |
Step5物件の引き渡し | 約1~2か月 |
上記の表からもわかるように、不動産査定(不動産売却の検討)から物件の引き渡しまでには通常3~6か月程度かかります。
不動産売却を検討する際は、売却にかかる期間についても事前に把握しておくことが大切です。
不動産売却の流れと成功のコツ不動産売却の流れと成功のコツ。高く売るためには?
本チャプターでは不動産売却の流れをステップ順にご紹介します。重要なポイントには、不動産売却を成功させるためのコツについても記載しているので、併せてチェックしましょう。
不動産売却の流れ Step1不動産査定
まず、売却を検討している不動産(物件)がいくらくらいで売れるのか、不動産会社に査定を依頼し、相場を調べます。現在の主流は複数社からまとめて査定を取得できる「不動産一括査定サイト(不動産無料査定サイト)」の活用です。
不動産査定 成功のコツ その1:不動産査定は複数社に依頼する
不動産を査定する際は、複数の不動産査定会社に依頼することが大切です。その理由は、不動産査定会社によって得意とする物件や地域に差があり、同じ物件でも、不動産査定会社によって査定価格が異なるため。
複数の不動産査定会社に依頼すれば、査定結果を比較・検討でき、より良い条件で売却できる不動産会社を見つけることが可能です。
査定結果によっては査定価格に数百万円の差が出るケースもあるため、不動産査定を行う際は、複数社に依頼し、査定結果をしっかりと比較した上で、自分に合った不動産会社を見つけましょう。
不動産査定 成功のコツ その2:不動産一括査定サイトを活用する
不動産の査定を依頼する際は、「不動産一括査定サイト」を利用するのも高値での売却を実現するうえで、押さえておきたいポイントです。
不動産一括査定サイトとは、「エリア」や「物件の種類」「査定方法」等、必要な情報を入力すると、複数の不動産会社に一括で査定依頼ができる無料のWEBサービス(サイト)のこと。このサービスを利用して不動産査定を依頼すると、簡易の査定結果がメールや郵送等で届き、査定価格を簡単に比較・検討することができます。
ただし、不動産の所在地によっては、そのエリアが不動産一括査定サイトと提携している不動産会社の対象エリア外となっているケースがあるため注意が必要。不動産一括査定サイトを利用する際は、対象エリアについてもしっかりと確認しておきましょう。
おすすめの不動産一括査定サイト
HOME4U(ホームフォーユー)
査定対象 | マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、店舗・事務所・倉庫、その他 |
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査定対象地域 | 全国 |
HOME4Uの特徴 |
HOME4U(ホームフォーユー)は、NTTグループの「NTTデータスマートソーシング」が運営する国内初・日本最大級の不動産一括査定サイト。東京建物不動産販売、京成電鉄不動産、大成有楽不動産販売、住友林業ホームサービス等、全国約1,300の不動産会社と提携している。 HOME4Uでは、所在地や物件情報等を入力するだけで、無料で査定の申し込みが可能。ちなみに情報の入力にかかる時間は最短60秒と短く、簡単に物件の査定を依頼することができる。 また、実際に査定してもらう不動産会社は最大6社まで自分で選ぶことができ、選ばなかった不動産会社から一切連絡が来ない点も嬉しいポイントといえるだろう。 さらに、個人情報保護のために「プライバシーマーク」を取得しており、第三者に個人情報が公開されることは一切なく、安心して利用できる点も魅力。 |
すまいValue
査定対象 | マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、その他 |
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査定対象地域 | 全国 |
すまいValueの特徴 |
すまいValueは、三井のリハウス、野村の仲介、住友不動産販売、東急リバブル、三菱地所ハウスネット、小田急不動産の大手不動産会社6社が共同運営する不動産一括査定サイト。 すまいValueでは、所在地や物件情報を入力すると、無料で査定の申し込みが可能。査定結果は、最大6社から受け取れ、簡単に査定価格を比較することができる。 また、具体的な売却スケジュールが決まっておらず、すぐに売るつもりがない物件の査定にも対応。 さらに、すまいValueユーザーを対象に実施したアンケートによると、96.7%がトラブルなく「安心」「安全」に取引できたと回答しており、ユーザーからの高い評価を獲得している点も大きな魅力といえるだろう。 不動産売却を検討する際、すまいValueは、ぜひ利用を検討したい不動産一括査定サイトの一つ。 |
不動産売却の流れ Step2不動産会社選び・媒介契約
査定結果を踏まえ、数社の不動産会社と対面で交渉した上で、実際に売却を依頼する不動産会社を1社または数社に絞り込み、選んだ不動産会社と媒介契約を締結します。
不動産会社選び 成功のコツ:信頼できる不動産会社と契約する
希望の価格や条件で物件を売り、不動産売却を成功させるためには、どの不動産会社と媒介契約を締結するかがとても重要です。
ちなみに必ずしも、「査定価格が高い不動産会社=良い不動産会社」とは限りません。不動産会社を選ぶ際は以下のポイントをチェックし、信頼できる不動産会社を選びましょう。
不動産会社を選ぶ際のポイント
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自分の不動産と類似した物件での売却実績があるか/そのエリアでの売却実績があるか
売却実績には、その不動産会社の得意分野が反映されます。不動産会社によって得意とする物件やエリアが異なるため、不動産会社の売却実績をしっかり確認しておくことが大切です。 -
査定価格の根拠が明確か
自分の不動産と類似した物件での売却実績や、そのエリアでの売却実績があれば、過去の実績を踏まえて査定価格を算出しているため、査定価格の根拠が明確です。
査定価格について詳しい説明がなかった場合は、不動産会社に質問し、査定価格の根拠を説明してもらいましょう。 -
担当者との相性
担当者との相性・信頼関係も不動産会社を選ぶ上で重要なポイント。何か不明な点があれば気軽に相談できるか、連絡のやり取りがスムーズか等を確認しておくことが大切です。
媒介契約 成功のコツ:自分に合った媒介契約を選ぶ
不動産会社を決め、正式に売却を依頼する際は、その不動産会社と「媒介契約」を締結します。
媒介契約とは、仲介業務に関するトラブルを防ぐため、「どのような条件で物件の売却活動を行うか、売買契約が成立した場合の仲介手数料はどうするか」といった内容について、依頼主と不動産会社の間で交わされる取り決めのこと。
この媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、契約によって、買主の探し方や契約期間等が異なります。
ちなみに複数の不動産会社に競合してもらい、幅広い選択肢のなかから買主を見つけたい場合は、複数社に不動産売却の依頼ができる「一般媒介契約」を選択するのがおすすめ。
信頼できる不動産会社にじっくり買主を見つけてもらいたい場合は、一社のみに不動産売却を依頼できる「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を選ぶと良いでしょう。
不動産売却を成功させる際は、各媒介契約の特徴を比較し、自分に合った契約を選ぶことが大切です。
媒介契約の種類と特徴
一般媒介契約(※1) | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
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契約する不動産会社の数 | 複数社 | 一社のみ | 一社のみ |
売主側で買主を探す | 〇 | 〇 | × |
契約期間 | 法律上の規定なし ※3か月が一般的 |
3か月 | 3か月 |
販売状況の報告 | 法律上の規定なし (任意で報告を求めることは可) |
2週間に1回以上 (法定義務) |
1週間に1回以上 (法定義務) |
レインズ(※2)登録義務 | 登録義務なし | 契約締結日の翌日から7日以内 | 契約締結日の翌日から5日以内 |
- 一般媒介契約…一般媒介契約には、「明示型」と「非明示型」の2種類がある。「明示型」は、仲介依頼中の不動産会社の情報を他の不動産会社にも共有することが可能。「非明示型」の場合、他社との契約状況を共有する義務はない。
- 不動産流通標準情報システム(Real Estate Information Network System)のこと。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するコンピューターネットワークシステム。
媒介契約に関するワンポイント
上記の表からもわかるように、いずれの媒介契約も契約期間は「3か月」が一般的。ただし、媒介契約を締結した不動産会社の動きが悪い場合は、契約更新の際に契約期間を1か月などの短期間に設定して様子を見、問題があれば不動産会社を乗り換えるのも一つの方法です。
不動産売却の流れ Step3内見・売却活動
物件の売却活動を開始します。週末を中心に、物件の購入検討者が内見に来るため、事前にしっかり準備を進めておくことが大切。
また、物件の購入希望者が現れた場合は、不動産会社仲介のもと、価格交渉を行います。
内見・売却活動 成功のコツ その1:物件の第一印象アップを心がける
家の第一印象は、買主(購入検討者)の購買意欲を大きく左右します。事前に室内の掃除や片付け、庭がある場合は庭の手入れなどを行い、家の第一印象アップを心がけましょう。
不動産会社のなかには、売却物件に対して無償のホームクリーニングを提供しているところもあるので、必要に応じて上手く活用するのもおすすめです。
また、修繕箇所やリフォーム済みの箇所がある場合は、その部分を説明できるようにしておくことも大切なポイント。住宅性能評価・耐震基準適合証明なども準備しておくと安心です。
内見・売却活動 成功のコツ その2:売出価格の設定
物件に適切な売出価格を設定することも、売却活動を成功させるコツの一つ。周辺の相場観を考慮し、適切な売出価格を設定しましょう。
その際、できるだけ高く売りたいからといって売出価格を高く設定してしまうと、なかなか買い手が現れず、時間のロスにつながります。売出価格は、相場の10%程度高い価格に設定しておくのがおすすめです。
また販売開始後、問い合わせが全く入らない場合は、媒介契約を行っている不動産会社がどのような売却活動を行っているのかを確認しましょう。もし売出価格に問題がある場合は、価格を下げるのも選択肢の一つです。問い合わせが全く入らないということは、何らかの問題が起こっているということを憶えておきましょう。
内見・売却活動 成功のコツ その3:価格交渉
ほとんどの不動産売却において発生する購入希望者との価格交渉も、売却活動を成功させる際に押さえておきたいポイントです。
価格交渉を成功させるには、相場の10%程度高い物件価格で売りに出し、そこから交渉を行い、落としどころを見つけるのがおすすめ。ちなみに価格交渉の際、弱気になる必要はありませんが、強気になりすぎないことも大切です。相手の出方を見つつ、双方が納得できる合意点を見つけましょう。
交渉がなかなか進まない場合は、不動産会社に支払う仲介手数料を減額してもらうのも選択肢の一つ。不動産会社も取引を成立させたい場合、仲介手数料の減額に応じてくれるケースも少なくありません。
また、価格交渉の際には、引き渡しの条件や引き渡し時期についても確認しておきましょう。
不動産売却の流れ Step4買主との売買契約
買主が決まった後は、売買代金の支払いや物件の引き渡し時期など、細部の調整を行い、契約内容を最終確認。
売主と買主との間で合意が得られた後に、売買契約を締結します。
不動産売却の流れ Step5物件の引き渡し
売主と買主の間で締結した売買契約の内容に従い、期日までに物件の引き渡しを行います。
まとめ不動産売却の流れと成功のコツ。高く売るためには?
不動産売却を成功させるためのコツを、不動産売却の流れとともに紹介した今回の特集はいかがでしたでしょうか?
不動産売却には大きなお金が動きます。だからこそ不動産を売却する際は、不動産会社や媒介契約など、重要なポイントでどういう選択をするかが重要なのです。不動産売却を成功させるためには、売却に至るまでの流れをしっかりと把握し、それぞれのポイントを押さえておきましょう。
その上で、信頼できる不動産会社を見つけ、売却活動に取り組むことができれば、相場よりも高く売れる可能性がグッと高まるはずです。
不動産売却を検討している方は、本特集を参考に、高く売るためのポイントをしっかり押さえ、不動産売却を成功させましょう!
著者 溝口 麻衣
Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。不動産売却の流れと成功のコツについての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。