基礎知識住宅ローンの頭金は絶対に必要? -頭金ありとなしの場合を比較してみる-

住宅ローンの頭金は絶対に必要?

住宅ローンを借入れる際は、一定の頭金があったほうが有利、と言われます。
一昔前まで、住宅ローンは物件価格の2割程度の自己資金がないと審査そのものに通らないケースも多く、頭金は事実上必須でした。
しかし、最近では住宅ローンにも様々なタイプが登場し、頭金不要で借入が可能なケースも増えています。

そこで今回は、「住宅ローンの頭金」をテーマに、頭金は本当に必要なのか、頭金がある場合とない場合の比較、頭金なしで住宅ローンを借入れる場合の注意点などを解説します。

頭金ありとなしの場合を比較してみる住宅ローンの頭金は絶対に必要? -頭金ありとなしの場合を比較してみる-

住宅ローンの頭金はあったほうが有利そう・・・と、なんとなく感じていても、具体的にどう有利になるのかは見当がつきにくいかもしれません。
まずは、頭金ありとなしのケースで、住宅ローンの資金計画がどのように変化するかを比較してみましょう。A.は、3,000万円の物件に対して2割の自己資金を用意し、1割を頭金に、1割を諸費用に充てた場合。B.は、自己資金ゼロの場合です。

A.頭金あり B.頭金なし
住宅ローン フラット35(借入期間:35年間)
物件価格 3,000万円
自己資金(頭金+諸費用) 600万円(物件価格の20%) 0円
借入額 2,700万円(自己資金300万円を充当し、物件価格から-300万円) 3,000万円(物件価格の全額を借入)
諸費用 213万400円(自己資金300万円を充当し、86万9,600円の余剰) 241万3,300円(別途用意する必要あり)
金利 1.12%(自己資金10%以上時の金利を適用) 1.56%(自己資金10%未満時の金利を適用)
毎月の返済額 77,736円 92,739円
総返済額 3,477万9,485円 4,136万3,727円
総返済負担率(年収に占める返済額の割合) 20.8% 24.8%

試算条件)契約者:35歳男性、共働き夫婦、世帯年収:800万円(夫:450万円、妻:350万円)、融資手数料1.08%、団信(1人)、火災保険50万円

表を見るとわかるように、A.では、1割の頭金を用意したことで、借入額が3,000万円から2,700万円に減っています。借入額が少なければ、借入額に対してかかる利息も少なくなるため、結果的に毎月の返済額や総返済額を抑えることが可能に
また、金融機関の事務手数料も、借入額に一定割合をかけて求める「定率制」の場合は、借入額の少ないほうが費用を抑えることができます。

さらに注意したいのは、住宅ローン金利です。フラット35や一部の民間住宅ローンでは、借入額の一定以上の頭金がある場合に住宅ローン金利が優遇されます。つまり、頭金を用意するだけで有利な金利での借り入れが可能となるのです。

住宅ローンの頭金を用意するメリット住宅ローンの頭金は絶対に必要? -頭金ありとなしの場合を比較してみる-

このように、住宅ローンの頭金には「返済額を減らす」「諸費用を節約する」、さらには「住宅ローン金利を引き下げる」といった様々なメリットがあります。

頭金のおもなメリット

  • 返済額を減らせる(毎月の返済額&総返済額)
  • (事務手数料が定率制の場合)諸費用を節約できる
  • (住宅ローンの種類によっては)住宅ローン金利の優遇を受けられる

また、上記のようなメリットを応用して、購入する物件や住宅ローンの返済期間に優位性を持たせることも可能です。
たとえば、500万円の頭金を用意するケースでは、借入額を3,000万円から2,500万円に減らすだけでなく、3,500万円にアップして、物件の選択肢を拡げることもできるようになります。あるいは、借入額を2,500万円に減らす場合、住宅ローンの返済期間を35年間ではなく、20年間に短縮することもできるでしょう。

頭金の+αメリット

  • 借入可能額を増やせる(=物件の選択肢が拡がる)
  • 住宅ローンの返済期間を短縮できる

頭金の目安は?

住宅ローンの頭金は、諸費用も含めて借入額の2割(20%)程度が目安と言われます。ただし、実際にいくらの頭金があれば有利になるかは、ケースバイケース。前述のような、自己資金割合に応じた金利優遇を設けている住宅ローンを利用するのであれば、より多くの頭金が必要になる場合もあります。諸費用についても、印紙代等のほぼ一定額の出費もあれば、事務手数料や火災保険料といった金融機関や保険商品ごとの差が大きい費用もあるでしょう。
頭金2割は、あくまで目安の数字です。頭金を用意することで「どのようなメリットを期待するのか」をはっきりさせたうえで、目的に沿った額を用意することが大切です。

頭金がなくても住宅ローンの借り入れは可能なのか?住宅ローンの頭金は絶対に必要? -頭金ありとなしの場合を比較してみる-

住宅ローンと就業不能リスク

頭金には多くのメリットがあることが判りましたが、それでは、頭金がない場合は住宅ローンを借りることは不可能なのでしょうか。
結論を言えば、頭金がゼロであっても、契約者の返済能力(年収、年齢、勤続年数など)や、物件価格によっては住宅ローンを借入れることが可能です。また、現在では諸費用を借入額に含められる住宅ローンも増えており、これらを活用することで、借り入れ当初に用意する自己資金を抑えることもできるでしょう。

しかし、少ない自己資金で住宅ローンを組む場合は、当然ながら、注意しなければならないこともあります。

頭金ゼロで住宅ローンを借入れる場合の注意点

注意点1 家計が破綻しない範囲に借入額を設定する

頭金ゼロで住宅ローンを借入れる場合に、もっとも注意しなければならないのは、住宅ローンが家計を圧迫し、返済できなくなる事態を避けることです。前述の通り、頭金が少ないと借入額と月々の返済額が膨らむため、家計に占める住宅ローンの割合も大きくなります。
購入当初は問題なく家計が回っていたとしても、子どもが成長して教育費がかかるようになったときなどに収支のバランスが崩れる家庭はめずらしくありません。住宅を購入すると、固定資産税などの税金も発生するうえ、マンションでは設備費や修繕積立費などの追加費用が、一戸建てでは数年から十数年ごとの修繕費用が発生します。また、現役世代にとっては老後に向けた貯蓄も必須でしょう。
これらの未来に予想される支出を見積もったうえで、家計が耐えられる範囲内で借入額を決めるのが、住宅ローン選びの鉄則です。頭金ゼロの場合はもちろんのこと、頭金を用意する場合であっても、返済額と家計のバランスを考慮することは欠かせません。

注意点2 売却リスクが高まることを理解する

また、住宅ローンの頭金には、万一返済ができなくなった場合に、住宅を売却して債務を清算しやすくする効果もあります。住宅を売る場合、物件の価値よりも多くの住宅ローン残高があると、超過分を現金で支払わなければ売却することができません。
しかし、住宅の販売価格には、ハウスメーカーや不動産会社の利益分が上乗せされています。つまり、建物本来の価値は、購入価格よりも少ないケースがほとんどでしょう。そのため、頭金を用意せずに、物件価格の全額を住宅ローンで借り入れると、必然的に売却時の建物価値よりも住宅ローンの残債のほうが大きくなり、売却リスクが高まるのです。

住宅ローンの頭金は万能ではない住宅ローンの頭金は絶対に必要? -頭金ありとなしの場合を比較してみる-

住宅ローンと就業不能リスク

住宅ローンに関する様々なメリットとリスクを比較すると、頭金はゼロよりも用意したほうが有利になるケースが多いでしょう。
ただし、頭金は万能ではありません。たとえば、住宅ローンの借入額を少なくするために、すべての貯金を頭金に使ってしまえば、生活費や教育費、万一の事故や入院などに備える生活予備費等が足りなくなる可能性があります。

また、頭金や諸費用を貯めるには、一定の時間も必要です。たとえば、住宅ローン金利が上昇しかけているとき、自己資金が貯まるのを待って住宅購入を先延ばしにすると、貯金の額以上に金利が高くなってしまう可能性もあるでしょう。金利が0.44%上昇すれば、35年固定のフラット35の場合で、総返済額は650万円以上もアップします。頑張って自己資金を650万円貯めたとしても、その苦労は水の泡となり、頭金のメリットを享受することもできません。

そのため、住宅ローンを借入れる場合は、頭金の重要性と頭金ゼロのリスクを理解したうえで、頭金や諸費用にとらわれ過ぎないことも大切です。必ず一定の現金を確保したうえで、住宅ローンの金利動向を見つつ、住宅購入のタイミングを見極めましょう。

ネット銀行が取り扱う住宅ローンの中には、契約時にかかる諸費用を借入額に含められるものが少なくありません。住宅購入のタイミングを逃さないためにも、自己資金が少ないケースに対応している、これらの住宅ローンもチェックしてみてはいかがでしょうか。

イオン銀行 住宅ローン

イオン銀行 住宅ローン

特徴 変動金利型と期間固定型の住宅ローンを扱う。住宅ローン保証料・団体信用生命保険料・一部繰り上げ返済手数料が無料。イオン店内に展開する実店舗では土日祝日も住宅ローン相談に対応。契約者向け特典として、イオンやマックスバリュなどのイオングループでの買い物が常時5%OFFになる(5年間。年額45~90万円上限)。
住宅ローンに上乗せ可能な諸費用 取扱手数料、火災保険料、登記費用、印紙代、不動産仲介手数料、修繕積立基金、水道加入負担金、借り換え時に発生する諸費用
金利
  • 変動0.57
  • 当初10年固定0.69

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じぶん銀行 住宅ローン

じぶん銀行

特徴 変動金利型と期間固定型の住宅ローンを扱う。住宅ローン保証料・団体信用生命保険料・一部繰り上げ返済手数料が無料。契約書類等のペーパーレス化により、住宅ローンの申込から契約までをネットで完結できる。がんと診断された場合に住宅ローン残高の50%が支払われる「がん50%団信」を金利上乗せなしで付帯可能。
住宅ローンに上乗せ可能な諸費用 印紙税、登記にかかる登録免許税・司法書士・土地家屋調査士の手数料、事務手数料、火災保険料、地震保険料、不動産仲介手数料、引越し費用
金利
  • 変動0.497
  • 当初10年固定0.590

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