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ネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?落ちた場合の対処法

ネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?ネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?落ちた場合の対処法

住宅ローンを比較・検討する際に、借り入れ金利が低いネット銀行の住宅ローンを候補に入れている方は多いのではないでしょうか。
特に、変動金利型や、期間固定型(5年固定、10年固定等)の住宅ローンを希望する場合、ネット銀行の金利は、ほぼ最低水準となっており、他の住宅ローンと比較しても大きな魅力があります。
また、がんなどの疾病保障を無料で付帯できる点や、資金移動の際の手数料優遇が充実している点も、ネット銀行の住宅ローンが注目される理由の1つです。

このように、契約者に有利なサービスを多数提供しているネット銀行ですが、SNSを始めとしたインターネット上では、「住宅ローン審査が厳しい」という声も少なくありません。


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そこで今回は、「ネット銀行の住宅ローン審査」をテーマに、ネット銀行の住宅ローン審査が厳しくなる理由と、本審査に落ちた場合の対処法を解説します。
有利な水準で借り入れできるネット銀行で住宅ローンを組みたいと考えている方は、ぜひ最後までチェックして下さい!

ネット銀行の住宅ローン審査が厳しい理由ネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?落ちた場合の対処法

ネット銀行の住宅ローン審査が厳しい理由

ネット銀行の住宅ローン審査が通りにくいと言われるのは、メガバンクなど従来型の銀行と比較した際、以下の3つの点に違いがあるためです。

  • ネット銀行の住宅ローン審査が厳しい理由
  • 1. 保証会社を利用していない
  • 2. メガバンクや地方銀行と比較すると資金規模が小さい
  • 3. すべての住宅ローン審査を非対面で行う

ネット銀行の住宅ローン審査が厳しい理由 1
保証会社を利用していない

保証会社とは、住宅ローンの返済が滞った場合に契約者(債務者)に代わって返済を立て替える機関です。

万一の債務不履行リスクに備えて、メガバンクを始めとしたほとんどの実店舗型の銀行では、住宅ローンの契約に際して保証会社を利用しており、契約者は銀行を通して保証会社に「住宅ローン保証料」を支払います

一方、ネット銀行の多くは保証会社を利用していません。そのため、契約者は住宅ローン保証料を支払う必要がない代わりに、万一の不払いリスクはネット銀行自身が負うことになります
このように、自身が背負っている債務不履行のリスクを緩和するため、ネット銀行では契約者の自己資金(頭金)の割合や、年収に占める年間返済額の割合(返済負担率)を、特に厳しくチェックする傾向があるのです。

ネット銀行の住宅ローン審査が厳しい理由 2
メガバンクや地方銀行と比較すると資金規模が小さい

ネット銀行の資金規模は、実店舗型のメガバンクや地方銀行と比較すると小さい点が特徴です。

たとえば、2022年3月時点の全銀行の預金残高を比較すると、ネット銀行でもっとも資金規模の大きい「楽天銀行」と「住信SBIネット銀行」であっても、全銀行中トップの「ゆうちょ銀行」、および2位の「三菱UFJ銀行」とは大きな差があることがわかるでしょう(下表)。

このような資金規模の違いにより、1つの住宅ローン契約が債務不履行となった場合の影響が実店舗型の銀行と比較して大きくなるネット銀行では、不払いリスクについて慎重に対応していると言えます。

銀行名 預金残高(2022年3月時点) 資産規模の比較
ゆうちょ銀行 193兆4,419億円 全銀行中1位
三菱UFJ銀行 183兆3,569億円 全銀行中2位
横浜銀行 17兆3,184億円 地方銀行中1位
埼玉りそな銀行 16兆5,501億円 地方銀行中2位
楽天銀行 7兆7,653億円 ネット銀行中1位
住信SBIネット銀行 7兆1,159億円 ネット銀行中2位

ネット銀行の住宅ローン審査が厳しい理由 3
すべての住宅ローン審査を非対面で行う

ネット銀行の多くは、実店舗をまったく持たないか、ごく少数の対面用窓口のみを営業しています。

住宅ローン審査についても、必要な書類を郵送、もしくは申し込みフォームや画像アップロードによって提出できるため、申し込む側が銀行スタッフと直接対面する機会はありません。

このようなネット銀行の審査システムにおいては、住宅ローンの契約手続きがオンライン上で簡便にすむ一方で、申込者の人柄(責任感、コミュニケーション能力、勤務態度等)や、人脈(同じ銀行での親の住宅ローン完済履歴等)といった書類外の要素は、ほとんど加味されることなく、すべて書類上の情報で判断されます。申込者の「返済負担率」や「勤続年数」といった条件が銀行側の基準を満たしていない場合は、その時点で融資不可となり、例外的な要素が入りにくい点は理解しておきましょう。

ネット銀行の住宅ローン審査に落ちた場合の対処法ネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?落ちた場合の対処法

ネット銀行の住宅ローン審査に落ちた場合の対処法

それでは、ネット銀行の住宅ローンを申し込み、本審査で落ちてしまった場合はどのような対処法があるのでしょうか。
ネット銀行の住宅ローン審査における要注意ポイントは、主に以下の4点です。

  • ネット銀行の住宅ローン審査における要注意ポイント
  • 1. 自己資金の割合(借入希望額に対して頭金の割合や年収水準が低い)
  • 2. 身分(自営業・フリーランス・アルバイトなど収入の不安定な仕事に就いている)
  • 3. 勤続年数(転職や就職をして1年未満)
  • 4. 物件側の問題(査定額が実際の販売額よりも大幅に低い、築年数が古く現在の耐震基準を満たしていない)

ネット銀行の住宅ローン審査における要注意ポイント 1
自己資金(頭金)の割合を見直す

一般的に、申込者の年収水準と比較して借入希望額が多いと、住宅ローンの審査には通りにくくなります。

年収がネックになってネット銀行から希望の融資額を受けられない場合は、自己資金(頭金)を増やせないかを検討してみましょう。
自己資金の目安は、物件価格の1~2割と言われています。たとえば、5,000万円の住宅であれば、500~1,000万円が目安。ただし、ネット銀行の場合は、より安全性を高えめるため頭金2~3割(借入金額5,000万円の場合で1,000~1,5000万円)を目安としているところもあります。

自身の貯蓄だけで十分な自己資金を準備することが難しい場合は、親や祖父母から住宅購入資金の贈与を受ける方法や、夫婦の収入を合算して年収を増やす方法を検討してみると良いでしょう。

 

 

ネット銀行の住宅ローン審査における要注意ポイント 2
他の銀行・住宅ローンに申し込む

ネット銀行よりも審査に融通のきく、別の住宅ローンを検討するのも有効な対処法です。

たとえば、全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」は、審査基準が公開されており、自営業者や勤続年数が短い申込者でも審査に通りやすくなっています。公式サイトには、年収水準と借入額の目安も明確に書かれている上、シミュレーションで確認することも可能なので、ネット銀行の住宅ローン審査に通りにくい場合はぜひチェックしてみましょう。

一方、変動金利での借入を希望する場合は、給与振込口座等で普段利用している銀行を筆頭に、自宅や職場近くのメガバンク・地方銀行をいくつかリストアップし、仮審査を申し込んでみるのも1つの方法です。

 

 

おすすめのネット銀行の住宅ローンネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?落ちた場合の対処法

住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)

住信SBIネット銀行フラット35

住宅ローン金利2024年5月
  • 変動0.44%(通期引下げプラン)
  • 当初10年固定1.355%(当初引下げプラン)
  • 【新規借入れの場合】物件価格の80%以下で住宅ローンを借入れると、表示金利から年-0.027%優遇
  • 審査結果によっては、表示金利に年0.1%~0.3%上乗せとなる場合があります。
  • 借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
審査期間
  • 仮審査:申し込み当日から3営業日以内
  • 本審査:通常1日~10日程度
住宅ローン保証料 無料
事務手数料
  • 変動金利型・期間固定金利型:借入金額✕2.20%(税込)
  • フラット35:【保証型】借入金額✕2.20%(税込)、【買取型】借入金額✕1.1%(税込)
  • 電子契約事務取扱手数料:5,500円(税込)※電子契約サービス利用時のみ
繰り上げ返済手数料 無料
団体信用生命保険料 無料
  • 融資実行時40歳未満の場合は「3大疾病50プラン(3大疾病保障50%+全疾病保障)」、融資実行時40歳以上の場合は「全疾病保障」が上乗せ金利なしで基本付帯。
付帯サービス
  • 全疾病保障:基本付帯
  • 3大疾病保障50%+全疾病保障:基本付帯(※融資実行時40歳未満の場合)

住信SBIネット銀行 住宅ローンの特徴
ネット銀行大手「NEOBANK住信SBIネット銀行」の住宅ローン。変動金利型と期間固定金利型(2年・3年・5年・7年・10年・15年・20年・30年・35年)に加えて、全期間固定型のフラット35も取り扱う。
いずれの金利タイプも住宅ローン金利は最低水準で、「住宅ローン保証料」「繰り上げ返済手数料」「団体信用生命保険料」も無料。さらに、すべての病気やケガを保障する「全疾病保障」が上乗せ金利なしで基本付帯するほか、住宅ローン契約者が融資実行時に40歳未満の場合は、がん・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態になった場合、住宅ローン残高の50%を保障する「3大疾病保障(※3大疾病50プラン/全疾病保障含む)」も上乗せ金利なしで基本付帯する。団信が充実しているのは、嬉しいポイント。
仮審査から本契約まですべての住宅ローン手続きをオンラインで完結できる「電子契約サービス」は、事務手数料が5,500円(税込)かかるが、郵送手続きよりも時間短縮となる。 ネット銀行には珍しく対面の住宅ローン店舗(ローンプラザ)も運営。オンラインと対面の両方で低金利の住宅ローンを申し込めるおすすめの住宅ローンだろう。

住信SBIネット銀行 住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

金利(年利)2024年5月
  • 変動金利0.319 ※新規借入れ(全期間引下げプラン)
  • 10年固定1.255(当初期間引下げプラン)
  • 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、 この場合には上記の金利とは異なる金利となります。
    金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
審査期間
  • 仮審査:最短当日
  • 本審査:最短2~3営業日
住宅ローン保証料 無料
事務手数料 借入額の2.2%(税込)
繰り上げ返済手数料 無料
団体信用生命保険料
  • 一般団信:無料付帯
〈住宅ローン契約者が満50歳まで〉
  • がん50%保障団信+4疾病保障:無料付帯
  • がん100%保障団信:年0.05%金利上乗せ
  • がん100%保障団信+4疾病保障:年0.15%金利上乗せ
〈住宅ローン契約者が満65歳まで〉
  • ワイド団信:年0.3%金利上乗せ
付帯サービス
  • がん50%保障団信+4疾病保障:無料付帯(※住宅ローン契約者が満50歳までの場合)
  • 住宅ローンとau回線をセット契約すると適用金利から年0.07%引き下げ
  • 住宅ローンと「じぶんでんき」をセット契約すると適用金利から年0.03%引き下げ

auじぶん銀行 住宅ローンの特徴
KDDIと三菱UFJ銀行が出資するネット銀行「auじぶん銀行」の住宅ローン。変動金利型と期間固定金利型(2年・3年・5年・10年・15年・20年・30年・35年)を取り扱う。
住宅ローン金利は、数あるネット銀行の中でもトップクラスの低水準を誇る。また、「住宅ローン保証料」「繰り上げ返済手数料」が無料となるほか、団信(団体信用生命保険)も一般団信に加え、住宅ローン契約者が満50歳までの場合は、4疾病保障を含む「がん50%保障団信」が無料付帯。さらに、住宅ローン契約者が満50歳までの場合、年0.05%の金利上乗せで「がん100%保障団信」、年0.15%の金利上乗せで4疾病保障付きの「がん100%保障団信プレミアム」を付帯できる点も嬉しい。住宅ローンと、auの回線、じぶんでんきなどのサービスをセットで契約することで金利の引き下げを受けることもできる。
すべての住宅ローン手続きをオンラインで完結できる上、メガバンクの1つである三菱UFJ銀行が出資元となっている点も安心度が高い。低金利の住宅ローンを選びたい場合、まず検討したい住宅ローンだろう。

auじぶん銀行 住宅ローン

 

 

ネット銀行の住宅ローンは低金利&充実したサービスが魅力。審査のポイントを押さえてしっかり活用しようネット銀行の住宅ローン審査は厳しい?落ちた場合の対処法

ネット銀行は、実店舗をほとんど持たないことで、運営上のコストを抑え、魅力的な住宅ローン金利や付帯サービスを提供しています。
インターネット専業銀行ならではの審査傾向はあるものの、自己資金や返済負担率、勤続年数などの条件をクリアできれば、有利な金利と手厚いサービスの恩恵を受けられるおすすめの住宅ローンであることも事実。
今回ご紹介したネット銀行の住宅ローン審査の特徴と本審査に落ちた場合の対処法も参考に、住宅ローンの金利や審査基準をチェックし、ご自身に有利な条件で組める住宅ローンを見つけましょう!

著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、ビジネス・金融・投資・育児・教育・節約など。子ども3人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級

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