住宅ローン講座住宅ローンの自然災害特約を比較

住宅ローンの自然災害特約を比較

はじめに住宅ローンの自然災害特約を比較

住宅ローンの自然災害特約を比較

近年の日本は度々自然災害の襲われており、自宅が倒壊した事例も少なくありません。数ある住宅ローン商品の中には、このような自然災害に備え、「自然災害特約」を付帯できるものが登場、大きな注目を集めています
住宅ローンの借り入れ・借り換えを予定している方の中には、住宅ローンを選ぶ基準として、万一に備え、この「自然災害特約」が付帯するものを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?

その一方で、「自然災害特約を付帯すると、万一の際、どのような補償が受けられるのか?」「火災保険や地震保険とでは何が違うのか?」「自然災害特約は付帯した方が良いのか?」等、自然災害特約について、詳しいことは知らないという方も多いはず。

そこで今回の特集は、住宅ローンの自然災害特約に注目。自然災害特約の基本情報や、住宅ローンを組む際に自然災害特約を付帯する必要性等についてわかりやすく解説します。さらに、自然災害特約を付帯できるおすすめの住宅ローンも比較しました。

住宅ローンの借り入れを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

住宅ローンの自然災害特約とは?住宅ローンの自然災害特約を比較

まずはじめに、住宅ローンの自然災害特約の基本情報を確認しておきましょう。

住宅ローンの自然災害特約とは?

地震や台風、豪雨等の自然災害によってマイホームが被災した場合、その程度に応じて、一定期間の住宅ローンの返済免除や、住宅ローン残高の返済免除が受けられる特約のこと
2019年9月現在、新生銀行三井住友銀行など、一部の金融機関が提供しており、多くの場合、住宅ローン金利に保険料を上乗せすることで付帯できます。

ただし、補償内容や、補償の適用条件が金融機関によって異なる点には注意が必要です。住宅ローンに自然災害特約を付帯する場合は、各金融機関が提供する自然災害特約の内容をしっかりと比較し、万一の際に必要な補償が受けられるものを選びましょう。

住宅ローンの自然災害特約を付帯する必要性住宅ローンの自然災害特約を比較

住宅ローンを組む際は、自然災害への備えとして、火災保険への加入が義務付けられています。
また、火災保険ではカバーしきれない災害を補償する地震保険もあり、万一に備えて加入を検討される方もいるはずです。
それでは、住宅ローンの自然災害特約は、火災保険や地震保険とは、何が違うのでしょうか?

ここでは、住宅ローンの自然災害特約と火災保険・地震保険との違いや、住宅ローンを組む際に自然災害特約に加入する必要性についてご紹介します。

住宅ローンの自然災害特約と火災保険・地震保険との違い

火災保険、地震保険、住宅ローンの自然災害特約は、いずれも自然災害に備えるためのものですが、対象となる自然災害や補償対象は、以下のように異なります。

火災保険

加入 必須
対象となる自然災害 火災、落雷、破裂・爆発、風災、雪、ひょう などによる損害
※商品によっては、台風や豪富、土砂崩れなどによる水災を補償するものも。
補償対象
  • 建物
  • 家財(※建物の中に収容している家具や衣服など)

住宅ローンを組む際に、自然災害への備えとして加入が義務付けられている保険。火災、落雷、破裂・爆発等の自然災害により、建物(住宅)および家財(住宅の中に収容している家具や衣服など)が損害を受けた場合に、補償を受けることができる。
火災、落雷、破裂・爆発等に備える基本補償をベースに、風災、雪災、水災等、必要に応じて補償を追加できるケースが多い。

地震保険

加入 任意
対象となる自然災害 地震、噴火、津波 などによる損害
補償対象
  • 建物
  • 家財(※建物の中に収容している家具や衣服など)

火災保険ではカバーしきれない地震、噴火、津波などの自然災害によって、建物(住宅)や家財(住宅の中に収容している家具や衣服など)が損害を受けた場合に補償が受けられる保険。任意加入。
地震保険の補償限度額は法律によって、「主契約である火災保険金額の30~50%。ただし建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円まで」と定められている

住宅ローンの自然災害特約

加入 任意
対象となる自然災害 地震、台風、豪雨、洪水、津波、噴火、雪災、落雷
補償対象
  • 住宅ローン

地震や台風、豪雨などの自然災害により、建物(住宅)が損害を受けた場合、住宅ローンの返済に対して補償が受けられる特約。任意加入。

住宅ローンの自然災害特約を付帯する必要性

上記の内容からもわかるように、火災保険・地震保険と住宅ローンの自然災害特約とでは、補償の対象が大きく異なります。

  • 火災保険・地震保険と住宅ローンの自然災害特約の補償対象を比較
  • 火災保険・地震保険→建物・家財が補償対象
  • 住宅ローンの自然災害特約→住宅ローンの返済が補償対象

自然災害によってマイホームが損壊しても、住宅ローンの返済は継続する

住宅ローンの自然災害特約を比較

自然災害によってマイホームが損害を受けた場合、火災保険や地震保険がカバーできるのは、あくまでも建物や家財に対して。つまり、住宅ローンの返済は補償の対象外となります。

その一方で、住宅ローンの返済は、住宅ローン返済期間中であれば、自然災害によってマイホームが半壊・全壊した場合でも、基本的には返済義務が継続します
例えば、住宅ローン返済期間中に自然災害によってマイホームが全壊し、住めなくなってしまった場合に発生する費用は以下の通り。

  • マイホームの修繕費
  • マイホームの住宅ローン
  • 新しい居住地の確保および、そこで生活するための費用(住宅費、生活費など)

自然災害によってマイホームが損害を受けた場合、生活を再建するためには、莫大な費用が必要になります。火災保険や地震保険の補償を受けることができたとしても、毎月、住宅ローンの返済が継続していくのは、家計にとって負担が大きく、決しで簡単なことではありません。

住宅ローンに自然災害特約を付帯していれば、自然災害によってマイホームが損害を受けた場合、その程度に応じて住宅ローンの返済が免除されるので、生活を再建するまでの一定期間、住宅ローンの返済負担を軽減することが可能です

近年、地震や台風、豪雨、土砂崩れなど、日本各地で自然災害による被害を受けるケースが増えてきています。自然災害により手厚く備える手段として、住宅ローンの自然災害特約は、付帯を検討すべき特約の1つといえるでしょう。

住宅ローンの自然災害特約を比較住宅ローンの自然災害特約を比較

本チャプターでは、自然災害特約が付帯できるおすすめの住宅ローンをご紹介します。住宅ローンを組む際に、自然災害特約の付帯を検討されている方は、それぞれの特徴を比較し、自分に合ったものを見つけましょう。

新生銀行 住宅ローン
「自然災害時債務免除特約(安心パックS)」

新生銀行 住宅ローン

付帯金利(上乗せ金利) 無料 ※事務取扱手数料として15万円(税抜)
対象となる自然災害 地震、津波、台風・風災、豪雨・洪水、土砂崩れ、雪災、落雷、噴火
補償内容
  • 全壊(※全焼、全流失含む)
    毎月の住宅ローン返済24回分免除
  • 大規模半壊
    毎月の住宅ローン返済12回分免除
  • 半壊(※半焼含む)
    毎月の住宅ローン返済6回分免除
  • 「一部損壊」は補償対象外
概要 利便性の高さと充実したサービス内容に定評がある新生銀行の住宅ローン。
新生銀行では、特定の症状によらず、所定の要介護状態になった場合、住宅ローン残高が0円になる「安心保証団信」、一部繰り上げ返済を行って返済期間を短くした分、通常の返済額を抑える(または一時ストップできる)「コントロール返済」、住宅ローンの借り入れから約10年間、地震や台風などの自然災害により住宅が損害を受けた場合、損害の程度に応じて最大24回、毎月の住宅ローン返済を免除できる「自然災害時免除特約」がセットになった「安心パックS」を用意。事務手数料として15万円(税抜)支払うことで、上乗せ金利不要で付帯することができる
住宅ローンに自然災害特約を付帯する場合、住宅ローン金利を上乗せするケースが多いため、上乗せ金利不要で自然災害特約を付帯できる点は、他の住宅ローンと比較しても、新生銀行の大きな魅力といえるだろう。
また、自治体から発行される「罹災証明書」の提出が後日でも可となっており、自然災害によって住宅が損害を受けた場合、新生銀行への電話1本ですぐに補償が適用される点もチェックしておきたい
新生銀行の住宅ローンは、自然災害特約の付帯を検討する際、有力な選択肢の一つ。

新生銀行 住宅ローン

三井住友銀行 住宅ローン
「自然災害時返済一部免除特約付き住宅ローン(約定返済保障型/残高保障型)」

三井住友銀行

付帯金利(上乗せ金利) 〈約定返済保障型〉+年0.1%
〈残高保障型〉+年0.5%
対象となる自然災害 〈約定返済保障型〉 地震、津波、台風・風災、噴火、豪雨、雪災、洪水、落雷
〈残高保障型〉 地震、噴火、津波
補償内容 〈約定返済保障型〉
  • 全壊(※全焼、全流失含む)
    毎月の住宅ローン返済24回分免除(払い戻し)
  • 大規模半壊
    毎月の住宅ローン返済12回分免除(払い戻し)
  • 半壊(※半焼含む)
    毎月の住宅ローン返済6回分免除(払い戻し)
〈残高保障型〉
  • 全壊
    建物ローン(※1)残高の50%相当免除(保険金による返済充当)
  • 建物ローン … 建物取得(購入・建築・増改築)資金用の住宅ローン
概要 大手メガバンクの一角「三井住友銀行」が提供する住宅ローン。
三井住友銀行では、日本初の自然災害特約付き住宅ローン「自然災害時返済一部免除特約付き住宅ローン」を提供。地震、津波、台風・風災などの自然災害により住宅が損害を受けた場合、その程度に応じて毎月の住宅ローン返済が最大24回免除(後に払い戻し)される「約定返済保障型」と、地震、噴火、津波によって住宅が全壊した場合、建物ローン残高の50%相当が免除される「残高保障型」の2種類から選択でき、「約定返済保障型」は年0.1%の金利上乗せ、「残高保障型」は年0.5%の金利上乗せで付帯することができる。
また、スマホのアプリから簡単に住宅ローン審査の申し込みができるほか、ネット申し込み専用の住宅ローンを取り扱っている点も魅力。さらに、住宅ローンでマイホームを購入した場合等に、契約者のライフステージに合わせて、引っ越し料金やインテリア購入料金の割引などが受けられる「ライフイベントサービス」を用意している点もチェックしておきたい。

三井住友銀行 住宅ローン

みずほ銀行 住宅ローン
「自然災害支援ローン(約定返済プラン/残高補償プラン)」

みずほ銀行

付帯金利(上乗せ金利) 〈約定返済プラン〉年0.10%
〈残高保障型〉+年0.30%
対象となる自然災害 〈約定返済プラン〉 地震、噴火、津波、落雷、水災、風災、ひょう災、雪災
〈残高保障型〉 地震、噴火、津波
補償内容 〈約定返済プラン〉
  • 全壊(※全焼、全流失含む)
    毎月の住宅ローン返済24回分免除(払い戻し)
  • 大規模半壊
    毎月の住宅ローン返済12回分免除(払い戻し)
  • 半壊(※半焼含む)
    毎月の住宅ローン返済6回分免除(払い戻し)
〈残高補償プラン〉
  • 全壊
    建物ローン(※1)残高の50%相当免除
  • 建物ローン … 建物取得(購入・建築・増改築)資金用の住宅ローン
概要 大手メガバンクの一角「みずほ銀行」の住宅ローン。
みずほ銀行では、2018年2月から、自然災害特約が付帯できる住宅ローンとして、「自然災害支援ローン」の提供を開始。地震、噴火、津波等の自然災害により、住宅が損害を受けた場合、その程度に応じて毎月の住宅ローン返済が最大24回免除(後に払い戻し)になる「約定返済プラン」と、地震、噴火、津波によって住宅が全壊した場合、建物ローン残高の50%相当が免除される「残高補償プラン」の2種類から選択することができる。特約を付帯する際の上乗せ金利は、「約定返済プラン」は年0.1%、「残高補償プラン」は年0.3%
ちなみに、「残高補償プラン」は、三井住友銀行が提供する「自然災害時返済一部免除特約付き住宅ローン(残高保障型)」とほぼ同じ補償内容だが、こちらの上乗せ金利は年0.5%。特に「残高補償プラン」の付帯を検討している場合、三井住友銀行と比較すると、有利な借り入れ金利で自然災害特約を付帯できる点は大きな魅力といえるだろう
また、契約者のライフイベントに応じて、住宅ローンの返済期間は変えず、毎月の住宅ローンの返済額を一定期間増減できる「ライフステージ応援プラン(返済額増減サービス)」を用意しているほか、「みずほネット住宅ローン」を利用することで、事前審査から契約まで来店不要で手続きを行える点も嬉しい。

みずほ銀行 住宅ローン

住宅ローンの自然災害特約を比較 ~まとめ~住宅ローンの自然災害特約を比較

住宅ローンの自然災害特約を比較

地震や津波、豪雨など、近年、日本各地で自然災害が発生し、住宅が被害を受けるケースが増えています。
特に、住宅ローン返済期間中にマイホームが自然災害によって被害を受けた場合、住宅ローンの返済に加え、マイホームの修繕費や、場合によっては新しい居住地での生活費用等、生活を再建するために莫大な費用がかかります。このようなリスクに対処するためには、万一の際に必要な補償が受けられるよう、しっかりと備えておくことが大切です。

住宅ローンの自然災害特約は、こうした自然災害によるリスクを少しでも軽減する上で、有力な選択肢の一つ。
住宅ローン返済期間中の自然災害によるリスクに備えたいと考えている方はもちろん、これから住宅ローンの借り入れを検討している方は、本特集を参考に、住宅ローンの自然災害特約についてチェックし、利用を検討してみてはいかがでしょう。

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。主な執筆ジャンルは英会話、格安SIM、住宅ローン、保険、エンタメ。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指して、日々原稿を執筆中。御朱印集めと北欧関連の情報収集が好き。