不動産査定マンション査定のポイントと高く売却するコツ
現在マンションを所有している方のなかには、さまざまな理由から売却を検討している方や、現在の価値を知りたいと考えている方も多いはず。ただ、考え抜いて購入したマンションを売るのであれば、できるだけ高く売りたいもの。
マンションの高値売却を目指すのであれば、査定の時点から高く売るためのポイントを押さえておくことが重要です。実は、このポイントを押さえているかいないかで、マンションの売却額が大きく変わってきます。
今回の特集では、マンションの売却に注目。査定時のポイントやマンションを高値で売却するためのコツについて、わかりやすく解説します。
マンションの売却を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
目次 【マンション査定のポイントと高く売却するコツ】
マンション査定の流れとマンション査定時に準備しておくものマンション査定のポイントと高く売却するコツ
はじめに、マンション査定の流れとマンション査定時に準備しておくものについて見ていきましょう。
マンション査定の流れ
マンションの査定は、以下の流れで行います。ちなみに、STEP1~4にかかる期間の目安は、1~4週間程度です。
- STEP1.複数の不動産会社に机上査定を依頼する
※机上査定(簡易査定)…物件を訪問せずに、大まかな売却価格を算出する査定方法。 - STEP2.机上査定の結果から不動産会社をいくつかに絞り、訪問査定を依頼する
※訪問査定(実査定)…不動産会社が実際に物件を訪れ、所有者へのヒアリングや、直接物件の状態を確認したうえで、物件の売却価格を算出する査定方法。 - STEP3. マンションの売却を依頼する不動産会社を決め、契約を行う
- STEP4.マンションの売り出し価格を決め、売却活動を行う
マンション査定時に準備しておくもの
マンションの査定を受ける際には、以下の資料を準備しておきましょう。
- マンションに関する資料
- 間取図
- マンション購入時のパンフレット
- 重要事項説明書
- 売買契約書
- マンションの管理規約・使用細則
- その他
- マンションに関する情報
マンションに関する資料としては、「間取図」や「マンション購入時のパンフレット」「重要事項説明書」「売買契約書」「マンションの管理規約・使用細則」を準備しておきます。
また、上記の資料に加え、「周辺環境の情報」や「間取の使いやすさ」など、そのマンションに住んでいるからこそわかる情報を自分なりにまとめておくのもポイントです。こうした情報があることで、査定の際、プラスに働くケースがあります。
マンション査定のポイントマンション査定のポイントと高く売却するコツ
マンションの高値売却を目指すのであれば、査定時にどのような点がチェックされているのかを知っておくことも重要です。本チャプターでは、マンションの査定を依頼する際に押さえておきたい10のポイントと査定額が高くなる条件をご紹介します。
マンション査定 10のポイント
1マンションの立地 | 6共用部分 |
2階数・方角 | 7維持管理状況 |
3広さ・間取 | 8管理費・修繕積立金などの固定費 |
4築年数・構造 | 9駐車場 |
5設備・内装 | 10施工会社 |
マンションの立地 マンション査定のポイント➀
- 査定額が高くなる条件
- 最寄り駅までの距離が近い
- 最寄り駅の利便性が高い(例:複数の路線にまたがっている、急行や快速が停まる など)
- 周辺環境の充実度とその利便性
…学校、病院、銀行、郵便局、スーパー、コンビニ、商店街、商業施設などが近くにある
…駅や学校までの交通量、夜間の安全性/公園の管理状況など
階数・方角 マンション査定のポイント➁
- 査定額が高くなる条件
- 高層階(※階数が上がるほど、採光や眺望に差が出るため、高層階の方が査定額は高くなる。ただし、採光や眺望は周辺の建物にもよるため、マンションによっては査定に影響しない場合もある)
- 角部屋(特に南東角部屋、南西角部屋)、窓の多い部屋
- 南向き(※方角は「北→東西→南」の順で評価が高くなる。一方でタワーマンションの場合、南向きは日差しが直接入るため、北向きの評価が高くなることも)
広さ・間取 マンション査定のポイント➂
- 査定額が高くなる条件
- 専有面積が広い
- 間取…リビングやダイニングルームが広い、収納スペースが大きい
築年数・構造 マンション査定のポイント➃
- 査定額が高くなる条件
- 物件の築年数が浅い
- 構造(耐震性能)…耐震等級が高い、免震構造を採用している
設備・内装 マンション査定のポイント➄
- 査定額が高くなる条件
- ディスポーザーをはじめ、後付けが難しい設備がある
※ディスポーザー…キッチンシンクの下に設置されている生ごみ粉砕機。生ごみを粉砕しながら下水に流す処理システム。
★ただし買い主がフルリフォームを予定している場合は、マンションの設備や内装は、あまり査定に影響しない。
共用部分 マンション査定のポイント➅
- 査定額が高くなる条件
- 集会室、会議室、キッズルーム、ジム、パーティールームなどの共用部分が充実している
- エントランスがきれい
- オートロック、監視カメラ、24時間セキュリティシステムなど、セキュリティの設備がしっかりしている
維持管理状況(修繕・管理、清掃、管理員の勤務形態など) マンション査定のポイント➆
- 査定額が高くなる条件
- 修繕や管理がきちんと行われている
- マンション共用部分の清掃が行き届いている
- 週3~5日程度、管理人がマンションにいる
管理費・修繕積立金などの固定費 マンション査定のポイント➇
- 査定額が高くなる条件
- 管理費や修繕積立金などの固定費が高すぎない(※ただしマンションの築年数が経ってくると、その分、修繕の必要な箇所が増えるため、管理費・修繕積立金は高くなるのが一般的)
駐車場 マンション査定のポイント➈
- 査定額が高くなる条件
- 住戸数に対する駐車場充足率が高い
★特にマンションが郊外にある場合や駅からマンションまでの距離が遠い場合、駐車場は重視されるポイント
施工会社 マンション査定のポイント➉
- 査定額が高くなる条件
- マンションの施工会社が大手企業、豊富な実績を持つ会社
※大手企業や豊富な実績を持つ会社であれば、万一マンションに不具合が生じた場合でも、居住者に対する補償がしっかりしているため
マンションを高く売却するコツマンション査定のポイントと高く売却するコツ
マンションを高く売却するには、いくつかのコツがあります。本チャプターでは、マンションをできるだけ高値で売る際に知っておきたい5つのコツを見ていきましょう。
複数の不動産会社にマンションの査定を依頼する マンションを高く売却するコツ その1
マンションを売却する際は、1社だけではなく複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。その理由は、不動産会社によって得意とする物件や地域が異なり、同じ物件であっても、依頼する不動産会社によって査定結果が変わってくるからです。
複数の不動産会社に査定を依頼すれば、それぞれの査定結果を比較・検討することができ、より良い条件で売却できる不動産会社を選べます。査定額によっては数百万円の差が出るケースもあるため、マンションを高く売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。
また、実際に査定を依頼する際は、大手不動産会社、中堅不動産会社、地場(地元に根差した)の不動産会社からそれぞれ査定結果を取得しましょう。不動産会社によって、査定方法や査定額が異なるので、規模の異なる会社に依頼し、各社の意見をしっかり聞くことが大切です。そうすることで、物件の本当の価値がわかります。
不動産一括査定サイトを利用する マンションを高く売却するコツ その2
マンションの査定を依頼する際に、「不動産一括査定サイト」を利用するのも、マンションを高く売却する上で押さえておきたいポイントです。
不動産一括査定サイトとは、「エリア」や「物件の種類」「査定方法」などの情報を入力すると、無料で複数の不動産会社に一括査定の依頼ができるWEBサービスのこと。不動産一括査定サイトからマンションの査定を依頼すれば、簡易の査定結果を受け取れ、簡単に複数社の査定額を比較できます。
サービスによって提携している不動産会社の数や、一括査定を依頼できる不動産会社の数が異なるので、不動産一括査定サイトを利用する際は、それぞれの特徴を比較し、自分に合ったものを利用しましょう。
マンション査定におすすめの不動産一括査定サイト
大手不動産会社に強い不動産一括査定サイト
すまいValue
対象エリア | 全国 |
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提携の不動産会社数 | 6社 ※計900店舗 |
同時査定依頼件数 | 最大6社 |
すまいValueの特徴 |
三井のリハウス、野村の仲介+、住友不動産販売、東急リバブル、三菱地所ハウスネット、小田急不動産の大手不動産会社6社が共同運営する不動産一括査定サイト。大手6社が持つ計900店舗のネットワークを活かし、全国からの査定依頼に対応している。 すまいValueでは、物件の種別や所在地の情報を入力すると、最短60秒で査定の申し込みが完了。査定結果は最大6社から受け取れ、簡単に査定結果を比較することができる。 また、長年培ってきた売却活動のノウハウを活かし、売却成約率79.7%と高い数値を記録している点も、大きな魅力といえるだろう。 利用者を対象としたアンケートでは、96.3%がトラブルなく、安心・安全に取引できたと回答。大手不動産会社が運営し、豊富な売却実績を持つすまいValueは、マンション査定に不動産一括査定サイトを利用する際、まずチェックしておきたい。 |
中堅不動産会社に強い不動産一括査定サイト
HOME4U(ホームフォーユー)
対象エリア | 全国 |
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提携の不動産会社数 | 2,100社以上 |
同時査定依頼件数 | 最大6社 |
HOME4Uの特徴 |
NTTグループのNTTデータスマートソーシングが運営する不動産一括査定サイト。日本初・国内最大級の不動産一括査定サイトとして、売却査定数累計50万件以上(2022年11月時点)と圧倒的な規模と実績を誇っている。東京建物不動産販売や、三菱UFJ不動産販売、大成有楽不動産販売、住友林業ホームサービス、三井住友トラスト不動産ほか、大小を問わず2,100社の不動産会社が無料査定に参画。 HOME4Uでは、所在地や物件情報等を入力すると、無料で査定の申し込みが可能。実際に査定してもらう不動産会社は最大6社まで選べ、選ばなかった不動産会社からは、一切連絡が来ないようになっている。 また、個人情報保護のために「プライバシーマーク」を取得しており、第三者に個人情報が公開されることは一切ない。安心して利用できるのも嬉しいポイント。 |
地場(地元に根差した)の不動産会社に強い不動産一括査定サイト
マンションナビ
対象エリア | 全国 |
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提携の不動産会社数 | 2,100社以上 |
同時査定依頼件数 | 最大6社 |
最大9社(※売買6社+賃貸3社) |
マンションリサーチが運営するマンションに特化したの不動産一括査定サイト。大成有楽不動産販売やウィル不動産販売、センチュリー21など、全国2,500店舗以上の不動産会社が一括査定に参画している。 マンションナビでは、住所や物件の情報を入力するだけで、最短45秒で査定の申し込みが可能。査定結果は最大9社から受け取ることができる。 また、全国約14万棟のマンション価格の相場を公開しているほか、「売り時シミュレーション」「売却時費用シミュレーター」といったマンションの売却に役立つツールを提供する等、ユーザーへのサポートも充実している。 ゼネラルリサーチ社が実施した調査(※2021年2月)では、マンションナビは「初めての方におすすめできる」「売却価格満足度高い」等、4部門で第1位を獲得。マンションの一括査定を依頼する際、マンションナビは有力な選択肢の一つだろう。 |
物件の相場を把握しておく マンションを高く売却するコツ その3
不動産会社にマンション査定を依頼する一方で、自分でも物件の相場を調べ、把握しておくことが大切です。
不動産会社に査定を依頼しても、自分がその物件の相場を把握してなければ、不動産会社から提示された査定額が適正なものかどうか判断することができません。
マンションをできるだけ高く売却したい場合は、不動産会社任せにするのではなく、自分でも物件の相場をある程度調べておきましょう。
信頼できる不動産会社と媒介契約を結ぶ マンションを高く売却するコツ その4
高価格・好条件でマンションを売却するには、信頼できる不動産会社と契約を締結することが重要です。
ちなみに、必ずしも「査定額が高い不動産会社=良い不動産会社」とは限りません。以下のポイントをチェックし、信頼できる不動産会社を選びましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ3つのポイント
- 3つのポイント
- 「似た物件での売却実績」「そのエリアでの売却実績」があるか
売却実績には、その不動産会社の得意分野が反映されます。不動産会社によって得意とする物件やエリアが異なるため、「似た物件での売却実績」や「そのエリアでの売却実績」があるかを、しっかりと確認しておきましょう。 - 査定結果の根拠が明確か
売却を検討しているマンションと類似した物件での売却実績や、そのエリアでの売却実績があれば、過去の実績を踏まえて査定額を算出しているため、査定結果の根拠が明確です。
もし査定額についての詳しい説明がない場合は、査定価格の根拠を不動産会社に説明してもらいましょう。 - 担当者との相性
実は、担当者との相性や、担当者との間に信頼関係があるかどうかも不動産会社を選ぶ上で重要なポイント。マンションの売却に関して、何か不明な点があれば気軽に相談できるか、連絡のやり取りがスムーズか等を確認しておくことが大切です。
また、自分に合った媒介契約を締結することも重要なポイントです。
不動産会社を決定し、正式に売却を依頼する際は、その不動産会社と「媒介契約」を締結します。媒介契約とは、仲介業務に関するトラブルを防ぐため、「どのような条件で物件の売却活動を行うか、売買契約が成立した場合の仲介手数料はどうするか」等の内容について、依頼主と不動産会社の間で結ぶ契約のこと。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、契約の種類によって、買主の探し方や契約期間等が変わってきます。
幅広い選択肢のなかから買主を見つけたい場合は、複数社に不動産売却の依頼ができる「一般媒介契約」を選択するのがおすすめ。
信頼できる不動産会社に買主を見つけてもらいたい場合は、一社のみに不動産売却を依頼できる「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を選ぶと良いでしょう。なお、専任媒介契約の期間は最長で3か月となっており、不動産会社の動きが悪い場合は、延長せずに契約形態を変更することもできます。不動産会社の担当者を信頼できない場合は、他の不動産会社に乗り換えるのも選択肢の1つです。
各媒介契約の特徴を比較し、自分に合ったものを選びましょう。
部屋をきれいな状態にしておく マンションを高く売却するコツ その5
マンションの高値売却を目指すのであれば、部屋をきれいな状態にしておくことも大切です。これは基本的なことですが、忘れてはいけないポイントの一つ。
不動産会社がマンション査定(※訪問査定)を行う際、部屋の状態が良ければ、査定額アップに繋がるケースもあります。また、売却活動時には、マンション(物件)の第一印象は購入検討者の購買意欲を大きく左右します。
訪問査定や売却活動の際は、事前に部屋の掃除や片づけを行い、きれいな状態にしておきましょう。
ちなみに、マンションを売却する際、リフォームをしておく必要はありません。その理由は、買い主が、物件購入後にリフォームを行うケースがあるため。また、リフォーム費用を売却額に上乗せできるとは限らず、リフォームを行っても、その費用を回収できない可能性もあります。
故障箇所の修繕は必要ですが、リフォームを行う必要はないという点も押さえておきましょう。
まとめマンション査定のポイントと高く売却するコツ
同じ物件を売る場合でも、どの不動産会社に依頼するか、査定時のポイントを押さえているか、売却時のコツを知っているかどうかで、売却額は大きく変わってきます。
マンションの売却には、多額のお金が動きます。だからこそ、マンションの売却を成功させるためには、査定時のポイントや高く売却するためのコツを押さえておくことが重要です。
マンションの売却を検討している方は、本特集を参考に、マンション査定のポイントや高く売却するコツをチェックし、実際にマンションを売却する際に役立てましょう。
著者 溝口 麻衣
Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。マンション査定のポイントと高く売却するコツについての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。