不動産査定不動産売却のメリットとデメリットとは?住宅ローンとの関係もわかりやすく解説
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はじめに不動産売却のメリットとデメリットとは?住宅ローンとの関係もわかりやすく解説
現在、住宅ローンを組んでいる方の中には、ローンの返済負担軽減や、生活環境の変化に伴う買い替えや住み替え等を理由に、不動産売却を検討している方も多いはず。住宅ローン返済期間中でも、不動産は売却可能です。
ただ、不動産売却には手間と時間がかかるだけではなく、大きなお金が動きます。本気で売却するのであれば、売却によるメリットだけではなく、デメリットについても事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
そこで今回の特集では、「不動産売却」に注目。不動産を売却する際に知っておきたいメリットとデメリットを、現在利用している住宅ローンとの関係も踏まえ、わかりやすく解説します。
不動産売却を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次 【不動産売却のメリットとデメリットとは?】
不動産売却の3つのメリット不動産売却のメリットとデメリットとは?住宅ローンとの関係もわかりやすく解説
はじめに、不動産売却の3つのメリットについてご紹介します。
不動産売却のメリット その1
住宅を現金化できる
不動産を売却することで、住宅(=資産)を現金化できます。また、住宅ローン返済が残っている場合、売却価格が住宅の取得価格を上回れば、住宅ローンを完済することも可能です。
住宅をすぐに現金化できる点は、不動産売却の大きなメリットといえるでしょう。
また、不動産を売却すると、以下のお金が戻ってくるケースも少なくありません。この点もチェックしておきたいポイントです。
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住宅ローンの保証料
組んでいる住宅ローンの種類によっては(※保証料が「一括前払方式」の住宅ローン)、住宅ローン借り入れ時に支払った保証料が戻ってくる可能性があります。 -
火災保険料・地震保険料
必要な手続きを行うと、残りの保険期間分の保険料を返還してもらうことが可能です。ちなみに、火災保険や地震保険の解約は、住宅の引き渡し完了後に行いましょう。
不動産売却のメリット その2
不動産の保有にかかる税金を軽減できる
不動産の保有には、毎年、固定資産税や都市計画税などを支払う必要があります。不動産を売却することで、税金の負担を軽減できる点も、不動産売却のメリットです。
不動産売却のメリット その3
物件価格が値上がりしている場合は売却益を手にできる
購入時よりも物件価格が値上がりしている場合、売却益(=譲渡所得)を得ることができます。この点も、不動産売却を行う際にチェックしておきたいメリットの一つ。
Memo売却益(譲渡所得)とは?
不動産を売却した際に得られる利益のこと。売却代金から、その物件を取得したときの取得費と、売却した際の譲渡費(※不動産売却の際の諸費用含む)を引いた金額。
▶ 売却益(譲渡所得)= 売却代金 - 取得費 - 譲渡費
ちなみに、売却する物件が居住用のもの(※別荘は不可)の場合、所有期間の長短に関係なく、売却益(譲渡所得)から最高3,000万円まで控除される「居住用財産の3,000万円特別控除の特例」という制度が利用できます。
この制度を利用するには、いくつか要件があるほか、確定申告の際に申請が必要になりますが、不動産を売却し、売却益が得られる場合は、上手く活用すると良いでしょう。
コラム「居住用財産の3,000万円特別控除の特例」は「居住用財産の軽減税率の特例」と併用可
上記でご紹介した「居住用財産の3,000万円の特別控除の特例」は、「居住用財産の軽減税率の特例」の制度と併用することが可能です。
「居住用財産の軽減税率の特例」とは、3,000万円の特別控除適用後の譲渡所得に対して、軽減税率が適用されるもの。「物件の所有期間が10年以上」など、所定の要件を満たしている必要がありますが、売却益が非課税になるメリットは大きいので、該当する方はこの制度も必ずチェックしておきましょう。
ちなみに、「居住用財産の軽減税率の特例」も「居住用財産の3,000万円特別控除の特例」と同様、制度を利用するには、確定申告の際に申請が必要です。
不動産売却のデメリット不動産売却のメリットとデメリットとは?住宅ローンとの関係もわかりやすく解説
不動産売却には、さまざまなメリットがある一方でデメリットも存在します。本チャプターでは、不動産売却を行う際に知っておきたいデメリットについて見ていきましょう。
不動産売却のデメリット その1
不動産売却に費用がかかる
不動産売却には、仲介手数料や印紙税、引っ越し費用など、さまざまな費用がかかります。諸費用が発生する点は、不動産売却のデメリットといえるでしょう。また、売却手続きに手間と時間がかかる点にも注意が必要です。
- 不動産売却にかかる主な費用
- 不動産会社への仲介手数料
- 売買契約書に貼る印紙税
- 抵当権抹消費用
- 敷地の測量費
- 引っ越し費用
- 譲渡所得税(※不動産投資で、不動産の売却によって利益が生じた場合)
- その他費用(廃棄物の処分費用、ハウスクリーニング費用 など)
不動産売却のデメリット その2
すぐに売却できない可能性がある
不動産を売却に出しても、すぐに売れるとは限りません。場合によっては、売却先が決まるまで時間がかかることも。
特に、住宅ローン返済期間中の場合、売却先が決まらないと、その期間分の住宅ローンを返済する必要があるため、返済負担が大きくなる点には注意しましょう。
物件は売れない期間が長引くと、その分、価値が下がる傾向があります。不動産売却はスピードも重要なポイント。物件を売却すると決めたら、できるだけすぐに行動に移すことが大切です。
不動産売却のデメリット その3
時期や不動産会社によって売却額が異なる
不動産の価格相場は常に変動しているため、時期によって売却額が変わります。また不動産会社によって、物件の査定額が異なることも。
売却に出す時期や売却を依頼する不動産会社によって売却額が異なる点は、不動産売却のデメリットといえるでしょう。
ちなみに、不動産会社に物件の査定を依頼する際は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 不動産会社に物件の査定を依頼する際のポイント
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複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産会社によって、得意とする物件や地域に差があります。そのため、同じ物件の査定を依頼しても、不動産会社によって査定結果が異なります。場合によっては、査定額に数百万の差が出るケースも。
複数の不動産会社に査定を依頼すれば、査定結果を比較・検討することができ、信頼できる不動産会社が見つかる可能性が高まります。物件の査定は複数の不動産会社に依頼し、査定結果を比較した上で、最終的に利用する不動産会社を選びましょう。 -
不動産一括査定サイトを利用する
物件の査定を依頼する際は、「不動産一括査定サイト(不動産無料査定サイト)」の利用がおすすめです。
「不動産一括査定サイト」とは、エリアや物件の種類など、必要な情報を入力すると、無料で複数の不動産会社に一括査定を依頼できるWebサービスのこと。査定結果はメールや郵送で届き、簡単に査定結果を比較・検討することができます。
不動産一括査定サイトによっては、一部、査定対象外のエリアがある点には注意が必要ですが、複数の不動産会社に物件の査定を依頼する際に、上手く活用したいサービスといえるでしょう。
すまいValue
対象エリア | 全国 |
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査定対象 | マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、その他 |
すまいValueの特徴 |
東急リバブル、小田急不動産、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、野村の仲介+、三井のリハウスの大手不動産会社6社が共同運営する不動産一括査定サイト。 すまいValueでは、物件の種類やエリアなどの情報を入力すると、無料で一括査定の申し込みが可能。査定結果は最大6社から受け取れ、簡単に査定額を比較することができる。 また、全国870の店舗で不動産売却に関する相談に対応。さらに、ユーザーを対象に行ったアンケート調査によると、96.7%が「トラブルなく安心・安全に取引できた」と回答しており、高い評価を得ている点も、すまいValueを利用する大きなメリットといえるだろう。 すまいValueは不動産一括査定サイトを利用する際、ぜひチェックしておきたい。 |
HOME4U(ホームフォーユー)
対象エリア | 全国 |
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査定対象 | マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、店舗・事務所・倉庫、その他 |
HOME4Uの特徴 |
HOME4U(ホームフォーユー)は、NTTグループの「NTTデータスマートソーシング」が運営する国内初・日本最大級の不動産一括査定サイト。東京建物不動産販売、オープンハウスグループ、大成有楽不動産販売など全国約1,500の優良企業と提携。売却査定数は、累計40万件を突破している(※2020年3月時点)。 HOME4Uでは、エリアや物件の情報を入力するだけで、無料で一括査定の申し込みが可能。 査定を依頼する不動産会社は最大6社まで選ぶことができ、選ばなかった不動産会社からは一切連絡が来ない仕組みになっている。 また、個人情報保護のために「プライバシーマーク」を取得しており、第三者に個人情報が公開されることなく、安心して利用できる点も魅力だろう。 利用者満足度も97.5%と高いので、不動産査定を依頼する際は、上手く活用するのがおすすめ。 |
不動産売却に関するQ&A不動産売却のメリットとデメリットとは?住宅ローンとの関係もわかりやすく解説
Q1. 不動産売却をした際、住宅ローン控除はどうなる?
不動産を売却し、住宅ローンを借り入れて新たに住宅を購入する場合、住宅ローン控除は適用されるケースと適用されないケースがあります。
例えば、不動産売却の際に、「居住用財産の3,000万円の特別控除の特例」や「居住用財産の軽減税率の特例」等を利用した場合、これらの制度は住宅ローン控除との併用は不可のため、住宅ローン控除は利用できません。(※ちなみに、以前は要件を満たしていれば、「居住用財産の3,000万円の特別控除の特例」と住宅ローン控除は併用できましたが、税制改正により、令和2年4月1日以降、併用不可となっています。)こうした場合、不動産売却の際に利用できる特例と、住宅ローン控除とで節税効果を比較し、より節税効果の高い方を利用すると良いでしょう。
一方、不動産売却の際に特例を適用していない場合は、不動産を売却しても住宅ローン控除を利用することが可能です。
Q2. 不動産売却には通常、どのくらいの期間がかかる?
売却する物件や利用する不動産会社によって異なりますが、不動産査定から物件の引き渡しまで、3~6か月かかるのが一般的です。
ちなみに、不動産売却は、「不動産査定/不動産会社選び・媒介契約(約1か月程度)→内見・売却活動/売買契約(約1~3か月程度)→物件の引き渡し(約1~2か月程度)」という流れで進んでいきます。
Q3. 不動産売却を成功させるポイントは?
不動産売却を成功させるポイントは、大きく、「①物件の査定を複数の不動産会社に依頼する」「②信頼できる不動産会社と契約する」「③内見の際、物件の第一印象アップを心がける」の3点です。
物件の査定を複数の不動産会社に依頼する際は、無料で一括査定の申し込みができる「不動産一括査定サイト(不動産無料査定サイト)」の利用がおすすめ。
不動産会社と契約する際は、査定額だけではなく、類似物件やエリアでの売却実績、査定価格の根拠、担当者との相性などを踏まえ、信頼できる不動産会社を選びましょう。
また、家の第一印象は、購入検討者の購買意欲を大きく左右するため、内見の際は、事前に室内の掃除や片付けなどをしておき、家の第一印象アップを心がけることが大切です。
まとめ不動産売却のメリットとデメリットとは?住宅ローンとの関係もわかりやすく解説
住宅ローンとの関係も含め、不動産売却のメリットとデメリットについて解説した今回の特集はいかがでしたでしょうか?
不動産売却には、様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。大きな金額のお金が動くことに加え、手間と時間もかかるため、不動産売却を行う際は、そのメリットとデメリットをしっかりと把握しておくことが大切です。
また、売却時、売却益分の税金が控除される特例もあるため、不動産売却を行う際は、こうした制度の適用要件を満たしているかどうかを確認するのも重要なポイント。
不動産売却を検討している方は、本特集を参考に、不動産売却のメリットやデメリット等をチェックし、実際に不動産を売却する際に役立てましょう。
著者 溝口 麻衣
Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。不動産売却のメリットとデメリットに関する調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。