住宅ローンの借り換え住宅ローンの返済期間を延長する方法
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住宅ローンの返済期間を延長する方法とは?メリットとデメリットも紹介住宅ローンの返済期間を延長する方法
「予想していた以上に子どもの教育費にお金がかかる」、「転職して給料が下がった」等、住宅ローンを借り入れた際とは家計の状況が大きく変化し、毎月の住宅ローン返済が苦しくなるケースは実は少なくありません。
現在、住宅ローンを借り入れている方の中には、毎月の住宅ローンの負担を何とか軽減したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はあまり知られていませんが、住宅ローンは返済期間を延長することで、毎月の住宅ローン返済額を減らすことが可能です。
ただ、返済期間の延長は、簡単にできるわけではありません。返済期間を延長する際は、メリットやデメリット、具体的に返済期間を延長する方法について、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
そこで今回は、住宅ローンの返済期間を延長する方法に注目。毎月の住宅ローンの負担が大きく、返済期間の延長を希望する際にチェックしておきたいポインをわかりやすく解説します。
住宅ローンの返済期間を延長するメリットとデメリット住宅ローンの返済期間を延長する方法
はじめに、住宅ローンの返済期間を延長するメリットとデメリットを見ていきましょう。
住宅ローンの返済期間を延長するメリット
毎月の住宅ローン返済額を減らせる
住宅ローンの返済期間を延長するメリットは、毎月のローン返済額の負担を軽減できる点にあります。軽減できた分は「生活費に充てる」、「子供の教育費として活用する」等、さまざまな使い方ができます。
また、住宅ローンの負担を軽減した結果、金銭面はもちろん、精神的な面で余裕が持てるようになる点も、住宅ローンの返済期間を延長するメリットと言えるでしょう。
住宅ローンの返済期間を延長するデメリット
住宅ローン金利の負担が多くなる
住宅ローンの返済期間を延長するということは、その分借り入れ期間が長くなり、その期間も住宅ローン金利を払い続ける必要があるため、基本的には住宅ローンの総返済額が増加します。これは、住宅ローンの返済期間を延長するデメリットといえるでしょう。
(※ただし、延長する返済期間が短期間で、現在組んでいる住宅ローンよりも金利の低い住宅ローンに借り換えができる場合、総返済額が減るケースもあります。)住宅ローンの返済が定年退職後まで継続する可能性も
返済期間を延長した結果、定年退職後も住宅ローンの返済が継続する可能性がある点には注意が必要です。この場合、住宅ローンを無理なく返済するために、定年後の仕事についても考える必要があります。
返済期間を延長した場合は、その後のライフプランを改めてしっかり考え、繰り上げ返済を上手く活用するなど、できる限り定年退職前に住宅ローンを完済できるようにしておくと良いでしょう。
住宅ローンの返済期間を延長する2つの方法住宅ローンの返済期間を延長する方法
本チャプターでは、住宅ローンの返済期間を延長する方法をご紹介します。住宅ローンの返済期間を延長する方法として、以下の2つが一般的です。
住宅ローンの返済期間を延長する2つの方法
それでは、それぞれの方法のポイントを、解説していきます。
住宅ローンの返済期間を延長する方法 その1
現在組んでいる住宅ローンの返済期間を延長する
住宅ローン借り入れ先の金融機関に返済条件の見直を申し入れ、返済期間を延長する方法。
一般的に、住宅ローンの返済期間が35年を超えない限り、多くの金融機関で返済期間の延長を認めてもらうことが可能です。
ただし、返済期間を延長するには、所定の審査に通過しなければならない点には注意が必要。
審査基準は金融機関によって異なりますが、「年収、月収が基準額を下回っているか」、「返済状況(これまでに返済遅延はないか)」、「返済期間延長の妥当性(返済期間の延長が必要な事案か、返済期間を延長しても継続的な返済が可能か)」「完済時の年齢」といった点がチェックされます。
住宅ローン借り入れ先の金融機関に相談して返済期間を延長する場合の手順は以下の通りです。
現在組んでいる住宅ローンで返済期間を延長する方法
- Step1住宅ローン借り入れ先の金融機関に、返済期間延長の希望を伝える。
Step2申請書の記入・提出
※金融機関によっては、申請書以外の書類の提出が必要になるケースもあるため、事前に金融機関に確認しておくとスムーズです。
Step3審査
※審査期間:金融機関によって異なりますが、2~3週間程度。
Step4審査に通過した場合、住宅ローンの返済期間を延長
上記の内容からもわかるように、返済期間の延長には所定の審査があり、審査結果が出るまでには一定期間がかかります。返済期間の延長を希望しても、すぐに希望が通るわけではありません。現在組んでいる住宅ローンの返済期間延長を希望する場合は、できる限り早めに金融機関に相談しましょう。
住宅ローンの返済期間を延長する方法 その2
住宅ローンを借り換え、返済期間を延長する
他の金融機関が提供する住宅ローンに借り換え、返済期間を延長する方法。数ある金融機関の中には、借り換えによる返済期間の延長に対応しているところがあり、住宅ローンを借り換えることで、返済期間を延長できます。
また、現在組んでいる住宅ローンと比較した際、より金利の低い住宅ローンに借り換えれば、毎月の返済額を抑えつつ、住宅ローンの総返済額を圧縮することが可能です。
住宅ローンを借り換えることで返済期間を延長する場合は、借り換え時の住宅ローン金利に加え、返済期間の延長に柔軟な金融機関を選ぶと良いでしょう。
ただし、住宅ローンを借り換え、返済期間を延長する場合、以下の点に注意が必要です。
住宅ローンを借り換え、返済期間を延長する場合の注意点
諸費用が発生する
住宅ローンを借り換える場合、事務手数料や保証料、印紙代、登記費用といった諸費用が発生します。「諸費用」といっても、何十万とかかるケースが多いため、実際に住宅ローンを借り換える場合、いくらくらい諸費用がかかるのか、事前に確認しておきましょう。借り換えの手続きに時間と手間がかかる
新規で住宅ローンを組む場合と同様に、借り換えの際も、金融機関への相談や、提出書類の準備、審査等が必要になるため、住宅ローンの手続きに一定の手間と時間がかかります。すぐに借り換えができない点には注意が必要。住宅ローンの返済状況によっては借り換えできない場合も
現在借り入れている住宅ローンを延滞している場合、その情報が、CICやJICCといった信用情報機関に登録されるため、借り換えの申し込みをしても審査に通るのが難しく、借り換えできないケースがあります。
ちなみに、信用情報機関に記載されている信用情報は、申請すれば本人が閲覧することも可能。(※手数料:500円~1,000円)
借り換えで返済期間を延長できるおすすめの住宅ローン
住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)
住宅ローン借り換えによる返済期間延長の条件 | 35年から、「借り換え対象となる住宅ローンの借入日からの経過分(=現在組んでいる住宅ローンの経過期間分)」を差し引いた期間分を上限として、返済期間の延長が可能。 |
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例 |
現在組んでいる住宅ローン
住信SBIネット銀行に借り換えた場合 35年-5年(※現在組んでいる住宅ローンの経過期間分) 《現在:25年 ⇒ 借り換え後:最大30年 … 最大5年間の返済期間延長が可能》 |
住信SBIネット銀行の特徴
数ある金融機関の中でも、トップクラスの実績と満足度を誇る住信SBIネット銀行の住宅ローン。
住信SBIネット銀行では、住宅ローン借り換えによる返済期間の延長に対応しており、35年から「現在組んでいる住宅ローンの経過期間分」を差し引いた期間分を上限とし、返済期間を延長することができる。例えば、借り入れ期間30年で住宅ローンを組み、5年経過した時点で、住信SBIネット銀行に借り換える場合、「35年ー5年(※現在組んでいる住宅ローンの経過期間分)=30年」となり、最大30年まで返済期間の延長が可能。返済期間を延長し、毎月の返済負担を軽減できる点は大きな魅力といえるだろう。
また、業界最低水準の住宅ローン金利を実現しており、有利な金利で住宅ローンの借入ができる点や、団信・全疾病保障が無料付帯する点もチェックしておきたい。
さらに、住信SBIネット銀行では、Webからの申し込み・契約に対応しており、申し込みから融資実行まで来店不要で手続きが行える点も魅力。
住宅ローンの借り換えで、返済期間を延長しつつ、総返済額を圧縮したい人にとって、住信SBIネット銀行は利用を検討すべき住宅ローンの一つといえるだろう。
ARUHI フラット35
住宅ローン借り換えによる返済期間延長の条件 | 現在借り入れている住宅ローンの残存期間に関わらず、最長35年の借り入れ期間を設定可能。ただし申し込み時の年齢が70才以下であること。(※親子リレー返済を利用する場合を除く) |
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例 |
現在組んでいる住宅ローン
ARUHIのフラット35に借り換えた場合 最長35年まで返済期間の延長が可能 《現在:30年 ⇒ 借り換え後:最大35年 … 最大5年間の返済期間延長が可能》 |
ARUHIのフラット35の特徴
ARUHIは、住宅ローン専門の金融機関最大手。フラット35の取り扱い実績でもNo.1※を誇っている。
ARUHIのフラット35は、他の金融機関からはもちろん、フラット35からの借り換えにも対応しており、最長35年まで返済期間を延長することができる。またARUHIは、来店不要で直接申し込むことができるARUHIダイレクトを利用すると、通常2.2%(税込)の事務手数料が1.1%(税込)にダウン※2 ※3
。他のネット銀行の住宅ローンと比較しても、安価な手数料で借り換える事ができる点もチェックしておきたい。
その他にも頭金を用意すると、借り換え時の金利が有利になるスーパーフラットを提供している他、保証料無料、一部繰り上げ返済手数料もWeb経由且つ10万円から無料になる点も嬉しい。
借り換えるタイミングで金利を全期間固定したい方はもちろん、ネット銀行での借り換え時にかかる事務手数料が気になるという方にとっても、ARUHIのフラット35は利用を検討する価値がある住宅ローンと言えるだろう。
- 1. 2010年度-2023年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2024年3月末現在、ARUHI調べ)
- 2. ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
- 3. 最低事務手数料220,000円(消費税込)
SBI新生銀行 住宅ローン
住宅ローン借り換えによる返済期間延長の条件 | 現在借り入れている住宅ローンの残存期間に関わらず、最長35年の借り入れ期間を設定できる。(※ただし、完済時の年齢が所定の年齢内であること…完済時の年齢が80歳未満) |
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例 |
現在組んでいる住宅ローン
SBI新生銀行に借り換えた場合 最長35年まで返済期間の延長が可能 《現在:25年 ⇒ 借り換え後:最大35年 … 最大10年間の返済期間延長が可能》 |
SBI新生銀行の特徴
利便性の高さと充実したサービス内容に定評があるSBI新生銀行の住宅ローン。
SBI新生銀行では、住宅ローンの借り換えによる返済期間の延長に対応しており、現在借り入れている住宅ローンの残存期間に関わらず、最長35年まで返済期間を延長することができる。(※ただし、完済時の年齢が80歳未満であること)
またSBI新生銀行では、事務手数料を「定率型」と「定額型」から選択可能。定率型の場合、事務手数料は借入金額の2.2%(税込)となっているものの、定額型よりも低い住宅ローン金利が適用される。一方、定額型の場合、事務手数料は通常5.5万円(税込)と他の金融機関と比較しても安く設定されている(※「安心パックW」「安心パックS」付帯時は11万円(税込))。特に、住宅ローンの借り入れにかかる初期費用を安く抑えたい場合、定額型を上手く利用すると良いだろう。
さらに、一般団信に加えて安心保障付団信を無料付帯できる点、保証料や一部繰り上げ返済手数料が無料となっているのも大きな魅力。
借り換えにかかる諸費用を抑えつつ、住宅ローンの借り換えで返済期間の延長を希望する際、SBI新生銀行は有力な選択肢の一つとしてチェックしておきたい。
まとめ住宅ローンの返済期間を延長する方法
住宅ローンの返済期間は、短縮することはもちろん、必要に応じて延長することも可能です。
ただし、住宅ローンの返済期間を延長するには、各種審査をはじめ、様々な手続きを行う必要があることから、申し込みから返済期間の延長が適用されるまで、ある程度時間がかかる点には注意が必要です。
毎月の住宅ローン返済が苦しく、延滞してしまった・・・ということがないよう、返済期間の延長を希望する際は、早め早めに手を打っておくのがおすすめ。
また、現在借り入れている住宅ローンの返済期間や住宅ローン残高から、住宅ローンの返済期間を延長することで、どのくらいの住宅ローンの返済負担を軽減できるのかについても、事前にしっかり確認しておきましょう。
毎月の住宅ローンの返済負担が大きく、返済期間を延長したいと考えている方は、本特集を参考に、返済期間を延長するメリットやデメリット、返済期間を延長する方法についてチェックし、実際に住宅ローンの返済期間を延長する際に役立てましょう。
著者 溝口 麻衣
Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。住宅ローンの返済期間を延長する方法についての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。