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住宅ローン借り換えのタイミングはいつ?4つの事例とケース別の対処法を解説
- 住宅ローンの借り換え
住宅ローンの借り換えはどのタイミングで行うのが良い?
住宅ローンを返済中の方であれば、現在よりも有利な条件の住宅ローンを見つけた場合、「借り換え」を検討するのではないでしょうか。
住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンを別の金融機関から借り入れた資金で完済し、住宅ローン契約そのものを別の金融機関に乗り換えることを言います。
住宅ローンを借り換えることで、「適用金利」「金利タイプ(変動、固定)」「団信の保障内容」などは新たに借り入れる住宅ローンのものが適用されるため、上手く借り換えることができれば、総返済額を減らす効果や万一の保障を手厚くする効果があります。
その一方で住宅ローンを借り換える際は、事務手数料をはじめとした諸費用が再度必要になります。
そのため、やみくもに借り換えるのではなく、いくつかのタイミングや借り換えに適した条件を把握しておき、目的を持って借り換えることをおすすめします。
そこで今回は、「住宅ローンを借り換えるタイミング」にスポットを当て、借り換えを検討するのに適したタイミングと借り換えの目的に応じたチェックポイントについて解説します。
住宅ローン借り換えのタイミングはいつ?4つの事例とケース別の対処法を解説
住宅ローン借り換えのタイミング
1固定金利期間が終了するとき
住宅ローンの借り換えのタイミングとしてもっとも一般的なのは、当初5年や当初10年といった固定金利期間が終了するときです。
住宅ローンの金利タイプのうち、「当初固定金利型」や「固定金利期間選択型」と呼ばれる金利の固定期間が決まっているタイプは、借り入れ当初の固定期間が終了する際、翌年以降の金利がほぼ100%上昇します。
これは、当初固定型の住宅ローンが、金利の固定期間中はその金融機関の本来の住宅ローン金利(基準金利)から大幅に優遇した金利を適用しているため。
固定期間中の優遇がなくなったことによる金利上昇なので、上昇幅を抑えたい場合は、同じ金融機関で新たな金利タイプを選び直す(変動金利など)か、他の金融機関で金利条件の有利な住宅ローン(金利が低い、固定期間終了後の上昇幅が小さいetc.)に借り換える方法がおすすめです。
固定金利期間終了の借り換えにおすすめの住宅ローン
大手ネット銀行「住信SBIネット銀行」が提供する住宅ローン。業界最低水準の住宅ローン金利を提供しており、住宅ローンの新規実行額ではネット銀行中No.1の実績を誇る(2022年度)。
取り扱う金利タイプは、変動金利、固定金利特約型(当初固定金利型)。
また、優遇金利の引下げ方法が異なる「当初引下げプラン」と「通期引下げプラン」の2種類の金利プランを選択できる。
団信の付帯保障が手厚い住宅ローンとしても知られており、すべての病気・ケガを対象とした就業不能時に住宅ローン返済が免除される「全疾病保障」を金利上乗せなしで付帯可能。50歳以下であればガン、脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾病にかかった場合に住宅ローン残高が50%になる「3大疾病50プラン」も無料付帯できる。
金利 ※2024年10月実行金利
変動 | 年0.448%(通期引下げプラン)
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10年固定 | 年1.203%(当初引下げプラン) |
20年固定 | 年1.603%(当初引下げプラン) |
30年固定 | 年1.653%(当初引下げプラン) |
- 審査結果によっては、表示金利に年0.1%~0.3%上乗せとなる場合があります。
- 借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
基本情報
団信 |
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取り扱い事務手数料 | 借入金額の2.2%(税込) | |||||||||||||||
保証料 | 無料 | |||||||||||||||
一部繰り上げ返済手数料 | 無料 |
住宅ローンの固定期間終了後の手続きと、他の住宅ローンに借り換える際のポイントを解説。さらに、固定期間終了後の借り換えにおすすめの住宅ローンも紹介しています。
2変動金利から固定金利へ変更するとき
金利タイプの変更、特に変動金利から固定金利に変更する際も、住宅ローンの借り換えタイミングのひとつです。
たとえば、借り入れ当初は返済額が少なくて済む変動金利を選択したが、将来の金利上昇に備えて固定金利に変更するなど、ご自身のライフプランや市中金利の状況によって柔軟に住宅ローンを調整するのは、将来にわたり無理なく返済するために重要な考え方でしょう。
ただし、変動金利から固定金利へ変更する場合、適用金利がアップする可能性が高いので、返済額の増額や返済期間の延長を覚悟する必要があります。 現在の金融機関で固定金利を選択した場合と他の金融機関が提供している固定金利とを比較し、より有利な住宅ローンがあれば借り換えを検討すると良いでしょう。
おすすめは、民間の金融機関と、政府系金融機関の住宅金融支援機構が提携して提供する「フラット35」。全期間固定金利型の住宅ローンの中でも金利水準が低く、さらに【フラット35(保証型)】を取り扱う金融機関では、頭金(自己資金)の割合によって金利優遇を受けられます。
変動金利から固定金利の借り換えにおすすめの住宅ローン
住宅ローン専門金融機関「ARUHI」が提供するフラット35。2010年から14年連続でフラット35のシェアNo.1を誇る(2024年3月末現在)。
業界最低水準のフラット35金利を提供しているほか、自己資金の割合に応じてさらに金利を引き下げる独自のフラット35商品「ARUHI スーパーフラット借換」(【フラット35(保証型)】)も取り扱う。いずれも借り換えに対応しているため、全期間固定金利型の住宅ローンを検討している場合は有力な選択肢となるだろう。
また、ARUHI フラット35は、仮審査から契約締結まですべてをWEB上で手続き可能。オンラインから借り入れ手続きを完結させることで、通常2.2%(税込)の事務手数料が融資金額の1.1%(税込)になる。
事前審査は最短当日・本審査は最短3営業日に結果がわかり、スピード審査に対応している点も嬉しい。
- 2010年度-2023年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2024年3月末現在、ARUHI調べ)
- 【フラット35】業界最低水準(ただしスタンダードタイプの場合)。ARUHI 調べ。
- ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
- 最低事務手数料220,000円(消費税込)
金利 ※2024年10月実行金利
15-20年固定 | 年1.43% |
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21-35年固定 | 年1.82% |
- 融資比率9割以下/買取型の場合
- いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
基本情報
団信 | 原則、機構団体信用生命保険に加入
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取り扱い事務手数料 | 借り入れ金額の2.2%(税込)
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保証料 | 無料 |
一部繰り上げ返済手数料 | 無料
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住宅ローンを変動金利から固定金利に借り換える際の3つのポイント
金利タイプの特徴を比較する、変動金利のリスクを知る、適切なタイミングで借り換える他、住宅ローンを変動金利から固定金利へ借り換える際にチェックしておきたいポイントをわかりやすく解説。
3毎月の返済が厳しくなったとき
住宅ローンは数十年にわたり返済が続く大きな借り入れです。長い返済期間中には、ライフスタイルの変化や他のローンの追加などによって月々の返済が厳しくなるケースもあるでしょう。
住宅ローンの返済がきつい場合、最初に行いたいのは、借り入れ中の金融機関にできる限り早く相談することです。何も相談しないまま滞納してしまうと、信用情報に延滞の記録が残り、新たなローンの借り入れやクレジットカードの作成ができなくなる上、最悪の場合は住宅を差し押さえられる可能性もあります。
一方、すぐに滞納するほどではないけれど、月々の返済を負担に感じている場合は、住宅ローンの借り換えによって対応できないか検討してみましょう。
借入中の住宅ローンで返済期間の延長や返済額の減額をする場合、総返済額が増えるのはもちろんのこと、場合によっては金利が上乗せとなる可能性もあります。
本格的に返済が苦しくなる前に、条件の有利な住宅ローンに借り換えることができれば、総返済額や金利のアップを避けられるケースもあるでしょう。
一般的には、以下の条件を満たしていれば、住宅ローンの借り換えによって総返済額や月々の返済額を減らせる可能性が高いと言われています。
- 借り換え前と借り換え後の金利差が年1.0%以上
- 住宅ローンの残債が1,000万円以上
- 住宅ローンの返済期間が10年以上
また、上記の条件を満たしていない場合も、借り換え先の金融機関が提供しているサービスによっては住宅ローンを借り換えるメリットが大きいことがあります。
住宅ローンの返済がきつい場合の主な対処法
- 1車を買い替える・手放す
(自転車・バイク・軽自動車に変更、カーシェアリングの利用など) - 関連リンク住宅ローンと車のローンの返済がきつい場合の対処法
- 2家計の固定費の見直し
(携帯電話代、習い事代、各種サブスクなど) - 関連リンク住宅ローンの返済と教育費の支払いで苦しい場合の対処法
- 3金融機関に相談して返済期間の延長を相談
- 関連リンク住宅ローンの返済期間を延長する方法 / 住宅ローンを滞納した場合の3つの対処法
- 4金利の低い住宅ローンへの借り換え
(変動金利、ネット銀行が提供する住宅ローンなど) - 関連リンク住宅ローン返済がきついと思ったら。手遅れになる前に知っておきたい4つの対処法
- 5物件の売却を検討
- 関連リンク住宅ローンのボーナス払いが払えない場合はどうする?おすすめの対処法と売却のコツ
4名義変更をしたいとき
住宅ローンの返済中に名義を変更する必要がある場合も借り換えを検討するタイミングのひとつ。
住宅ローンは融資前に契約者の年収や勤続年数、健康状態を審査した上でその契約者個人に融資を行うため、名義変更は原則として困難です。
そのため、住宅ローンの名義を変更したい場合は借り換えが有力な選択肢となります。
住宅ローンの名義変更が必要になるケースは、主に以下の3パターンです。
- 離婚により、物件を夫または妻の名義に変更(統一)する場合
- ペアローンを組みたいなど夫婦間で名義を変更する場合
- 親子リレーローンへの変更など親子間で名義を変更する場合
離婚により、物件を夫または妻の名義に変更(統一)する場合
住宅ローンの名義変更のニーズが最も高いのは、離婚のタイミングです。住宅ローンをペアローンや夫婦の共同名義で借り入れている場合、離婚によってどちらか一方に名義を統一する必要性が出てきます。
たとえば、夫(妻)名義の住宅ローンを妻(夫)に変更したい場合や、夫婦名義の住宅ローンを夫婦のどちらか一方の名義に統一したい場合は、住宅ローンを借り換えることで名義の変更が可能です。
ペアローンを組みたいなど夫婦間で名義を変更する場合
離婚以外の理由(ペアローンに変更したいetc.)で住宅ローンの名義を変更したい場合も、現在の金融機関では対応が難しい可能性が高いと言えます。
借り換えの場合も契約者それぞれに審査は行われるものの、夫婦とも返済能力がある場合は借り換えを検討してみましょう。
ペアローンを解消したいときも住宅ローン借り換えのタイミング?
夫婦(や親子)などの生計を一にする2名が、住宅購入の際、それぞれに住宅ローンを契約するペアローン。実は、離婚や、夫婦のどちらかが仕事を辞めて専業主婦(夫)になる等の理由からペアローンを解消し、住宅ローンを一本化したい場合も、住宅ローンを借り換えるタイミングのひとつです。
ただ、ペアローンの借り換えには財産分与や贈与税との兼ね合いもあるため、いきなり借り換えの手続きを進めるのではなく、まずは現在住宅ローンを組んでいる金融機関に相談するのがおすすめ。
特に、住宅の名義や持分割合を変更する場合、金融機関への連絡が必須となっています。(※ただし、債務者等に変更のないペアローンからペアローンへの借り換えは、通常の借り換えと同様に考えて問題ありません。)
また、ペアローン一本化への対応は金融機関によって異なり、「借り換えるタイミングで2つの契約を1本にすることはできない」としている金融機関も少なくありません。
そのためペアローンの解消を希望する場合は、現在借り入れている金融機関にペアローンの解消を相談するか、ペアローンの片方を完済するなどして単独契約にすることから借り換えの準備を始めると良いでしょう。
ペアローンを借り換えて夫婦の片方に一本化することはできる?離婚をするケースとそれ以外のケースに分けてペアローンの借り換えを解説。
親子リレーローンへの変更など親子間で名義を変更する場合
親が単独で契約していた住宅ローンを親子で返済したい場合も、住宅ローンの借り換えを行うことで名義を親子に変更することが可能です。
「親子ペアローン」の場合は、親と子が契約者となって同時に返済をしていきますが、一本の住宅ローン契約を親が先、子があとに支払う「親子リレーローン」もあります。どちらも、親子それぞれに審査があり、同居が条件となるなど、利用時に制約のあるケースが多いため、金融機関ごとの利用条件を確認しましょう。
住宅ローンの借り換えとパターン別で考える名義変更 -夫婦、離婚、親子の場合-
住宅ローンを借り換えるタイミングで名義変更したい方のために、パターン別に名義変更のポイントを解説します。