銀行の選び方住宅ローンの団体信用生命保険を比較!プロのおすすめは?
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住宅ローンの団体信用生命保険(団信)に違いはある?住宅ローンの団体信用生命保険を比較!プロのおすすめは?
住宅ローンを契約する際、ほとんどの方が加入するのが「団体信用生命保険」です。
団体信用生命保険(通称:団信)とは、住宅ローン契約者に万一のことがあった場合に、保険会社が債務を肩代わりすることで、契約者の住宅ローン残高がゼロになる、言わば住宅ローンに特化した生命保険のこと。住宅ローンを提供する金融機関では、契約時に、ほぼ加入必須となっています。
しかし、ひとくちに団信と言っても、金融機関によって保障の内容は様々。死亡保障のみのシンプルな団信から、病気等で働けなくなった場合に住宅ローン残高がゼロになる疾病保障が付帯した団信まで、幅広いバリエーションがあります。
団信保険料についても無料のものと有料のものがあるため、「住宅ローンの諸費用を節約したい」という方や、反対に「手厚い団信をかけておきたい」という方は要チェック。
そこで今回の特集では、「住宅ローンの団体信用生命保険(団信)」をテーマに、団信の種類や、団信を比較する場合のポイントを解説。団信について知っておきたい注意点など、団体信用生命保険に関する様々な知識をご紹介します。
住宅ローンの団体信用生命保険(団信)には2種類ある住宅ローンの団体信用生命保険を比較!プロのおすすめは?
住宅ローンの団信には、「一般団信」と呼ばれる基本的な保障内容のものと、「特約付き団信」という、プラスアルファの保障が付帯したものの2種類があります。
一般団信とは?
一般団信は、保障内容が「死亡&高度障害」のみの、もっとも基本的な団体信用生命保険です。住宅ローン契約者が死亡もしくは高度障害状態になった場合に保障が適用され、住宅ローン残高がゼロになります。
一般団信は、住宅ローンを提供するほぼすべての金融機関が取り扱っており、保険料は住宅ローン金利に含まれるケースがほとんど。
フラット35など一部、団信加入が必須でない住宅ローンもあります。
- 一般団信の特徴
- 保障内容は、死亡・高度障害
- 保険料は、住宅ローン金利に含まれることが多い
- ほとんどの住宅ローンで加入必須
特約付き団信とは?
特約付き団信とは、一般団信にさまざまな追加の保障が付帯した団体信用生命保険です。
がんなど特定の疾病と診断された場合や、ケガや疾病を原因として働けない状態(就労不能)になった場合に、住宅ローン残高の支払いが延期、もしくは免除となるものが一般的。
特約部分の保障内容は、金融機関によって多くのバリエーションがあり、どのような場合に保障が適用されるのか、その条件もまちまちです。
保険料についても、金利に含まれている団信(追加の保険料支払いが不要)から、金利の上乗せや別途保険料の支払いが必要となる団信までさまざまです。
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- 特約付き団信の特徴
- 保障内容は、疾病・ケガ保障(就業不能保障)が多い
- 保障の適用条件は、金融機関や住宅ローンにより異なる
- 保険料は、住宅ローン金利に含まれる場合、金利上乗せとなる場合などさまざま
- 加入は任意
知っておきたい、団信の注意点
カバーできるのは住宅ローンのみ | 生命保険のように、死亡や疾病が保障される団体信用生命保険ですが、注意したいのは、民間の生命保険とは異なり、団信は住宅ローン契約(おもに住宅ローン残高)に対してのみ適用される点でしょう。 契約者に万一のことがあったときに必要となるお金は、とくに契約者がメインの稼ぎ手であった場合、家族の日々の生活費や子どもの学費など、決して少なくありません。 |
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団信に加入することで、万一の場合のセーフティネットが増えることは事実ですが、家族が必要とするお金をチェックしたうえで、民間の生命保険や貯蓄などで備える視点も大切です。 | |
健康状態によっては加入できないことがある | 団信は生命保険となるため、加入前には健康状態の審査が行われます。既往症や現在治療中の病気などがある場合、団信に加入することができず、それが原因で住宅ローンを組めないケースも。 |
健康状態が原因で団信の保険会社が引き受けできない場合は、住宅ローン審査の段階で落ちることが多いでしょう。 その場合は、団信未加入でも契約可能な住宅ローン「フラット35」を利用するか、持病がある人を対象とした引受基準緩和型の団信を扱う金融機関(auじぶん銀行 住宅ローンなど)がおすすめです。 |
一般団信を比較するときのポイント住宅ローンの団体信用生命保険を比較!プロのおすすめは?
住宅ローンの団信を「一般団信」で検討している場合、金融機関ごとにどのような点を比較すると良いのでしょうか。
一般団信の基本的な保障内容は、「死亡・高度障害」となるため、金融機関ごとの違いはそれほど目立たないように感じるかもしれません。
しかし、住宅ローンに力を入れている金融機関の中には、一般団信に疾病保障を付帯し、金利上乗せなしで提供するなど、サービスの拡充に努めているところも多く、他の金融機関の「特約付き団信」のような団信を無料で利用することができるケースも。
特にネット銀行は、疾病保障をはじめとした団信の充実化に積極的。金利面でも有利な住宅ローンが多いため、チェックしてみると良いでしょう。
金利上乗せなしで利用できるおすすめの団信の例
がん50%保障団信 | がん(所定の悪性新生物)と診断された場合に、住宅ローン残高が2分の1になる。 |
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全疾病保障 | すべての病気・ケガを対象として、所定の要件を満たした場合に住宅ローン残高がゼロになる。 全疾病保障と言っても、適用される条件は住宅ローンによって違いがあり、入院が継続180日以上となった場合(auじぶん銀行)、就業不能状態による入院が12ヶ月以上続いた場合(住信SBIネット銀行)など、細かな条件は確認が必要。 |
月次返済保障 | すべての病気・ケガを対象として、入院が連続して31日以上になった場合、 また以降の、入院が継続して30日に達する毎に、毎月の住宅ローン返済額を保障。 |
住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)
概要 |
ネット銀行大手「住信SBIネット銀行」が提供する住宅ローン。変動金利に加え、固定金利の低さにも定評がある。 さらに、住宅ローン契約者が40歳未満の場合は、がん・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態になった場合、住宅ローン残高の50%を保障する「3大疾病保障(※3大疾病50プラン)」も基本付帯する。 また、住宅ローン金利を年0.2~0.4%上乗せすることで、契約者が40歳未満の場合は「3大疾病100プラン(※年0.2%金利上乗せ)」、契約者が40歳以上の場合は「3大疾病プラン(3大疾病50または100)」を付帯可能。住宅ローン返済期間中のリスクに手厚く備えられる。 |
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auじぶん銀行 住宅ローン
概要 |
KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資するネット銀行「auじぶん銀行」が提供する住宅ローン。 仮審査から契約まで住宅ローン手続きのペーパーレス化を日本で初めて実現。印紙代を不要とするなど、他社にはないサービスを実現している。 団信は2023年7月1日以降、住宅ローン契約者が満50歳までの場合、4疾病保障を含む「がん50%保障団信」が無料付帯するほか、年0.05%金利を上乗せすることで「がん100%保障団信」を付帯可能。さらに、年0.15%金利を上乗せすれば、4疾病保障付きの「がん100%保障団信プレミアム」を付帯できる。住宅ローン返済期間中の万一にしっかりと備えられるのは嬉しいポイント。 加えて、住宅ローン契約者が満65歳までであれば、年0.3%の金利上乗せで「ワイド団信」も付帯可能。 |
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特約付き団信を比較するときのポイント住宅ローンの団体信用生命保険を比較!プロのおすすめは?
それでは、「特約付き団信」を検討している場合は、どのようなポイントを比較すると良いのでしょうか。
金利を上乗せすることで一般団信に手厚い保障を付帯できる「特約付き団信」は、金融機関がそれぞれに独自の商品を提供しています。
これらの商品を検討する際にまずチェックしたいのが、特約付き団信の保障内容が自分(家庭)にとって本当に必要かどうか。たとえば、すでに加入している医療保険や共済、民間の介護保険などがあれば、そちらの保障内容もしっかり確認しておきましょう。
また、多くの特約付き団信は、利用時に金利が上乗せされるため、特約を付帯した場合としなかった場合で、総返済額がどのように変化するかもチェックしておきたいポイントの1つ。金融機関のシミュレーションを利用して、保障内容と返済額のバランスが適切かどうかを見てみましょう。
特約付き団信の保障内容例
特定疾病保障 | 特定の疾病(生活習慣病など)で、所定の就労不能状態が一定期間、継続した場合などに返済が一定期間免除される他、条件を満たすと住宅ローン残高がゼロになる。3大疾病、7大疾病など、対象となる疾病や就労不能期間、上乗せ金利などは金融機関により異なる。 |
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介護保障 | 所定の要介護状態や身体障害状態となった場合に、住宅ローン残高がゼロになる。要介護状態や身体障害状態の規定、上乗せ金利など、適用される条件は金融機関によって異なる。 |
自然災害補償 | 台風や地震などで自宅が損壊した場合に住宅ローンの返済が一定期間、免除となる。補償対象となる損壊の状態や返済免除期間などは金融機関によって異なる。返済免除のほか、住宅ローン残高が削減(2分の1など)される団信もある。 |
SBI新生銀行 住宅ローン
概要 |
利便性の高いサービスを提供する「SBI新生銀行」の住宅ローン。 |
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りそな銀行 団信革命(特定状態保障特約付住宅ローン)
概要 |
りそな銀行が提供する住宅ローン。変動金利や期間固定型の金利に優位性がある。インターネットで申し込みから契約まで完結する電子契約に対応しており、来店不要で手続きができる点も嬉しい。 団信は、大手生命保険会社の「第一生命」と提携することで、独自の手厚い保障を提供。がんと診断確定された場合や所定の高度障害状態に該当した場合に住宅ローン残高がゼロになることに加えて、人工透析を永続的に受ける必要がある等、所定の状態に該当した場合は、仕事に復帰した場合でも住宅ローン残高がゼロになる。 住宅ローンに付帯する場合の保険料は有料で0.3%の金利上乗せ。 |
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まとめ住宅ローンの団体信用生命保険を比較!プロのおすすめは?
住宅ローンは20年、30年と長期にわたって返済するため、ご自身の健康状態や不慮の事故といったあらゆるリスクに、「団信で手厚く備えておきたい」と考える方も多いはず。
事実、健康状態が悪化してからでは、民間の生命保険や医療保険には加入しにくくなるため、住宅ローンの団信を手厚くすることは、決して意味のないことではありません。
また、無料で団信に付帯させることができる特約がある場合は、必ず特約を付帯させておきましょう。
一見、無料に見える特約でも、その裏側では、金融機関が金利を負担しているケースがあり、住宅ローンの金利が、最初から「特約込み」になっているケースもあります。つまり、特約を無料でつけることができる場合は、利用しなければ損をしてしまうのです。
住宅ローンの団信を賢く比較するためには、まず、金融機関ごとの保障内容をチェックしたうえで、それぞれの住宅ローン金利や、上乗せされる金利&手数料、総返済額の変化も含めて考えるのがおすすめ。
今回ご紹介した団信の種類、注意点、比較のポイントも参考に、ご自身に合った住宅ローンと団信を選びましょう!
住宅ローンと団体信用生命保険 Q&A
Q1. 団体信用生命保険への加入に年齢制限はある? |
A1. 団体信用生命保険は、住宅ローンとセットで加入するため、住宅ローンの契約可能年齢が団信の上限年齢になると考えて良いでしょう。フラット35の場合、団信(新機構団信)の年齢制限は、満15歳以上満70歳未満と定められています。民間の金融機関の場合は、定年までに完済を求めるケースも多いため、住宅ローンの返済期間が長い(最長35年)と、団信への加入可能年齢も40代前後まで前倒しになる可能性があります。 一方、親子リレー返済などを利用する場合、親が団信すると満80歳まで保障対象となり、子供が住宅ローンを契約を引き継ぐ場合は満70歳まで加入が可能です(健康状態に問題がない場合)。 |
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Q2. 団体信用生命保険は病気の場合も加入できる? |
A2. 団体信用生命保険は一般的な生命保険と同様、加入時に健康状態の告知が必要です。持病がある場合は、病気の種類や状態によって引受不可となる場合も。 団信への加入を断られると、住宅ローンそのものを契約することもできません。 ただし、金融機関の中には、持病がある人のために引受基準を緩和した「ワイド団信」を取り扱っているところがあります。ワイド団信は、通常の団信で加入を断られる疾病でも引受可能となる場合があるので、通常の団信を断られた場合は検討してみましょう。 なお、ワイド団信を利用する場合、団信保険料は有料のケースがほとんど。おおむね0.3%前後の金利が上乗せになります。 |
Q3. 団体信用生命保険に夫婦で加入する場合の注意点は? |
A3. 団体信用生命保険に夫婦で加入する場合とは、住宅ローンの契約も、夫と妻でそれぞれ1本ずつ締結している状態です(ペアローン)。 そのため、夫婦のどちらかに万一のことがあった場合、死亡したほうの住宅ローン残高は団信によってゼロとなりますが、生存しているほうの返済義務は残ります。 また、団信に加入する際は、夫婦のどちらも健康状態が良好であることが必要です。 |
著者 長尾 尚子
フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども3人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級
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