金利タイプ別住宅ローンの固定金利20年を比較。プロがおすすめする商品は?
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住宅ローンの固定金利、期間20年の利用者が増加中住宅ローンの固定金利20年を比較。プロがおすすめする商品は?
住宅ローンの固定金利と言っても様々な年限があり、住宅ローンを借り入れる方は、どの程度の期間で借り入れるべきか、誰もが悩むもの。
なぜなら住宅ローン金利は、原則として借り入れ期間(当初固定期間)が短ければ短いほど、金利が低く、借り入れ期間が長ければ長いほど金利が高くなる一方で、期間が長い住宅ローンは、将来の金利上昇の不安を抑えることができるメリットがあるからでしょう。
一般的には変動金利及び固定金利10年が、住宅ローン利用者の中で、最もボリュームがあるゾーンと言われていますが、2018年に入り、じわじわと人気が出てきているのが、固定金利20年です。
そこで今回の固定金利20年に注目。実際に固定金利20年の利用を検討している方に、注目すべきポイントや固定金利20年に強いおすすめの住宅ローンもご紹介します。
住宅ローンの固定金利20年、メリットとデメリット住宅ローンの固定金利20年を比較。プロがおすすめする商品は?
固定金利というと、圧倒的な金利の低さが人気の固定2年、3年、まずは固定金利でしばらく返済を固定したいという方に人気の固定10年、返済計画をしっかり立てたいという方に人気の固定金利35年(※フラット35)が有名です。では固定金利20年には、どういうメリットがあるのでしょうか?デメリットも含め、考えます。
固定金利20年にすると、短期金利や固定金利10年と比較すると、金利は高くなりますが、35年固定よりも金利が低くなるため、それぞれの良いとこどりをすることが可能です。つまり金利はそこそこに抑えつつ、住宅ローンの支払いを固定し、計画的な返済が可能になる点は、固定金利20年の大きなメリットと言えるでしょう。
ちなみに現在の住宅ローン金利は、非常に低い水準にありますが、20年間の間に金利が大幅に上昇する可能性があります。固定金利20年であれば、固定金利明けに金利が上昇するリスクを把握した段階で、繰り上げ返済に注力し、その後の返済を圧縮することもできるでしょう。つまり将来の住宅ローンの返済リスクをコントロールする上で、固定金利20年は適していると言えます。
対してデメリットは、固定金利20年となると、やはり変動金利や短期固定と比較すると、金利が高くなってしまう点が挙げられます。(ただ期間が長くなればなるほど、金利が上がっていくのは、経済原理から考えると当たり前であり、その分のメリットもあるので仕方がないとも言えます。)
また固定金利20年の人気が高まってきているとはいえ、この期間の金利帯に力を入れている金融機関がまだ少ない点も固定金利20年のデメリットと言えるでしょう。
- 固定金利20年のメリット
- 固定金利30年、35年(フラット35)と比較すると住宅ローン金利が低い
- 相当に長い期間、計画的に住宅ローンを返済できる
- 将来住宅ローン金利が上昇した場合、繰り上げ返済を駆使することで、返済リスクをコントロールできる
- 固定金利20年のデメリット
- 変動金利や短期固定金利と比較すると住宅ローン金利が高い
- 固定金利20年に力を入れている金融機関がまだ少ない
新規借り入れ、借り換えに対応した住宅ローンの固定金利20年を比較。おすすめは?住宅ローンの固定金利20年を比較。プロがおすすめする商品は?
本チャプターでは、固定金利20年に強い住宅ローンを編集部が厳選し、比較します。ピックアップした金融機関は、金利の低さに加え、繰り上げ返済のしやすさや、借り換えへの対応の有無についても調査しています。また事務手数料についてもしっかり比較しているので固定金利20年の利用を検討されている方は、是非チェックしてみてください。
住宅ローン固定金利20年を比較
住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)
特徴 | 2018年2月に住宅ローン取扱額が4兆円を突破。数あるネット銀行の中でも圧倒的な貸出残高を誇っている。住信SBIネット銀行の魅力は固定金利20年はもちろん、全ての期間で低金利を実現している点だろう。また一部繰り上げ返済は1円から無料、団信も無料で全疾病保障を付帯させることができるなど手厚い。 |
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固定金利20年 | 1.603%※2024年9月実行金利
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一部繰り上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 融資金額の2%に相当する金額+消費税 |
団体信用生命保険 | 無料(一般団信に加え、全疾病保障を無料で付帯可能) |
借り換えへの対応 | ◎可能 |
SBI新生銀行 住宅ローン
特徴 | 全国に支店を持つ銀行の中でも、住宅ローンの販売に積極的。他の金融機関とは異なり、固定金利20年に最も力を入れており、新規借り入れはもちろん、借り換えで利用するユーザーも多い。見かけの金利はネット銀行と比較すると高いが、事務手数料が定額で安価な設定になっていることから、総返済額で考えるとSBI新生銀行が有利になるケースも多い。 |
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固定金利20年 | 1.35%※2024年9月実行金利 |
一部繰り上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 10万円+消費税 |
団体信用生命保険 | 無料(一般団信) |
借り換えへの対応 | ◎可能 |
auじぶん銀行 住宅ローン
特徴 | 日本で初めて住宅ローン契約のネット完結を実現。印紙代を不要にするなど、他の住宅ローンにはない様々なサービスを提供。団信についても万一がんになった場合、50%住宅ローンの返済が免除されるがん50%保障団信を無料で付帯できる。一部繰り上げ返済手数料も1円から無料でスマホでいつでも返済可能。固定金利20年の金利も十分に低く、利用を検討する価値は十分ある。 |
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固定金利20年 | 1.765%※2024年9月実行金利
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一部繰り上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 融資金額の2%に相当する金額+消費税 |
団体信用生命保険 | 無料(一般団信に加え、がん50%保障団信を無料で付帯可能) |
借り換えへの対応 | ◎可能 |
どの住宅ローンの固定金利20年も編集部が自信を持っておすすめできる商品ですが、SBI新生銀行は事務手数料が安価な設定になっていることから、借り入れ金額(借り換え金額)が大きくなればなるほど、有利です。
それぞれの住宅ローン商品のホームページから、実際の総返済額をシミュレーションすることができるので、一度試してみると良いでしょう。
まとめ~これから先の金利上昇局面を想定するなら固定金利20年は要チェック~住宅ローンの固定金利20年を比較。プロがおすすめする商品は?
2018年に入り、住宅ローン金利には一部上昇の兆しが見受けられます。米国は2018年に3回の利上げを予定しているように、今後世界の金利が上がっていけば、日本の金利政策が変わると変わらない関係なく、住宅ローン金利も上がっていくことになるでしょう。
また日本はマイナス金利政策やゼロ金利政策が長く続いていますが、これは金融政策としては、普通の状態ではなく、明らかに非常事態であり、長くなればなるほど、そのリスク(副作用)も増していきます。
住宅ローン比較 編集部は、将来の金利上昇に備え、2018年は固定金利で住宅ローンを組むことを推奨しています。固定金利20年は、金利の急激な上昇に備えるのであれば、間違いなく優れた商品です。
固定金利20年の利用を検討している方は、本特集も参考に、無理のない返済計画を立てることができる、住宅ローン商品を見つけましょう。
著者・総監修 早川 聡
住宅ローン含め、金融の専門家(プロ)として様々な記事を執筆しており、最新の金利動向の記事執筆を担当。世界経済の動向を踏まえた金利分析と予測の精度に定評がある。住宅ローン金利の動向に関しては日本経済新聞からの取材を受けた経験あり。