住宅ローン講座住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法

住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法

はじめに住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法

住宅ローンの返済は長期間に渡るため、返済期間中に何が起こるかは誰にもわかりません。現在発生している新型コロナウイルスによる経済の停滞を予想していた人は、世界中を探してもどこにもいないはずです。
事前にしっかり返済計画を立てて住宅ローンを組んだとしても、返済期間中、勤め先の業績悪化や、やむを得ない休業、転職等を理由に、収入が減ってしまう可能性も十分に考えられます

その一方で、契約者の収入が大幅に減ったとしても、基本的に住宅ローンの返済義務が変わることはありません。
では、住宅ローン返済期間中に収入が減少してしまい、ローン返済が厳しくなった場合(あるいは、直近でローン返済が厳しくなりそうな場合)、どのように対処すると良いのでしょうか?

今回の住宅ローン比較では、住宅ローン返済期間中に収入が減ってしまった場合に検討すべき4つの対処法について、わかりやすく解説します。

住宅ローンを組んでいる金融機関で返済特例を用意していないか確認する住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法 その1

住宅ローンを提供している金融機関のなかには、社会情勢を踏まえ、住宅ローン返済が一時的に困難になった人のために、返済を継続できるよう、返済特例や返済猶予策を用意しているところがあります
住宅ローン返済期間中に収入が減少し、返済が厳しくなった場合(または今後返済が厳しくなりそうな場合)は、現在住宅ローンを借入れている金融機関で、返済特例や返済猶予策などを用意しているか、また用意がある場合、自分はその制度を利用できるのかをまず確認しましょう。

コラム フラット35では、新型コロナウイルスで住宅ローンの返済が困難になっている人向けに返済特例を用意

2020年4月23日現在、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携し、提供する全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、住宅ローン返済が困難になっている人向けに、返済特例(返済方法の変更など)を用意しています
フラット35の返済特例の主な内容は以下の通り。

フラット35の返済特例(返済方法の変更など) ※下記3つの組み合わせも可
返済特例 返済期間を延長し、毎月の返済額を減らす。ただし、総返済額は増加。
中ゆとり 一定期間、毎月の返済額を減らす。ただし、総返済額は増加。
ボーナス返済の見直し ボーナス返済月の変更/毎月分・ボーナス返済分の返済額の内訳変更/ボーナス返済の取りやめ

返済特例の利用条件

※以下3つの条件を全て満たしていること

経済事情や病気等の事情により返済が困難となっている方

※経済事情…倒産による解雇、リストラによる転職・退職、業績悪化による給与・ボーナスの減収など

以下の収入基準のいずれかを満たす方

  • 年収が機構への年間総返済額の4倍以下
  • 月収が世帯人数×64,000円以下
  • 住宅ローン(機構に加え、民間等の住宅ローンを含む。)の年間総返済額の年収に対する割合(以下「返済負担率」という。)が、年収に応じて下記の率を超える方で、収入減少割合が20%以上
年収 返済負担率
300万円未満 30%
300万円以上400万円未満 35%
400万円以上700万円未満 40%
700万円以上 45%

返済方法の変更により、今後の返済を継続できる方

現在フラット35を組んでおり、新型コロナウイルスの感染拡大により、仕事の休業および収入減を余儀なくされ、住宅ローン返済が厳しくなっている方は、利用を検討するのがおすすめです。

住宅ローンを組んでいる金融機関に対処法を相談する住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法 その2

借入れ先の金融機関に相談し、住宅ローンの返済条件を見直そう

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収入減による住宅ローンの返済負担が大きく、毎月の返済が厳しい場合(または今後厳しくなりそうな場合)、たとえ返済特例を用意していない場合でも、まずは借入れ先の金融機関に相談することが大切です
(※その際、住宅ローンを契約した当初と現在とで、収入や家計の状況がどのように変わっているか、数値のデータ等があれば提示しましょう。そうすることで、金融機関も対応策を提案しやすくなります。)

金融機関に相談することで、「住宅ローンの返済期間を延長し、毎月の返済額を減額する」「住宅ローンの金利プランを変更し、毎月の返済額を減らす」といった、住宅ローンの返済負担を軽減する選択肢を検討できます

ただし金融機関によっては、住宅ローンの条件変更が難しいケースや、住宅の任意売却をすすめられることも。現在利用している金融機関に相談するだけで、全ての問題を解決できるわけではない点には注意しましょう。

毎月の返済が厳しいからと、住宅ローンを滞納するのは絶対にNG

また、金融機関に相談する際は、早めに相談することも重要です
収入が減り、毎月の住宅ローン返済が厳しいからと住宅ローンを滞納すると、「基準金利での住宅ローン返済(※優遇金利より2%以上高い金利での住宅ローン返済)」や「遅延損害金の支払い」など、さまざまなペナルティが課せられます。さらに、住宅ローンの滞納が長引いた場合、最終的には、不動産を強制売却させられ、マイホームを失ってしまう可能性も。

収入減により毎月の住宅ローン返済が厳しくなりそうな場合は、できるだけ早く借り入れ先の金融機関に相談しましょう。

住宅ローンの借り換えを検討する住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法 その3

金利の低い住宅ローンに借り換え、総返済額を圧縮する

住宅ローン返済期間中に収入が減り、毎月の返済負担が大きい場合、他の金融機関が提供する金利が低い住宅ローンに借り換えるのも一つの方法。現在よりも金利の低い住宅ローンに借り換えることで、総返済額を圧縮でき、毎月の返済額を減らすことが可能です

ただし、現在住宅ローンを組んでいる人すべてが、住宅ローンを借り換えることで総返済額を圧縮できるわけではありません。
一般的に、住宅ローンを借り換え、総返済額を圧縮するには、以下の3つの条件全て(または少なくとも2つ以上)クリアしている必要があります。

  • 住宅ローンを借り換え、総返済額を圧縮する条件
  • 条件その1:現在組んでいる住宅ローンと借り換え後の住宅ローンとの金利差が年1.0%程度(※諸費用分を考慮する場合は、金利差が0.5%以上)
  • 条件その2:住宅ローンの残債が1,000万円以上
  • 条件その3:住宅ローンの残りの返済期間が10年以上

住宅ローンの借り換えを検討する際は、上記の条件をクリアしているか、また、住宅ローンを借り換えた場合、どのくらい総返済額を圧縮できるのか(+毎月の返済額をどれくらい減らせるのか)を事前に確認しておきましょう。

さらに、住宅ローンの借り換えには、事務手数料や保証料、印紙代、登記費用といった諸費用がかかります。ちなみに諸費用は、借入れ金額や返済期間、借入れ先の金融機関によって異なりますが、30万円~80万円程度かかるのが一般的。
住宅ローンを借り換える際は、諸費用についても考慮しておくことが大切です。

住宅ローン審査に通らない場合の住宅ローンの借り換えは、フラット35がおすすめ

また、住宅ローンを借り換えたいと思っていても、収入減により、金融機関によっては審査に通過できず、なかなか住宅ローンが借り換えできないというケースも。

そうした際は、フラット35への借り換えを検討するのも一つの方法です。
フラット35とは、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携し、提供する全期間固定金利型の住宅ローンのこと。他の金融機関とは異なり、フラット35の場合、明確な審査基準が決まっており、収入が減った場合でも、条件を満たしていれば、住宅ローンをほぼ確実に組むことが可能です
また、借り入れ期間中の住宅ローン金利が一定のため、返済計画が立てやすいメリットもあります。収入減による返済負担を軽減するために住宅ローンを借り換える際は、フラット35の利用も候補に入れておくと良いでしょう。

  • フラット35の審査基準
  • 申し込み時の年齢が満70歳未満の方(※親子リレー返済を利用する場合は、70歳以上の方も申し込み可)
  • 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • 自動車ローンやカードローン等を含むすべての借り入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が以下の基準を満たす方
    ・年収400万円未満…年間合計返済額の割合:30%以下
    ・年収400万円以上…年間合計返済額の割合:35%以下
    ※その他、物件に関する審査基準あり。
    ※参考 【フラット35】ご利用条件:長期固定金利住宅ローン

借り換えにおすすめのフラット35

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

9年連続(※2020年4月時点)フラット35の取り扱い件数第1位を獲得しているARUHI(旧SBIモーゲージ)の長期固利型住宅ローン。オリコンが実施する「顧客満足度調査」(※2019年)においても第1位を獲得し、数あるフラット35のなかでも高い人気を誇っている。
ARUHIでは、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。他のフラット35と比較しても、有利な金利で借り入れることができる。また、事前審査は最短当日・本審査は最短3営業日に審査結果がわかり、スピード審査も対応。
さらに、返済口座を全国1,000以上の金融機関から選べるほか、全国に150以上(※2019年3月時点)の実店舗を展開しており、借り換えに際し、不安がある場合は対面にて住宅ローンに関する相談ができる点もチェックしておきたい。

ARUHI  フラット35

住信SBIネット銀行 フラット35

住信SBIネット銀行 フラット35

数ある金融機関のなかで、トップクラスの実績と利用者からの高い満足度を誇る「住信SBIネット銀行」の長期固利型住宅ローン
住信SBIネット銀行 フラット35の特徴は、業界最低水準の住宅ローン金利を実現している点。住宅金融支援機構が指定する金利のうち、毎月最低金利を採用しており、常に有利な金利での借り入れができる点は大きな魅力といえるだろう。
また、事務手数料を他のフラット35と比較しても割安に設定し、諸費用(初期費用)を抑えて借り入れができる「買取型」(※従来のフラット35)と、低金利での借入れに対応しているほか、団信や付帯保障が充実し、万一の際に手厚い保障が受けられる「保証型」の2つのタイプのフラット35を取り扱っている点もチェックしておきたい。
さらに、保証料、一部繰り上げ返済手数料が無料となっているほか、契約の際に「Web契約手続きサービス」を利用すれば、印紙代を節約することが可能。加えて、全ての病気やケガをカバーする(※精神障害等を除く)全疾病保障を付帯できる点も嬉しい。

住信SBIネット銀行 フラット35

マイホームの売却を検討する住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法 その4

マイホームを売却する際のポイントは、スピード×複数の不動産会社への査定依頼

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収入減の状態が長期化し、住宅ローン返済が家計を大きく圧迫する場合や、住宅ローン返済をこのまま継続するのが難しい場合、マイホームを売却し、住宅ローンの総返済額を圧縮するのも一つの方法です。

状況を考慮し、マイホームを売却することを決めた際は、すみやかに手続きを行いましょう
(※マイホームを売却する際はスピードも重要なポイント。時間が経つほど、その期間分の住宅ローンを返済する必要があり、返済負担が大きくなるため、マイホームの売却を決めたら、すぐに手続きを行うことが大切です。)

マイホームの売却にあたっては、まず、マイホームがいくらくらいで売れるのか、不動産会社に査定を依頼し、おおよその売却価格を把握します。
その際、不動産会社ごとに得意とする物件の種別や地域が異なるため、同じ物件でも、不動産会社によって査定価格が異なる点には注意が必要です。マイホームを売却する際は、1社だけに査定を依頼するのではなく、大手、中小、地場の不動産会社というように、いくつかの不動産会社に査定を依頼し、その結果を比較しましょう。ちなみに、必ずしも査定価格が高い不動産会社が良いという訳ではありません。査定に根拠があり、実際に周囲の不動産を仲介した実績が豊富な不動産会社を選びましょう

複数の不動産会社に査定を依頼する際は、不動産一括査定サイトを活用しよう

複数の不動産会社に物件の査定を依頼する際は、「不動産一括査定サイト」の利用がおすすめです。不動産一括査定サイトでは、インターネットから無料で複数の不動産会社にマイホームの査定を依頼でき、簡単に査定価格(売却価格)を比較することが可能。物件の売却価格を調べる際は、上手に活用しましょう。

おすすめの不動産一括査定サイト

HOME4u(ホームフォーユー)

HOME4u(ホームフォーユー)

NTTグループの「NTTデータスマートソーシング」が運営する国内初・日本最大級の不動産一括査定サイト。東京建物不動産売買、野村の仲介+(プラス)、大成有楽不動産販売など、1,300社以上の不動産会社が参加しており、売却査定数は累計35万件以上と、他の不動産一括査定サイトと比較しても、高い実績を誇っている。
HOME4Uでは、所在地や物件情報を入力すると、簡単に無料の査定依頼が可能。また、査定を依頼する不動産会社を最大6社まで自分で選ぶことができ、それ以外の企業から連絡が一切来ない点もチェックしておきたい。
さらに、個人情報保護のための「プライバシーマーク」を取得しており、第三者に個人情報が公開されることが一切なく、安心してサービスを利用できる点も大きな魅力
利用者の満足度も97.5%と高いため、不動産一括査定サイトを利用する際は、ぜひチェックしておきたい。

HOME4u(ホームフォーユー)

まとめ住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法

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住宅ローン返済期間中に収入減になってしまった場合の対処法について解説した今回の特集はいかがでしたでしょうか?

対処法にはいくつかの選択肢があるので、「これまでと比較してどのくらい収入が減ったのか」「収入減の状態が今後どのくらい継続するのか」等を踏まえ、最適な方法を選ぶことが大切です。
また、収入減により、毎月の住宅ローン返済が厳しいと感じたら、できるだけ早めに行動することも重要なポイント。早め早めに対策を行うことで、問題と向き合いましょう。

さまざまな事情により収入が減り、ローンの返済が厳しいと感じている方や、今後収入が減り、ローンの返済が厳しくなる可能性のある方は、本特集を参考に、住宅ローン返済期間中に収入減になった場合の対処法についてチェックし、今後の住宅ローン返済を考える際に役立てましょう。

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。主な執筆ジャンルは英会話、格安SIM、住宅ローン、保険、エンタメ。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指して、日々原稿を執筆中。御朱印集めと北欧関連の情報収集が好き。