金利タイプ別住宅ローンを借り換えできない場合の対処法 審査に落ちる原因をケース別に解説

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住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンを借り換えできない ――審査に落ちたらどうする?住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンの借り換えとは、現在契約している住宅ローンを、より金利の低い住宅ローンに変更すること。総返済額の圧縮や、月々の返済負担の軽減など、さまざまなメリットが期待できます

住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

ちなみに、住宅ローンを借り換える際には、新規で住宅ローンを組むときと同様に、金融機関の審査に通過する必要があります
つい、「新規借り入れのときに問題なく審査に通過できたのだから、借り換えのときも問題ないだろう」と考えてしまいがちですが、実際には、住宅ローンの借り入れから現在までに起きた変化や、申込先の金融機関の審査基準によっては、借り換え審査に落ちてしまうケースも少なくありません。

住宅ローンの借り換えを検討しているものの、審査に落ちてしまい、思うように借り換えできない…という方もいるはずです。

実は、住宅ローンの借り換えで審査に落ちてしまうのには、いくつかの原因があります。そして、それぞれの原因に対して、審査通過率をアップさせるための対処法も存在します

そこで今回は、「住宅ローンの借り換えができない場合の対処法」をピックアップ。5つのケース別に、住宅ローンの借り換え審査に落ちる原因とその対処法をわかりやすく解説します。

住宅ローンの借り換えができないケースとは?住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンの借り換え審査に落ちるケースで多いのは、主に以下の項目に該当している場合です。

年収不足(返済期間中に勤務先の業績悪化等で年収が下がった場合など)

原因返済負担率

年収に占める年間返済額(元本+利子)の割合のことを「返済負担率」と言います。
民間の金融機関では、この返済負担率を20~25%前後に設定するケースが一般的。年収が低い場合は返済負担率も上昇するため、審査に通りにくくなります

転職・独立の直後(転職や独立をして間もない、収入が減った(もしくは不安定)、借入金がある場合など)

原因契約者の勤続年数、年収

住宅ローンの審査項目として「勤続年数」をチェックする金融機関は少なくありません。住宅ローンの申込基準として「勤続1年以上」を条件にしている金融機関もあり、転職や独立したての頃は、住宅ローンの申し込み自体ができないケースがあります。
また、転職や独立によって年収が下がっている場合も、住宅ローンの審査には通りにくいでしょう。

健康状態の悪化(住宅ローン返済中に病気・入院・手術をした場合など)

原因団体信用生命保険への加入不可

住宅ローンの返済期間中に持病などで入院や手術が必要になった場合も審査には通りにくくなります。住宅ローンの多くは、加入時に団体信用生命保険への加入が必須となりますが、既往症がある場合、病状によっては団信に加入できず、借り換えの審査に通りにくくなるでしょう。

オーバーローン(不動産価格の減少等により住宅の価値が下がった(住宅ローン残高のほうが多い)場合など)

原因担保価値の減少

住宅ローンでは、金融機関は契約者の住宅を担保に、住宅資金を融資します。そのため、不動産の値下がりによって住宅の価値が借入額よりも低くなると、本来の担保価値以上のお金を貸し出すこととなり、金融機関の住宅ローン審査に通りにくくなります

住宅ローンやクレジットカードの延滞、その他のローン(住宅ローンやクレジットカードの返済を2ヶ月以上滞納した場合や、カードローンなど他の借り入れがある場合)

原因契約者の信用情報

各種ローンを延滞をすると、信用情報機関に記録が記載されます。この信用情報は、すべての金融機関で共有されるため、延滞の事実があると借り換え審査に通りにくくなります。
特に2か月以上の延滞は信用情報に載るだけではなく、金融機関の心証を悪化させるため要注意です。
また、カードローンで多額の借り入れがあったり、携帯電話の割賦販売などの他の借り入れがある場合も、審査結果や借入額が影響を受ける可能性があります。

上記以外にも、同じ金融機関への借り換え、「財形住宅融資」や「フラット35S」への借り換え、住宅を賃貸物件として貸し出している場合なども、住宅ローンの借り換えができないため、注意しましょう。

  • フラット35Sとは、フラット35の契約者が「長期優良住宅」と呼ばれる省エネルギー、耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に、フラット35の適用金利を一定期間引き下げた住宅ローンのこと。
    ちなみに、「フラット35→フラット35S」への借り換えはできないが、「フラット35S→フラット35」への借り換えは可能。

住宅ローンが借り換えできない場合の対処法 その1:年収不足の場合住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

年収不足で借り換えができない場合は、返済負担率の高さがネックとなっているケースがほとんどです。返済負担率は「年収が低い」「借入額が多い」「住宅ローン金利が高い」のいずれかの原因によって上昇します。

年収をアップさせるためには、夫婦や親子の年収を合わせる「収入合算」がおすすめ
また、「繰り上げ返済をして借入額を減らす」「変動金利などの金利の低い住宅ローンを選ぶ」等の方法も検討すると良いでしょう。

自動車ローンやカードローン等を含むすべての借り入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が決まっている「フラット35」を活用するのも方法です
なお、「フラット35」では、総返済負担率が下記のように決まっています。

  • フラット35の総返済負担率
  • 年収400万円未満…年間合計返済額の割合:30%以下
  • 年収400万円以上…年間合計返済額の割合:35%以下

借り換えにおすすめのフラット35

ARUHI フラット35

ARUHI フラット35

住宅ローン金利(年利) 2024年4月
  • 15-20年固定1.43
  • 21-35年固定1.82
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
取扱い事務手数料 借り入れ金額の2.2%(税込)
  • Webからの申し込みで1.1%(税込)に優遇
  • ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 最低事務手数料220,000円(消費税込)
保証料 無料
一部繰り上げ返済手数料 無料
おすすめポイント
  • 業界最低水準の住宅ローン金利を実現
  • Webからの申し込みで取扱い事務手数料を「借り入れ金額の1.1%(税込)」に優遇 ※3 ※4

ARUHI フラット35の特徴
13年連続でフラット35の取り扱い件数第1位を獲得しているARUHIの長期固定金利型住宅ローン※1

ARUHIフラット35では、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。※2 さらに、Webからの申し込みで、取扱い事務手数料が、借り入れ金額の2.2(税込)から1.1%(税込)に優遇される ※3 ※4。他のフラット35と比較して、有利な条件で住宅ローンを組めるのは、ARUHI フラット35を利用する大きなメリット。

事前審査は最短1営業日、本審査は最短3営業日とスピード審査に対応しているほか、返済口座は全国1,000以上の金融機関から選択できる等、利便性の高いサービスを提供している。
住宅ローンの借り入れにフラット35を検討する際、ARUHIフラット35はまずチェックしておきたい。

  • 1. 2010年度-2022年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2023年3月末現在、ARUHI調べ)
  • 2. 【フラット35】業界最低水準(ただしスタンダードタイプの場合)。ARUHI 調べ。
  • 3. ARUHI スーパーフラットをお申し込みの場合は「ご融資額×2.2%(消費税込)」
  • 4. 最低事務手数料220,000円(消費税込)

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住宅ローンが借り換えできない場合の対処法 その2:転職・独立直後の場合住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

転職や独立をしたばかりのときは、勤続年数の短さや収入の不安定さなどが原因となって審査に通りにくくなる傾向があります。
実際問題として、転職や独立の直後は、転職先の会社や独立した仕事でそのまま働き続けられるか、安定した収入を得られるかについて、一定のリスクが伴っていることも事実です。
そのため、申し込み条件(勤続1年以上など)が整ってから再度、借り換えにチャレンジするのも1つの方法。
しかし転職が一般的になり、独立・起業も増えつつある現在は、住宅ローン審査の際に勤続年数を問わない金融機関も登場しています。借り換えを急ぐ場合はこのような住宅ローンを活用しても良いでしょう。

借り換えにおすすめの住宅ローン

ソニー銀行 住宅ローン

ソニー銀行 住宅ローン

金利 2024年4月
  • 変動0.397(変動セレクト住宅ローン/新規購入の場合)
  • 変動0.397(変動セレクト住宅ローン/借り換えの場合)
  • 10年固定1.290(固定セレクト住宅ローン)
  • 20年固定1.990(固定セレクト住宅ローン)
  • 30年※固定
    2.390(住宅ローン)
  • 20年超
取扱い事務手数料 【変動セレクト住宅ローン、固定セレクト住宅ローン】
  • 定率制借り入れ金額の2.2%(税込)
【住宅ローン】
  • 定額制44,000円(税込)
保証料 無料
一部繰上げ返済手数料 無料 ※1万円以上1円単位での返済が可能
その他
  • 「勤続年数」に関係なく、住宅ローンの借り換えが可能
  • がんと診断された場合に住宅ローン残高が半分になる「がん団信50」が無料付帯

ソニー銀行 住宅ローンの特徴
ソニーフィナンシャルグループの中核企業として、幅広いサービスを提供するネット銀行大手「ソニー銀行」が提供する借り換えに対応した住宅ローン。
ソニー銀行の住宅ローンでは、申し込み条件に「勤続年数」を設けておらず、転職してから日が浅い場合でも、住宅ローンの申し込みが可能(※ただし、本審査の際に所定の書類の提出が必要)。審査に通過すれば、転職したばかりでも住宅ローンを借り換えることができる。

また、ソニー銀行の住宅ローンは、がんと診断された場合に住宅ローン残高が半分になる「がん団信50」が無料付帯。さらに、ソニー銀行の優遇プログラム「Club S(クラブエス)」のランクが自動的に1ランクアップし、Visaデビット付きの Sony Bank WALLETのキャッシュバック率が常時1%以上になる等、住宅ローン契約者向けの特典も充実している。

ソニー銀行は、転職後に住宅ローンの借り換えを検討する際、有力な選択肢の一つ。

ソニー銀行 住宅ローン

SBI新生銀行 パワースマート住宅ローン

SBI新生銀行 住宅ローン

住宅ローン金利 ※2024年4月実行金利
  • 変動0.42
  • 当初5年固定0.70
  • 当初10年固定0.95
  • 当初15年固定1.20
  • 当初20年固定1.35
取扱い事務手数料 【定額型】
  • 5.5万円
  • 11万円 ※「安心パック」付帯時
  • 16.5万円 ※「安心パックW」「安心パックS」付帯時
  • ステップダウン金利タイプを選択した場合も、取り扱い事務手数料は16.5万円
【定率型】
  • 借入金額の2.2% 
  • 「変動金利(半年型)〈変動フォーカス〉」選択時
保証料 無料
一部繰り上げ返済手数料 無料
おすすめポイント
  • 転職直後でも住宅ローンの申し込みが可能
  • 取扱い事務手数料に定額制を採用!借り換えにかかる諸費用を安く抑えられる

SBI新生銀行 住宅ローンの特徴
利便性の高いサービスに定評があり、人気を集めているSBI新生銀行の借り換えに対応した住宅ローン。
SBI新生銀行の住宅ローンは、転職直後でも申し込みが可能。さらに、転職履歴の有無によって適用金利や諸費用などが変わることもない。転職の影響を受けずに、住宅ローンの借り換えができるのは、SBI新生銀行を利用する大きなメリット。

また、取扱い事務手数料に定額制を採用しており、他のネット銀行と比較し、住宅ローンの借り換えにかかる諸費用を抑えられる点も嬉しいポイントといえるだろう。

その他にも、SBI新生銀行では、住宅ローン返済期間中のライフイベントやさまざまなリスクに備えるオプションとして「安心パック」シリーズを用意。加えて、保証料、一部繰り上げ返済手数料が無料など、利便性の高いサービスを提供している。

転職直後に住宅ローンを借り換える際、SBI新生銀行はぜひ候補に入れておきたい。

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住宅ローンが借り換えできない場合の対処法 その3:健康状態が悪化した場合住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンの契約時に加入する団体信用生命保険(団信)は、契約者に万一のことがあった場合に住宅ローンの返済が免除される生命保険です。
団信は、契約者に既往症や治療継続中の疾病があると、加入しづらくなるのが一般的。そして、民間の金融機関の多くは、団信に加入できない場合、住宅ローンを契約することができません

とはいえ、病歴を隠して団信に加入したとしても、医療機関への問い合わせ等で告知義務違反が発覚すれば、保険料は支払われません。団信の目的である本来のセーフティ機能は発揮されずに、住宅ローンの支払義務は残ってしまうことになります。

住宅ローンの返済中に大きな病気をした場合は、まずその旨を告知したうえで、医師の診断書や検査の数値などを金融機関に提出します。病状次第では審査に通過するケースもあるため、まずは金融機関の担当者に相談するのがおすすめ。

なお、政府と民間金融機関が提携する「フラット35」は団信への加入義務がないため、民間金融機関の団信に加入できない場合は有力な候補となります。

借り換えにおすすめのフラット35

住信SBIネット銀行 フラット35

住信SBIネット銀行 フラット35

住宅ローン金利(年利)
2024年4月
【買取型】
  • 15-20年固定1.43
  • 21-35年固定1.82
【保証型】
  • 借入金額の2.2%(税込)
※いずれも団信ありの場合。団信に加入しない場合は表示金利-0.2%
取扱い事務手数料 【買取型】
  • 新規借入:借入金額の1.1%(税込)
  • 借り換え:借入金額の0.99%(税込)
【保証型】
  • 借入金額の2.2%(税込)
  • 最低融資事務手数料:10万円(税込)
保証料 無料
一部繰り上げ返済手数料 無料
おすすめポイント
  • 業界最低水準の住宅ローン金利を実現
  • 事前審査から融資実行まで、住宅ローンの借り換え手続きがWEBで完結

住信SBIネット銀行 フラット35の特徴
住信SBIネット銀行が提供する長期固定金利型住宅ローン。
住信SBIネット銀行では、「買取型」と呼ばれる一般的なフラット35に加え、「保証型」のフラット35も提供。特に「保証型」のフラット35を取り扱っている金融機関は少ないため、「保証型」のフラット35を選択できるのは、住信SBIネット銀行を利用する大きなメリットといえるだろう。
また、業界最低水準の住宅ローン金利を実現しているほか、すべての病気・ケガをカバーする全疾病保証を付帯することが可能。ちなみに、「保証型」は全疾病保障が基本付帯となっているが、「買取型」は任意加入となっているため、健康上の問題がある場合は、「買取型」への借り換えを検討すると良いだろう。
その他にも、住信SBIネット銀行のフラット35は、事前審査から融資実行までWEBで完結。来店不要で、住宅ローンの借り換え手続きができる点も要チェック。

住信SBIネット銀行 フラット35 住宅ローン

ARUHI フラット35

ソニー銀行 住宅ローン

住宅ローン専門の金融機関、ARUHI(アルヒ)が提供するフラット35提携住宅ローン。数あるフラット35の中で13年連続シェアNo.1を達成※1 しており、圧倒的な人気を誇る。
事前審査は最短当日、本審査は最短3営業日と、審査のスピードにも定評がある。
返済用口座は全国1,000以上の金融機関に対応。インターネット経由で申し込むと、事務手数料の優遇が受けられる点も嬉しい。

  • 1. 2010年度-2022年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2023年3月末現在、ARUHI調べ)

ARUHI フラット35

住宅ローンが借り換えできない場合の対処法 その4:オーバーローンの場合住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

不動産価格の下落によって、物件の価値が住宅ローンの残高を下回っている状態を「オーバーローン」と言います。
オーバーローンによって金融機関の借り換え審査を通りにくくなっている場合は、まず、査定額とローン残高にどの程度の開きがあるかをチェックしてみましょう。
路線価や固定資産税評価額などをもとに、金融機関の査定額の妥当性を調べてみるのもおすすめ。納得がいかない場合は、査定のやり直しを要求したり、別の金融機関に借り換えを相談しても良いでしょう。
ローンの超過部分がそれほど大きくない場合は、繰り上げ返済で住宅ローン残高を減らすのも1つの方法です。

住宅ローンが借り換えできない場合の対処法 その5:延滞や他のローンがある場合住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンやクレジットカードの返済を延滞すると、借り換えの審査に通りにくくなります。
これらの延滞情報は、1回のみ、あるいは督促が届いてすぐに支払ったなど軽微な場合は1年程度で信用情報機関への記載がクリアになるため、1年間きちんと返済を続けたあとで借り換えにチャレンジすると良いでしょう。
なお、信用情報機関(JICC、CIC、KSCなど)に記録されている個人信用情報は、本人が申し込むことで開示も行っています。手数料(500~1,000円)がかかるものの、住宅ローンの借り換え審査を申し込む前に確認してみても良いでしょう。

住宅ローンの借り換えは早期返済への近道!審査に落ちてもあきらめずにチャレンジしよう住宅ローンを借り換えできない場合の対処法

住宅ローンを上手く借り換えることができれば、総返済額の圧縮につながり、早期返済に一歩近づくことができます

ただ、新規で借り入れたあとに起きた様々な変化によって、住宅ローンの借り換え審査に落ちてしまうケースは決して少なくありません。
そうした場合、審査に落ちた原因を調べ、その対策を知り・実行することで、審査の通過率を確実に高められます

住宅ローンの借り換えを検討しており、審査になかなか通過できない…という状況にいる方は、今回ご紹介した5つの原因とその対処法を参考に、自身が希望する住宅ローンへの借り換えを実現させましょう。

著者・総監修 早川 聡

著者・総監修 早川 聡

住宅ローン含め、金融の専門家(プロ)として様々な記事を執筆しており、最新の金利動向の記事執筆を担当。世界経済の動向を踏まえた金利分析と予測の精度に定評がある。住宅ローン金利の動向に関しては日本経済新聞からの取材を受けた経験あり。