住宅ローンの基礎知識景気と住宅ローン 不景気になると金利、物件価格はどうなる?景気が良くなるとどう動く?

更新日:

景気と住宅ローン 不景気になると金利、物件価格はどうなる?景気が良くなるとどう動く?

住宅ローンと景気の関係は?景気の良いとき、不景気のときの対処法景気と住宅ローン

新型コロナウイルスの流行を皮切りに、世界の景気が停滞・後退に向かいつつあるとする観測が強まっています。2020年に関しては、日本含め世界経済が大混乱することは間違いないでしょう。

マイホームの購入を考えている方の中には、今後の景気の動向が、物件価格や住宅ローン金利にどのような影響を及ぼすか気になっている方も多いはず。

そこで今回は「景気と住宅ローン」をテーマに、景気が良いときにどのようなことが起こり、不景気のときにはなにが起きるのか、それぞれの状況下で住宅ローン金利や物件価格が受ける影響について解説します。
これから住宅を購入する予定の方はもちろん、現在、住宅ローンを返済中の方も、借り換えや繰り上げ返済を検討する際の参考にしてください!

景気が良いとき、住宅ローンはどうなる?物件価格はどうなる?景気と住宅ローン

景気が良いときは、市場にお金が回り、経済全体が活性化しています。
企業の業績は上がりやすく、企業業績に応じて労働者の給料やボーナスも上昇するので、消費者の購買力も高まります。
その一方で、人件費や建築資材などの価格も上がるため、物件価格は新築住宅を中心に高くなります。そして、新築物件が購入できないほどに高くなると、次は中古物件の価格があがっていきます。2020年の日本は、この状況がまさに起きつつありましたが、新型コロナショックが直撃し、新築物件の需要が大幅に減退。中古物件への物色意欲も落ち着き、最終的には新築物件も下がることになりそうです。

また、一般に、好景気下においては、各国の中央銀行(日本の場合は日本銀行)は政策金利を引き上げます。これは、企業が資金を借りにくくすることによって、過度な消費を抑えることが目的です(金融引き締め)。政策金利の影響を受ける住宅ローン金利も、このタイミングで上昇します

つまり景気が良い場合は、物件価格が高くなり、住宅ローン金利も上昇するので、マイホームをお得に購入するという意味では厳しい環境と言えます。

結論景気が良くなると物件価格が上がり、住宅ローン金利も上がる

不景気になると住宅ローンはどうなる?物件価格はどうなる?景気と住宅ローン

画像

景気が悪化すると、好景気のときとは正反対の状況が起こります。市場のお金の動きが鈍くなり、消費が停滞するため、中央銀行は政策金利を引き下げて、企業の経済活動を活発化させようとします(金融緩和策)。住宅ローン金利が下がるのもこのタイミングです。
景気の悪化に伴い、物件価格も下がっていきますが、意識しておきたいのは、まず中古住宅が先に下がりはじめ、新築住宅の価格が落ちるのは景気が大幅に後退してからになることが多い、という点です。
これは、新築住宅の価格を、住宅販売会社(大手不動産会社、デベロッパーetc.)が決定しているためです。建築にかかった人件費や資材費などのコストを回収する必要があるため、一般的に、新築住宅の場合は中古よりも値下がりしにくく、価格の変動がゆるやかになります。
景気の影響は中古市場にもっとも早くあらわれ、中古住宅の価格が値崩れしはじめると、世の中は本格的に不景気に突入すると言われています。

過去の事例を見ると、バブル崩壊の際の不動産価格は最高値の3分の1に、過去最大級の景気後退と言われているリーマンショックも高値から約3割から4割ほど値下がりしました。
今回の新型コロナショックも物件価格の下落には注意が必要です。

結論不景気になると住宅ローン金利が下がり、物件価格も下がる。ただし、価格が下がるのは中古住宅から

現在の日本の住宅ローン金利は、ほぼ底値景気と住宅ローン

画像

このように、景気の良し悪しによって、物件価格や住宅ローン金利は大きく変動します。
ただし、上記はあくまで一般的な経済の仕組みであり、現在の日本の住宅ローンにあてはまるかというと、必ずしも当てはまりません。
その理由は、日本の金利は日本銀行の金融緩和策によって長らくゼロからマイナス近辺を行き来しており、すでにこれ以上は下がる余地のない水準にあるからです。
たとえば、これから新型コロナウイルスに端を発する不景気が訪れたとしても、さらなる金利の低下は起こりにくいと言えるでしょう。今回の新型コロナショックで、米国のFRBは政策金利を1.5%引き下げましたが、日銀は金利の据え置きを決めました。このことからも、金利の低下余地は極めて少ないと言えるでしょう。
住宅ローン金利についても、現在の水準から大きく変わらない、もしくは、わずかに変動する程度、と考えておくのが無難です。
これから住宅購入を検討している方は、現在の金利水準でさまざまな金融機関の住宅ローンを比較して、金利の低いものをピックアップしておくと良いでしょう。

結論今の日本は景気・不景気関係なく、住宅ローン金利は、ほぼ影響を受けない

金利の低さに定評がある住宅ローン

住信SBIネット銀行 住宅ローン(WEB申込コース)

住信SBIネット銀行 住宅ローン

ネット銀行最大の口座開設数を誇る「住信SBIネット銀行」の住宅ローン。変動金利・期間固定型・フラット35を扱い、いずれも業界最低水準の住宅ローン金利を提供している
住宅ローン保証料・団体信用生命保険料・繰り上げ返済手数料は無料。団体信用生命保険には、すべての病気・けがを対象として所定の就業不能状態となった場合に住宅ローン残高がゼロになる「全疾病保障」が無料で付帯。auじぶん銀行と同じく、ペーパーレスで住宅ローン契約をすませられるほか、全国の「SBIマネープラザ」で実施する対面式のサービスも利用可能。

このサイトへ行く

auじぶん銀行 住宅ローン

auじぶん銀行 住宅ローン

三菱UFJ銀行とKDDIの共同出資によるネット銀行「auじぶん銀行」が提供する住宅ローン。変動金利と期間固定型を取り扱う。
住宅ローン契約のペーパーレス化を実現し、事前審査から契約までをオンライン上で完結させることができる。住宅ローン保証料・団体信用生命保険料・繰り上げ返済手数料は無料

このサイトへ行く

マイホーム購入は中古住宅市場をチェックしながら。返済中の住宅ローンの借り換えはおすすめ景気と住宅ローン

新型コロナウイルスの影響で景気の不透明感が強まる現在、住宅をいつ購入するかは悩ましい問題です。
現在、物件を探している方は、ウイルスによる混乱が落ち着くのを待ちながら、まずは値下がりのタイミングがもっとも早い中古住宅市場をチェックしておきましょう。
前述した通り、2008年のリーマンショックの際も、不動産価格は大幅に下落しています。価格が下がった時点で希望の物件を見つけられれば、お得にマイホームを手に入れることができるはずです。

画像

なお、すでに住宅ローンを借り入れて、現在返済中の場合は、借り換えを検討してみるのもおすすめです。
日本の住宅ローン金利は、ほぼ底値の水準となっているため、現在の住宅ローン商品の中で金利の低いものが、借り換えでも有力な候補となります
住宅ローンの借り換えは、「住宅ローンの残高」「残りの返済期間」「借り換え前と借り換え後の金利差」が大きいほど総返済額を圧縮することが可能。ご自身のケースで借り換えたほうが得になるかどうかは、シミュレーションで簡単にチェックすることができます
「金利が低い」「付帯サービス(団信など)が充実している」等、気になる住宅ローンを見つけた場合は、ホームページの借り換えシミュレーションなどを上手に活用してみましょう。

著者 長尾 尚子

著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども3人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級