お悩み・相談住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法

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住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法

はじめに住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法

住宅ローンの返済は長期間に渡るため、返済期間中に失業する可能性もあり得ます。
その一方で、住宅ローン返済期間中に失業した場合でも、基本的に住宅ローンの返済義務は変わりません。失業したからといって住宅ローンの返済負担が無くなる・軽減されるといったことがない点には注意が必要です。

それでは、住宅ローン返済期間中に失業し、毎月の返済が難しくなってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?

今回の住宅ローン比較では、「住宅ローンと失業」をテーマに、住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法や、住宅ローン返済期間中の失業リスクに備える方法をわかりやすく解説します。

住宅ローン返済期間中に失業した場合、まずは金融機関に相談を住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法

住宅ローン返済期間中に失業し、定期的な収入がストップしてしまった場合でも、失業給付金が支給されるため、しばらくの間は生活を切り詰め、貯金を切り崩せば、今まで通り住宅ローンの返済を続けることは可能です。
ただし、失業給付金には受給額・給付期間に制限があります。失業期間が長期化すると、その分住宅ローンの返済が難しくなるため、いかに早く対策を打てるかが重要です

Memo 失業給付金の給付額はどのくらい?

失業給付金とは、会社を退職した場合に受け取ることができる手当のこと。「失業手当」と呼ばれています。(※正式名称は「求職者給付」)
失業給付金の受給額(基本手当)は、在職中給与の約50%~80%。給付を受けられる期間は90日~360日となっており、受給額や給付を受けられる期間は、会社を退職した際の年齢や雇用保険に加入していた期間、離職時の理由などによって異なります。

ちなみに、自己都合よりも会社都合で退職した場合の方が、失業給付金が早く支給され、給付を受けられる期間も長くなっています。

また、毎月の住宅ローン返済が困難になると、住宅ローンを滞納する可能性も出てきます
住宅ローンを滞納すると、以下のようなペナルティを課せられるため、注意しましょう。

  • 住宅ローン滞納時のペナルティ
  • 基準金利での住宅ローン返済
    それまで住宅ローン金利に適用されていた「優遇金利」が取り消され、基準金利(※優遇金利と比較し、住宅ローン金利が2%以上高くなることがほとんど)での返済を求められます。
  • 遅延損害金の支払い
    住宅ローンを滞納すると、通常の住宅ローン返済に加え、遅延損害金の支払いが求められます。遅延損害金の額は、住宅ローンの残債に対して14%程度上乗せされるケースが一般的。
  • 信用情報に遅延情報が記録される
    クレジットカードやローンなどの申し込みや契約に関する信用情報に住宅ローン返済の遅延情報が記録され、クレジットカードやローンなどの申し込みをした際、審査に通らない可能性が高くなります。
    ちなみに支払いが61日以上遅れた場合、信用情報は「ブラック」と呼ばれる状態になり、この状態になると、少なくとも5年間はクレジットカードやカードローンを契約することができなくなるため注意が必要です。
  • 不動産の強制売却
    住宅ローンの滞納が長引き、それでも支払いがない場合、保証会社(または債券回収会社)による「代位弁済」がおこなわれ、その後、物件は競売にかけられます。

失業によって住宅ローンを滞納するとさまざまなペナルティが課せられるため、毎月の住宅ローン返済が難しくなり滞納してしまう前に、現在、住宅ローンを借り入れている金融機関にまずは相談することが大切です
金融機関によっては、契約しているプランの見直しを提案してくれるケースや、返済期間の延長を打診してくれるケースも。ただし、金融機関によっては、プランの見直しが難しい場合や住宅売却を勧められるケースもあります。現在利用している金融機関に相談するだけで、全ての問題が解決する訳ではありません。

このようなケースを踏まえ、次のチャプターからは、住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法や、住宅ローン返済期間中の失業リスクに備える方法等について見ていきましょう。

失業保障特約のある住宅ローンを組む住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法 その1

現在のところ失業には至っていないものの、今後(住宅ローン返済期間中)の勤務先の状況(業績)によっては失業する可能性がある場合、住宅ローン返済期間中の失業リスクに備え、失業保障特約が付帯する住宅ローンを利用するのも一つの方法です。
失業保障特約付きの住宅ローンを利用すれば、住宅ローン返済期間中、万一会社の倒産や会社事由による解雇・退職勧奨等を理由に失業してしまった場合でも、一定期間、返済猶予などの保障を受けることができます

数ある住宅ローンのなかには、失業保障特約を付帯できるものがあるので、住宅ローン返済期間中の失業リスクに備えておきたいと考えている方は、住宅ローンを組む際、候補に入れておくことをおすすめします。

おすすめの失業保障特約付き住宅ローン

楽天銀行 フラット35:失業保障特約

楽天銀行 フラット35:失業保障特約

特約付帯料 年間:借入金額100万円あたり800円(※100万円単位。超過分は切り上げ)
保障内容 保障開始日以降に非自発的に失業して再就職できない状態が継続し、ローン約定返済日が到来した場合、最長6か月間を限度として、失業中のローン返済相当額を保険金として保障。
  • 保障開始日は、借入日から3か月を経過した日の翌日。
  • 支払いは、返済期間を通算して36か月分が限度
  • 雇用保険に加入していない会社経営者・役員や自営業者も保障の対象

楽天グループのネット銀行「楽天銀行」と住宅金融支援機構が提携し、提供する長期固定金利型住宅ローン(フラット35)。
楽天銀行 フラット35では、住宅ローン返済期間中の失業のリスクに備える特約として、失業保障特約を提供。保障開始日以降に勤務先の倒産や会社事由による解雇等、非自発的に失業した場合、再就職まで1回につき最長6か月、借り入れ期間通算で最長36か月分、毎月の住宅ローン返済額の保障を受けることができる
特約は、「年間:借入金額100万円あたり800円(※100万円単位。超過分は切り上げ)」で付帯可能。
また、楽天銀行 フラット35は、数あるフラット35のなかでも、業界最低水準の住宅ローン金利を実現。さらに、事務手数料が借入れ金額の1.43%(税込)(※住宅ローンの返済口座に楽天銀行を指定すると、1.1%(税込)まで優遇)と他のフラット35と比較し、低めに設定されている点もチェックしておきたい。

楽天銀行 フラット35

PICK UP! 住宅ローン返済期間中のさまざまなリスクに備えたい人におすすめ

イオン 住宅ローン:8疾病保障プラス付住宅ローン

>イオン 住宅ローン:8疾病保障プラス付住宅ローン

イオングループの「イオン銀行」が提供する住宅ローン。
イオン銀行では、他の金融機関と比較しても、優位性のある住宅ローン金利を実現。さらに、変動金利・固定金利ともに完済するまで(※固定金利の場合は、固定期間終了後から完済するまで)店頭表示の住宅ローン金利を割り引く優遇金利を提供している。
また、イオン銀行では全ての病気やケガを保障する「全疾病団信」が無料付帯するほか、年0.3%の金利上乗せで「8疾病保障プラス」を付帯可能。なお「8疾病保障プラス」には、勤務先の倒産や会社事由による解雇など、非自発的に失業した場合、最長6か月間、毎月の住宅ローン返済相当額分の保障が含まれている。住宅ローン返済期間中の失業リスクに備えられるのは嬉しいポイント。
さらに、「イオングループでの買い物が毎日5%OFF」といった住宅ローン契約者特典が利用できるのもイオン銀行を利用する大きなメリットといえるだろう。 Webと店舗の両方で住宅ローンの相談・申し込みに対応しているほか、保証料・一部繰り上げ返済手数料が無料となっている点もチェックしておきたい。

早期就職のために転職活動に真剣に取り組む住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法 その2

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すでに失業中の場合、まずは再就職し、定期的に収入を得られるようにすることが最優先。
特に、失業によりマイホームを手放したくない場合は、年収などの条件面にこだわり過ぎず、これまでの経験が活かせる仕事への再就職を目指すことが大切です

その際、ハローワークや求人サイトだけではなく、転職エージェントも利用するのがおすすめ。
転職エージェントとは、転職のプロであるキャリアアドバイザーから、自分に合った求人の紹介や応募書類の添削、面接対策など、さまざまな転職サポートが無料で受けられるサービスのこと
利用登録をすると転職のプロによるさまざまなサポートが受けられ、自分で求人を探して応募する場合と比較し、効率よく転職活動を進めることができます。
また、転職エージェントには、一般的な求人サイトや企業のホームページでは掲載していない「非公開求人」を多数取り扱っており、転職エージェントを利用することで非公開求人にアクセスできる点も魅力。
毎月の住宅ローン返済が難しくなる前に再就職したいと考えている方は、転職エージェントを上手く活用し、効率よく転職活動を進めつつ、早めに自分に合った企業への再就職を成功させましょう。

おすすめの転職エージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートキャリアが運営する転職エージェント最大手。数ある転職エージェントのなかでもトップクラスの転職支援実績を誇っている。
リクルートエージェントには、各業界・業種に精通した専任のキャリアアドバイザーが在籍。経験豊富なアドバイザーも多く、求人情報の紹介や面接対策等、質の高い転職サポートが受けられる点は、他の転職エージェントと比較してもリクルートエージェントの大きな魅力といえるだろう。
また、20万件以上の非公開求人を取り扱っている点もチェックしておきたい
拠点は全国に16か所あり、土日の転職相談にも対応。効率よく転職活動を進めたい人であれば、リクルートエージェントはまず登録しておきたい転職エージェントの一つ。

リクルートエージェント

ちなみに、再就職できたものの以前と比較して年収がダウンし、住宅ローンの返済負担が大きい場合、再就職後に住宅ローンの借り換えを検討するのがおすすめです。(※失業期間中は、住宅ローンを組むことはできません)
借り換え先の金融機関によっては、住宅ローンの総返済額を大幅に減らせ、住宅ローンの返済負担を軽減することが可能。再就職後に住宅ローンの返済負担を軽減したい場合は、住宅ローンの借り換えについてもチェックしておきましょう。

マイホームを売却する住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法 その3

失業後、再就職の目途がすぐに立たない場合や、再就職後の年収を考えると住宅ローンの返済が難しい場合、マイホームを売却し、住宅ローンの総返済額を圧縮するのも一つの方法です

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その際、住宅の売却価格が査定を依頼する不動産会社によって大きく異なる点には注意しましょう。

不動産会社は得意とする物件の種別(一戸建て、ワンルーム、ファミリー向けマンション他)や地域が異なるため、同じ物件でも、査定価格が大きく異なります。マイホームを売却する際は、不動産会社1社に査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果を比較することが大切です
(※ちなみに、査定結果を比較する際は、「査定価格の高さ」だけに注目するのではなく、物件の売却相場に対してどのくらいの査定価格になっているか、担当者が信頼できるのか、といった点に注目しましょう。「査定結果が高い=信頼できる良い不動産会社」と言う訳ではありません)

複数の不動産会社に物件の査定を依頼し、査定結果を比較する際は、「不動産一括査定サイト」の利用がおすすめ。不動産一括査定サイトを利用すれば、インターネットから無料で複数の不動産会社に査定依頼がおこなえ、簡単に査定価格を比較することができます
マイホームの売却を検討する際は、不動産一括査定サイトを上手く活用すると良いでしょう。

また、マイホームを売却する際はスピードも重要なポイント。時間が経てば経つほど、その期間の住宅ローンを返済する必要があり、返済負担が大きくなるほか、物件の価値も下がってきます。
住宅ローンの返済を継続することが難しいと感じた場合、早めにマイホームの売却を検討し、行動することも大切です

おすすめの不動産一括査定サイト

HOME4U(ホームフォーユー)

HOME4U(ホームフォーユー)

査定対象地域 全国
査定対象 マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、店舗・事務所・倉庫、その他

NTTグループの「NTTデータ スマートソーシング」が運営する国内初・日本最大級の不動産一括査定サイト。東京建物不動産販売、京成電鉄不動産、大成有楽不動産販売、住友林業ホームサービス、三井住友トラスト不動産など、全国約1,300社と提携している。
HOME4Uでは、所在地や物件情報を入力するだけで、無料で査定の申し込みが可能。情報の入力にかかる時間は最短60秒と短く、簡単に物件の査定を依頼することができる。
また、実際に査定してもらう不動産会社は最大6社まで自分で選ぶことができ、選ばなかった企業からの連絡が一切ない点もチェックしておきたい
さらに、HOME4Uを運営するNTTデータ スマートソーシングでは、個人情報保護のための「プライバシーマーク」を取得しており、第三者に個人情報が公開される心配がなく、安心して利用できる点も嬉しい。

HOME4U(ホームフォーユー)

すまいValue

すまいValue

査定対象地域 全国
査定対象 マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、その他

住友不動産販売、東急リバブル、三菱地所ハウスネット、野村の仲介+、小田急不動産、三井のリハウス 三井不動産リアルティの大手不動産会社6社が共同運営する不動産一括査定サイト
すまいValueでは、全国の物件を対象に、所在地や物件情報を入力すると、無料で査定の申込みが可能。情報の入力にかかる時間はHOME4Uと同様に最短60秒となっており、簡単に物件の査定を依頼することができる。さらに、一度の入力で最大6社の不動産会社から査定結果を受け取ることが可能。
また、利用者を対象におこなったアンケートでは、96.7%が「トラブルなく安心・安全に取引できた」と回答。安心してサービスを利用できる点も大きな魅力といえるだろう
すまいValueは、大手不動産会社に物件の査定を依頼したい人であれば、ぜひチェックしておきたい。

すまいValue

まとめ住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法

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住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法や、住宅ローン返済期間中の失業リスクについて解説した今回の特集はいかがでしたでしょうか?
住宅ローンの返済は長期に渡るため、返済期間中に失業してしまう可能性も十分に考えられます。

住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法にはいくつかの選択肢があるので、住宅ローン残高や貯金の状況、ライフプラン等を考慮し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。また、失業してから時間が経つほど収入が減り(あるいは収入が無くなり)、住宅ローンの返済負担が大きくなるため、いかに早く対処できるかも重要なポイント。

住宅ローン返済期間中に失業してしまった方や、将来、失業する可能性のある方は、本特集を参考に、住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法についてチェックし、失業した際、住宅ローンやマイホームをどうすべきかを決める際の参考にしましょう。

著者 溝口 麻衣

著者 溝口 麻衣

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。住宅ローン返済期間中に失業した場合の対処法についての調査と記事執筆を担当。
わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指し、日々原稿を執筆している。2級FP技能士取得。