住宅ローン講座自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

自営業者の住宅ローン審査は、会社員と比較すると厳しめ自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

個人事業主やフリーランス、中小企業の法人経営者などは、国や企業に雇用されて働く公務員・会社員と比較すると、住宅ローンの審査に通りにくい、と言われます。

自営業者の住宅ローン審査が厳しくなるのは、
①事業収入が不安定なことが多い
②事業用の資金を借り入れて返済を行っている

などの理由によって、長期の継続的なローン返済が難しい、と判断されるためです。

また、開業して日が浅いと、所得や事業の実績がなく、住宅ローン審査そのものに申し込めないケースもあります。

自営業者が住宅ローンを組むためには審査のポイントを知っておこう

このように、自営業者は会社員や公務員と比較すると不利な条件が多くなりがちですが、自営業者であるだけで住宅ローンが組めないということはありません。
事業が好調で十分な所得があり、将来に渡っても安定性を見込めるなど、金融機関に返済能力を証明することができれば、審査に通過することは可能です。

住宅ローンは、低金利で住宅融資を受けられる優れた制度。加えて、住宅ローン控除を受けることができ、条件さえ揃えば利息の部分を経費計上できるなど、会計面においても多くのメリットがあります

今回は「自営業者と住宅ローン」をテーマに、自営業者が住宅ローンを申し込む際に必要な書類や、住宅ローン審査のポイントを解説。自営業者におすすめの住宅ローンもご紹介します。

住宅ローン審査の提出書類には意図がある。自営業者がチェックされるポイントとは?自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

住宅ローンの審査では、おもに下記のような書類を金融機関に提出します。
自営業者の提出書類は会社員や公務員よりも多め。これは、所得や年齢に加えて、事業の安定性、税金・社会保険料の滞納の有無といったさまざまな角度から申込者の返済能力をチェックするためです。
それぞれの書類が、どのようなことを確認する目的で提出を求められているかを知っておきましょう。

自営業の住宅ローン審査の必要書類

確定申告書のコピー(個人事業主の場合) 事前審査・本審査ともに必要。
過去2~3年分で、付表も必要になる。税務署の受付印があるものを提出。e-Taxの場合は、受領メールを添付することで受付印の代わりとすることも。
※2~3期分の平均所得で審査を行うが、赤字の年があると審査に通りにくい。
決算書のコピー(法人経営者の場合) 事前審査・本審査ともに必要。過去2~3年分を求められる。
事業の安定性や給料の適正度合いなどをチェックすることが目的。財務諸表、附属明細など原則的にすべての決算書類が必要となる。
源泉徴収票の原本(法人経営者の場合) 事前審査・本審査ともに必要。会社から経営者に対して支払われる給与について証明するもの。過去2~3年分を求められる。
納税証明書の原本 本審査で必要。過去2~3年分が求められるなことが多い。税金の滞納がないことを証明する書類。※滞納がある場合は審査に通らない
身分証のコピー 事前審査で必要。運転免許証やマイナンバーカードなど、写真入りのものを求められることが多い。免許証は裏表ともにコピーする。
健康保険証のコピー 事前審査で必要。身分証のひとつ。ほかに、国民健康保険料の滞納の有無を確認する意図も。※滞納がある場合は審査に通らない
印鑑証明書の原本 本審査で必要。身分証のひとつ。申込時と契約時でそれぞれ求められる。
印鑑 事前審査では認印でOK。本審査の場合は金融機関届出印と実印を求められることが多い。
住民票 本審査で必要。身分証のひとつ。住所・所在の確認。
銀行通帳 金融機関によっては求められる場合あり。残高の確認、および、年金や公共料金などの支払いが遅滞なく行われているかを確認する意図も。
年金手帳 金融機関によっては求められる場合あり。国民年金の支払状況などを調べる。※滞納がある場合は審査に通らない。

確定申告書では、売上から諸経費を差し引いたあとの所得をチェックされます。
自営業の方の場合、節税対策として、所得を抑えるための設備投資や不動産購入、暦年贈与などを行っているケースも多いでしょう。
しかし、住宅ローンの審査では、借り入れ後の返済額(年間返済額)が、所得(年収)の一定割合以内に収まっていることが重視されます(これを返済負担率といいます。※後述)。
住宅購入を決めてから3年程度は、節税を頑張るよりも、所得を黒字に、かつ返済負担率に影響しない水準にキープするほうが良いでしょう。

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また、審査のなかでも、税金の滞納や、社会保険料(健康保険料、年金)の滞納は、とくに厳しいチェックを受けます。滞納があれば、それだけで審査不合格となるケースもあるため、支払期限を過ぎて未払いの税金・保険料がある場合はすぐに精算しましょう。
滞納期間が長い場合は、今すぐ住宅ローン審査に申し込むよりも、数年間、滞納なく税金や社会保険料を支払ってからのほうが、納付実績ができて審査に通りやすくなる場合も。

なお、現在は滞納していないが、過去に滞納の履歴がある、という場合は、金融機関の判断に負うところが大きくなります。経過年数やその後の納付状況によっては不問となるケースもあります。「5年以上前に一度だけ滞納し、資金ができたときに支払った」「督促状がきてすぐに振り込んだ」等で、判断がつきにくい場合は、納税証明書などの記録を確認するか、管轄窓口に問い合わせてみましょう。
住宅ローンの審査基準は金融機関によっても異なります。実際に審査を申し込んでみて、金融機関の判断に委ねるのもひとつの方法でしょう。

自営業者の住宅ローン審査の流れ自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

住宅ローンを借り入れる際には、事前審査と本審査という2回の審査に通過する必要があります。

事前審査

事前審査では、おもに、申込者の信用情報や、借入希望額の妥当性がチェックされます
信用情報は、「信用情報機関」という専門機関が管理しており、クレジットカードや自動車ローン、携帯電話の分割払いなどを延滞なく支払っているか、といった情報が記録されます。国内のすべての金融機関で共有されているため、延滞の実績がある場合は、ほとんどの住宅ローン審査に通ることができません
ただし、信用情報は永続的に残るわけではなく、一定年数が経過したあとで削除されます。本人が希望することで、現在の信用情報の開示も行っているので、気になる場合は問い合わせてみると良いでしょう。

借入希望額の妥当性については、年収における年間返済額の割合(=返済負担率)をもとに判断されます。適正割合は、おおむね20%から35%ほどで、この範囲内を超える場合は、事前審査に通らないか、融資可能額が減額となります。
自営業者の場合、すでに事業用の資金を借り入れていることも多いでしょう。返済負担率を計算する際の「年間返済額」には、既存の返済も含まれるため、そのぶん審査に通りにくくなります

  • 事前審査のおもな必要書類
  • 確定申告書のコピー 3期分
  • (事業の決算書 3期分 ※法人の場合)
  • (源泉徴収票 3期分 ※法人の場合)
  • 身分証(運転免許証など)のコピー ※裏表とも
  • 健康保険証のコピー
  • 印鑑(認印でOK)
  • 購入を希望する物件の情報

本審査

本審査では、事前審査からさらにチェックポイントが増え、申込者の健康状態や住宅ローン完済時の年齢、事業の継続年数、物件の担保価値などが審査項目に加わります。
健康状態が重視されるのは、住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険の引受基準を満たしているかどうかをチェックするため。
事前審査を通過していても、本審査で融資不可や融資額の減額が起きることはめずらしくありません。
対策としては、借入可能額の減額に備えて頭金(自己資金)を多めに用意しておく方法や、本審査が通らなかった場合に備えて、複数の金融機関に事前審査を通しておく方法などが有効です。

  • 本審査のおもな必要書類
  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証etc.)
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 確定申告書 3期分
  • (事業の決算書 3期分 ※法人の場合)
  • (源泉徴収票 3期分 ※法人の場合)
  • 納税証明書 3年分
  • 物件書類(売買契約書、重要事項説明書、登記簿謄本、物件概要書、公図・物件案内地図、間取り図、測量図、配置図etc.)

自営業者におすすめの住宅ローン 3選自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

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ここまで見てきたように、自営業者が住宅ローン審査を受ける場合にネックとなりがちなのが、所得と返済負担率です。
事業の収入が変動しやすく、事業資金の借り入れによって返済負担率も高くなりがち・・・という場合は、半官半民で運用されるフラット35や、地域の自営業者を主要顧客として抱える地方銀行・信用金庫などに相談してみると良いでしょう。

とくにフラット35は、前年(・前々年)の1~2年間の所得で審査をしてもらうことができ、返済負担率も、市中銀行の20%前後に対して、35%前後まで許容しているなど、自営業者にとってメリットの多い審査基準となっています。
ここでは、全国対応の金融機関が扱う住宅ローンの中でもとくに自営業者が借り入れしやすい住宅ローンをご紹介します。

ARUHIフラット35

ARUHIフラット35

住宅ローン専門の金融機関・ARUHI(アルヒ)が提供するフラット35提携住宅ローン。
フラット35では10年連続でシェアNo.1(2020年3月末時点)を達成している。
自己資金の割合によって金利が優遇される「保証型」のフラット35を扱う数少ない金融機関のひとつ。審査基準は明確で、自己資金割合などの条件を満たせば、自営業者や転職まもない場合でも申し込める。返済負担率は最高35%まで対応。
事前審査は最短当日(書類提出不要)、本審査は最短3営業日と、住宅ローン審査の速さにも定評がある。
全国に150以上展開する拠点では対面による住宅ローン相談を土日・祝日も実施。インターネット経由で申し込むと、融資事務手数料が優遇される点も嬉しい

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住信SBIネット銀行 フラット35

住信SBIネット銀行 住宅ローン

ネット専業銀行としてトップクラスの口座数・預かり資産残高を誇る住信SBIネット銀行が提供するフラット35。
ARUHIと同じく金利優遇を受けられる「保証型」と、従来のフラット35(買取型)を取り扱う。返済負担率も同様に最高35%まで対応
「保証型」は融資事務手数料が借入額の2.2%(税込)で「買取型」の2倍となるが、買取型では0.55%の金利上乗せとなる団体信用生命保険の付帯補償(全疾病保障)が無料付帯するなどメリットも大きい。
自営業者が申し込む場合は、収入証明として直近2年分の確定申告書・納税証明書が必要となる。

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新生銀行 パワースマート住宅ローン

新生銀行 パワースマート住宅ローン

実店舗型の銀行ながら、ネット銀行と同等の低金利を実現している新生銀行の住宅ローン。固定金利、変動金利ともに扱う。
自営業者(個人事業主)の申し込み要件は、確定申告書の所得金額(2年分)の平均が300万円以上の場合、と明確。
住宅ローン保証料・団信保険料・一部繰り上げ返済手数料は無料。付帯サービスの「安心パック」を申し込むと「団信介護保険」が無料で付帯。さらに、繰り上げ返済により短縮した返済期間分、元本返済を休憩できる「コントロール返済」も利用可能となる。

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自営業者の住宅ローンは所得と返済負担率を意識してかしこく選ぼう自営業者におすすめの住宅ローンは?審査の流れや必要書類をチェックしよう

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会社員や公務員と比較すると、自営業者の住宅ローン審査はどうしても厳しくなりがちです。
しかし、必要書類から読みとける金融機関の注目ポイントと、審査が通りにくい理由を押さえておけば、ご自身のケースに照らして有利な住宅ローンを選ぶこともできるでしょう。

今回ご紹介した、自営業者におすすめの住宅ローンの情報も参考に、自営業者が直面しがちな問題をクリアして、自分に合った住宅ローンを見つけましょう!

著者 長尾 尚子

フリーランスライター。得意分野は、育児・教育、住宅ローン、保険、金融、エンタメ等、幅広い。子ども2人を育児中のママでもある。
【資格】消費生活アドバイザー、FP2級