住宅ローン 選び方住宅ローンの変動金利と固定金利、利用者の割合は?2020年のデータを公開
住宅ローンの変動金利と固定金利、どっちを選ぶ? 住宅ローンの基礎知識
住宅ローンの利用を検討する際、変動金利を選ぶか固定金利を選ぶかで悩まない人はいないはず。実際編集部の住宅購入者を見ても、頭がよじれる程悩んだという意見が大半を占めています。
「金利が低い変動金利にしたいが、将来の金利上昇を考えると返済計画を立て難い。」
「固定金利で返済を確定させたいが、今後も低金利が続いた場合、損してしまうのではないか?」
等々考え出したらキリがありません。
実際にプロのFP(ファイナンシャル・プランナー)に聞いても、金融機関の担当者に聞いても、答えが割れるので、明確な正解と言うのはありません。(※金融のプロは固定金利をすすめる人が多い傾向はあります。)
正解がないなら最新のデータから実際のユーザー動向を参考にするのも選択肢の一つ。そこで今回の住宅ローン比較のニュースは、(独)住宅金融支援機構が9月15日に発表した最新の住宅ローン利用者調査の結果をもとに、変動金利と固定金利の利用者の割合をご紹介します。
また実際の利用者の割合に加え、これから住宅ローンの利用を検討している方の動向についても併せてご紹介しているので、是非最後までチェックしてみてください。
参考資料
- 住宅金融支援機構:住宅ローン利用者の実態調査
- 調査期間:2020年5月26日から6月4日、2019年10月から2020年3月
- 調査対象:住宅ローン利用者(フラット35含む)
- 調査人数:1,500名
2020年の最新データでは、最も利用者が多いのは変動金利
住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者の実態調査」の中から、金利タイプ別利用状況の項目を抜き出すと、2020年の住宅ローン利用者が、どの金利タイプを選んでいるかがわかります。
この結果によると、変動金利を選択している割合が60.2%と最多。固定金利選択型が26.6%。全期間固定型が13.2%となっています。
変動金利は2019年の調査と比べても1.2%利用者が増加。対して固定金利選択型と全期間固定型は利用者を減らしています。
この結果を見ると、2020年も現在の所、変動金利の利用者が圧倒的に多いと言って良いでしょう。
住宅ローンの利用を検討している方の予定では全期間固定型が最多
「住宅ローン利用者の実態調査」は、住宅ローンを借り入れたユーザーの動向だけではなく、これから住宅ローンを利用する予定のユーザーの動向についても調査を行っています。
この調査は、現在の利用者動向とは大きく異なり、希望する住宅ローンの金利タイプ1位は全期間固定型、2位が固定金利選択型、3位が変動金利という全く逆の結果に。
また全期間固定型を希望するユーザーが前年比で2.4ポイントも増加しているのに対し、固定金利選択型と変動金利は希望者の数を減らしています。
さらに住宅ローンの利用を検討しているユーザーの約35%が、今後1年程度が住宅の買い時だと思うと回答。買い時だと思わないの23.3%を大幅に上回っており、コロナ禍においても住宅の購入意欲が旺盛という事がわかります。
変動金利の人気は不動。今後は全期間固定型の人気が上昇する可能性
ここ10年以上変動金利が利用者の割合が常に最多であることを考えると、2020年のうちに変動金利の人気が揺らぐ可能性は極めて低いでしょう。
ただ住宅ローン利用予定者の動向調査で、全期間固定型を希望するユーザーの割合がこれほど増えたのはここ数年記憶にありません。これは今後の景気動向や金利動向に不安を感じているユーザーが、返済計画を確定させることができる全期間固定型を希望しているためでしょう。今後は全期間固定型の人気が上昇していきそうです。
住宅ローン比較では、変動金利はもちろん、固定金利や全期間固定型の代表格、フラット35の最新の情報を調べ、ランキングを毎月更新しています。
住宅ローンの利用を検討している方は、気になるランキングの結果も是非チェックしてみてください。
著者・総監修 早川 聡
住宅ローン含め、金融の専門家(プロ)として様々な記事を執筆しており、最新の金利動向の記事執筆を担当。世界経済の動向を踏まえた金利分析と予測の精度に定評がある。住宅ローン金利の動向に関しては日本経済新聞からの取材を受けた経験あり。