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住宅ローン金利が優遇される条件とは?適用金利を下げる工夫とおすすめの住宅ローン

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住宅ローンの金利には様々な優遇が設けられている

住宅ローンには、提供する金融機関が用意している様々な金利優遇の仕組みがあります
借り入れを実行する際は、誰もが少しでも金利の低い住宅ローンを選びたいもの。しかし、金利の優遇(引き下げ)には様々な種類や細かい適用条件があり、金融機関によって異なる部分が多いため、金利に関する知識がないと住宅ローン同士をうまく比較することができません。

そこで今回は「住宅ローンの優遇金利」をテーマに、住宅ローンの金利が引き下げられる場合の条件や、金利優遇サービスを提供しているおすすめの住宅ローンについて解説します

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住宅ローンはどこで組む?借入先の銀行の選び方 5つのポイント

住宅ローンはどの銀行で組むのがおすすめ?金利や団信、諸費用など、住宅ローンの借入先の銀行を選ぶ際に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説。

長尾尚子

この記事を書いた人長尾 尚子

【資格】消費生活アドバイザー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
フリーランスライター。得意分野は、ビジネス・金融・投資・育児・教育・節約など。子ども3人を育児中のママでもある。

住宅ローンの優遇金利とは?店頭金利や適用金利との違い

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住宅ローンの優遇金利とは、金融機関の様々な優遇措置によって、店頭金利(基準金利)から引き下げられた金利を指します。
金融機関は融資用に「店頭金利(基準金利)」と呼ばれる金利を設定していますが、店頭金利をそのまま利用するケースは限られており、通常は店頭金利から一定の引き下げを行った金利を適用します。
この引き下げ幅(優遇幅ともいう)のことを「優遇金利」と呼び、店頭金利から優遇金利を差し引いて実際の融資に使われる金利を「適用金利」と呼ぶのが一般的です。

優遇金利と店頭金利、適用金利の関係は、以下のように表すことができます。

優遇金利と店頭金利、適用金利の関係
店頭金利-優遇金利=適用金利
※「優遇幅が適用されたあとの金利」という意味で、適用金利=優遇金利と解釈する場合もあります。

住宅ローンを商品として見た場合、店頭金利は商品の「定価」に当たり、優遇金利は「割引」、適用金利は「割引後の価格」と考えると理解しやすいでしょう。

店頭金利(基準金利、店頭表示金利)
市場の金利動向に合わせて各金融機関が決める金利。住宅ローンにそのまま適用されるケースは少ない。
優遇金利(引き下げ幅、優遇幅)
物件価格に対して一定以上の自己資金を用意するなど所定の条件を満たすことで適用される。
適用金利(借入金利、融資金利)
店頭金利から優遇金利を割り引いたあとの金利。借入額に直接反映される。

店頭金利・優遇金利ともに設定するのはそれぞれの金融機関です。
店頭金利は日本銀行の政策や市場の金利動向に連動するため、各金融機関ともある程度横並びに推移しますが、優遇金利は、それぞれの金融機関の方針(住宅ローンへの力の入れ具合など)が色濃く反映されており、住宅ローンごとの差が大きい部分と言えるでしょう。

住宅ローンの優遇金利の適用条件は?

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住宅ローンの優遇金利は、金融機関によって様々な適用条件が設けられています。
たとえば、「物件価格に対して一定以上の割合の自己資金(頭金)を用意する」「住宅ローンを借り入れる銀行に口座を開設し、給与振込口座に指定する」「住宅ローンを契約すると同時に提携クレジットカードや提携サービスに申し込む」など、それぞれの金融機関が定めた条件をクリアすることで住宅ローンの優遇幅が増えるのが一般的です

また、住宅ローンの審査結果によって、金利の優遇幅が調整される場合もあります。
たとえば、メガバンクや地方銀行の住宅ローンは、申込者の返済能力に応じて、金利の幅が決められるケースがあり、返済能力が高いほど金利が優遇されます。
ネット銀行の住宅ローンも、これまでは保証会社を利用せずに融資を行うケースが一般的でしたが、最近は審査結果に応じて保証会社を利用するケースも増えてきました。保証会社を利用する場合、その手数料分が適用金利に上乗せされるため、保証会社を利用しないケースよりも金利が高くなります

審査内容を元にした金利の優遇や上乗せ金利の有無ついては、多くの金融機関が審査基準などの詳細を公開しておらず、内実を知ることは困難ですが、自己資金割合のように金利の優遇条件が開示されている場合は、自身に該当する金利優遇を積極的に活用していくと良いでしょう。

住宅ローンの優遇金利のおもな適用条件

  • 物件価格に対して一定以上の自己資金(頭金)がある
  • 金融機関の関連サービスの利用
  • 住宅ローンの審査結果(申込者の返済能力)

なお、全期間固定型の住宅ローン「フラット35」でも、住宅の省エネ性能や世帯の子ども人数に応じて金利が優遇される仕組みがあります。
フラット35は、政府所管の「住宅金融支援機構」が母体となり、提携の民間金融機関が窓口となってサービスを提供しているので、金利優遇の条件は金融機関を問わず一律です。

優遇金利の適用方法にもパターンがある

また、優遇金利の適用方法は通常2~3パターンに分かれているのが一般的です。多くの金融機関が採用しているのが「当初引き下げ」と「通期引き下げ」の2種類
当初引き下げとは、借り入れ当初から一定期間(3年・5年・10年など)の金利の優遇幅を特に大きく取り、期間が終了した時点で優遇幅を通常に戻す方法です。
一方、通期引下げは、店頭金利からの引き下げ幅を、借入期間中は常に一定に保つ適用方法を指します。店頭金利に変化がなければ、「通期引き下げ」は月々の返済額にも変化が出にくく安定しています。

当初引き下げ
住宅ローン借り入れ当初の一定期間の金利引き下げ幅を大きめに取るパターン。借り入れからしばらくのあいだの返済負担を軽減できるが、期間が終了すると、店頭金利に変動がなくても月々の返済額が増える。
通期引き下げ
住宅ローン借入期間中の金利引き下げ幅が常に一定となる適用パターン。店頭金利に変動がなければ、月々の返済額にも影響が出にくい。

住宅ローンを借り入れる際は、契約時にどちらかの金利プランを選択しますが、返済が始まったあとはプラン変更ができない金融機関が多いため、慎重に選ぶ必要があります

どちらのプランが有利になるかは、住宅ローンの借入期間や借入額、優遇金利の引き下げ幅によって異なります。
また、各金融機関の店頭金利や優遇幅、事務手数料をはじめとした諸費用によっても異なるので、シミュレーションを利用するなどして、なるべく同条件で比較すると良いでしょう。

金利優遇や契約者サービスが充実しているおすすめの住宅ローン

auフィナンシャルグループ(KDDIグループ)のネット銀行「auじぶん銀行」が提供する住宅ローン。金利タイプは変動金利型と固定金利特約型の2種類、金利プランは全期間引下げプランと当初期間引下げプランの2種類を取り扱う。
また、団信(団体信用生命保険)の手厚さや金利優遇サービスにも定評があり、住宅ローン契約者が満50歳までの場合、4疾病保障を含む「がん50%保障団信」が無料で付帯。さらに、住宅ローンとau回線など各種サービスをセット契約することで最大0.15%の金利優遇も受けられる。
仮審査の申し込みから契約まですべての手続をオンラインで完結可能。金利優遇サービスの手厚い住宅ローンを探している場合はチェックしておきたい

基本情報 2025年4月実行金利
金利(店頭-優遇幅)
変動 0.784(全期間引下げプラン)
  • 新規借り入れ
  • 物件価格の80%超で借り入れの場合
10年固定 1.765(当初期間引下げプラン)
店頭金利(基準金利)
変動 2.591
10年固定 3.560
金利の優遇幅(引き下げ幅)
全期間引下げプラン
変動 -2.157
  • 物件価格の80%以下で借り入れ
-2.112%
  • 物件価格の80%超で借り入れ
10年固定 -1.000
当初期間引下げプラン
10年固定 -2.075
  • 11年目以降-0.800%
  • 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
その他の金利優遇サービスと適用条件
  • モバイル……auじぶん銀行の住宅ローンとau回線のセット契約で住宅ローン金利を年0.07%引き下げ
  • でんき……auじぶん銀行の住宅ローンとじぶんでんきのセット契約で住宅ローン金利を年0.03%引き下げ(住宅ローン契約後でも適用可能)
  • インターネット……auじぶん銀行の住宅ローンとJ:COM NETまたはコミュファ光のセット契約で住宅ローン金利を年0.03%引き下げ
  • テレビ……auじぶん銀行の住宅ローンJ:COM TVのセット契約で住宅ローン金利を年0.02%引き下げ

auじぶん銀行公式サイトへ行く

イオングループのイオン銀行が提供する住宅ローン
オンラインはもちろん、イオンモール内にある店舗は休日も住宅ローン相談に対応しており、対面で住宅ローン手続きを進めたい場合に利便性が高い。取り扱う金利タイプは変動金利型と固定金利特約型の2種類。
ローン取扱手数料を、定額型(税込110,000円。最低取扱手数料220,000円)と定率型(借入金額の税込2.2%)の2種類から選択できる。
また、住宅ローン利用者はイオンでの買い物が毎日5%OFFになるイオンセレクトクラブへ入会でき、返済期間中ずっとショッピング割引が適用される点も魅力。金利優遇サービスのバリーションこそ少ないものの、イオン店舗が近くにある場合は積極的に検討したい。

基本情報 2025年4月実行金利
金利(店頭-優遇幅)
変動 0.78(物件価格の80%以内での借り入れの場合)
固定10年 1.64
店頭金利(基準金利)
変動 2.62
10年固定 3.95
金利の優遇幅(引き下げ幅)
全期間優遇金利プラン ※変動金利のみ
変動 -2.09
  • 物件価格の80%以下で借り入れ
-2.04%
  • 物件価格の80%超で借り入れ
当初固定金利プラン
10年固定 -2.67
  • 11年目以降-1.60%
その他の金利優遇サービスと適用条件
  • 金利優遇キャンペーンを不定期開催
    ※当初固定金利プラン3年固定:0.90%→0.37%(2024年4月30日まで。金利と引下げ幅はキャンペーン期間中毎月見直し)

イオン銀行公式サイトへ行く

3大メガバンクの一つ、三井住友銀行が提供する住宅ローン。金利タイプは変動金利型、固定金利特約型、超長期固定金利型(全期間固定型)の3種類を取り扱う。金利プランは、金利の引き下げ幅が借り入れから完済まで一定の「最後までずーっと引き下げプラン」と、借り入れから最初の一定期間を重点的に引き下げる「最初にぐぐっと引き下げプラン」があり、ニーズにあわせて選択可能(長期固定の場合は専用の「超長期固定金利型プラン」となる)。
さらに、住宅がZEH(ゼッチ)基準を満たす場合は、変動金利型の優遇幅が0.05%アップするため、ZEH住宅を取得予定で変動金利型の住宅ローンを検討している場合はチェックしておきたい。

基本情報 2025年4月実行金利
金利(店頭-優遇幅)
変動 0.925%~(最後までずーっと引下げプラン)
固定10年 2.00%~(最初にぐっと引下げプラン)
35年固定 2.75
店頭金利(基準金利)
変動 2.625
10年固定 4.30
35年固定 3.29
金利の優遇幅(引き下げ幅)
最後までずーっと引き下げプラン
変動 -2.00%~-1.75
固定10年 -2.00%~-1.75
最初にぐぐっと引き下げプラン
10年固定 -2.30
  • 11年目以降-2.00%
超長期固定金利型プラン
35年固定 0.5%~0
その他の金利優遇サービスと適用条件
  • 環境に配慮したZEH(ゼッチ)住宅の場合、変動金利型は店頭金利から年2.05%引き下げ

三井住友銀行公式サイトへ行く

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